30代独身女性の転職は難しいと言われることが多いです。その理由として下記のようなことが考えられます。

  • いつか結婚して辞めてしまうかもしれない
  • 子供を産んですぐに休暇に入ってしまうかもしれない

それならば、まだ結婚する可能性の少ない若い女性や、出産で休みを取らなくても大丈夫な男性社員を求めようと思う企業は多い、と一般的には言われています。

メディアなどでも30代独身女性の職場における価値がほとんどないかのように言われることもありますが、本当にそうなのでしょうか。

結婚して辞める時代ではない

まず、結婚して辞めてしまうのではないかと思うこと自体が時代錯誤の考え方です。夫婦共働きが当たり前の時代ですから結婚=退職となる女性の方が今は少ないです。

家事をしながら仕事をすることは大変ですが、近年はイクメンなどの言葉が生まれたように男性が家事に協力することを促す風潮にあります。

また、時短正社員などのように様々な働き方を選択できる企業も増えましたから、結婚して家事と仕事の両立が難しいというのも段々解消されつつあるのが実情です。

子供を産んですぐに休暇に入っても長く働く人はいる

確かに採用したばかりの職員が、仕事を覚える間もなく妊娠した場合、企業側は産休を取得させる義務があるため、企業側の負担は大きくなります。

しかし、これについてはその負担の大きな一部である産休中の健康保険料について労働者、企業側ともに免除される規定ができました。(平成26年4月より施行)。

育休中の社会保険料についてはもともと双方の免除規定がありましたから、実際の問題としては、「せっかく教えた仕事を忘れてしまう」「休職中の仕事を任せる人が必要になる」ということが主になります。

仕事を忘れてしまうかどうかについては労働者の努力が必要ですが、休職中の仕事については派遣を利用する、ワークシェアで分担するなど、1年程度のことであれば乗り切ることができるとも言えます。

逆に採用されてすぐ産休・育休を取らせてくれた企業に対して労働者は恩を感じ、復帰後に一生懸命、長く働いてくれるというケースもあります。

そのように長い目で考えると、「子供を産んですぐ休暇に入ってしまうかもしれない」は、必ずしもデメリットとは言えないようにも感じます。

30代独身女性が面接のときに経験する質問

このように30代女性の転職が難しいと言われる背景にも徐々に変化があります。

しかし実際の面接などでは30代独身女性ならではの質問を受けたり、嫌な思いをしたことがあるという人はいることでしょう。例えば、下記のような質問です。

  • 結婚の予定はあるのか
  • 子供を産む予定はあるのか
  • 子供を産んでもちゃんと働くことができるのか

ここで一つ覚えておいていただきたいのは、面接でこのような質問をすることそのものは現在法律で禁止されています。(男女雇用機会均等法第5条)

これを理解した上でこのような質問をしないという企業は増えたと言えます。

企業側の疑問を解消しておいた方が良いときもある

応募者の中には、結婚や出産の予定などを質問をされて不快に感じる方も多く、「こんな質問をしてきたからこの会社はだめ!」と決めつけてしまうこともあります。

しかし、実際には、「企業側のこのような疑問に答えておいたほうが双方の認識を共有でき、自分の今後のためになる」という考え方もあります。

法律自体を知らずにプライバシーに突っ込んだ質問を、ずけずけと投げかけてくるような企業は論外ですが、応募者自らが企業側の内心思っていることに対してクリアにしようと心掛けることは、転職後に長く働き続けるためにも必要なことでもあると言えます。

例えば「結婚しても長く働きたいと思っています。」や「現在は出産の予定はありませんが、いずれは出産したいという希望があります。その場合でも復帰して育児と仕事を両立する覚悟ができています。」など、自身の想いを正直に伝えることで、誠実さが伝わり、長い目で見て一緒に働きたいと思ってくれることもあります。

例えそれを伝えることによって不採用になったとしても、そもそもその会社では出産したあとの労働環境が整っていない可能性があり、応募者にとっては採用後にその事実を知るという不幸が避けられると言えます。

また、企業側もしっかりと心構えができて法律を元に規則を整備したり、後々認識のずれによるトラブルなどにも発展しにくいと考えられます。

このように、法律で質問することは禁止されているけれど実際にはクリアにしておいた方が良い問題に対して、応募者側は神経質になりすぎるよりは、自分自身のためにも広い視野を持ちどっしりと構えることも必要なのではないでしょうか。

30代はキャリアや実績をアピールできる

30代にもなると、社会人としてそれなりの経験を積みアピールできる実績が何かしらあるはずです。

それは営業成績などの目に見えるものでなくても良いのです。こういう書類の作成をしてきたとか、こんなケースに対応したなど、今までやってきたことをしっかりとアピールすることで企業側が採用後のイメージをつかみやすくなります。

30代独身女性の能力は高いのだから自信を持って

私が見てきた企業では、30代の独身女性は、社会人になってからほぼ仕事から離脱したことがないため、理解が早く即戦力として働いてくれる優秀な人材が豊富です。

また、物腰が柔らかくコミュニケーション能力も長けている人が多いのも特徴で、新人の指導などもできます。

このように能力自体が高いにもかかわらず、「30代独身女性だから市場で求められていない…。」と、転職を尻込みしてしまう女性が多いのは非常に勿体ないことです。

前述したような面接時の質問も経験するかもしれませんが、逆手に取るぐらいの気持ちで自信を持って実績をアピールすれば、転職を成功させるのも難しいことではないです。

転職エージェントを活用しよう

30代独身女性が転職活動を成功させるには、ハローワークなどだけでなく是非転職エージェントに登録しておきましょう。

転職エージェントでは履歴書や職務経歴書のアドバイスなども行ってくれ、キャリアや実績をアピールする力を鍛えることができます。また、企業の内情に詳しいため30代独身女性が実際に活躍している職場なども探してくれます。

30代独身女性の転職は自信を持って行うのが最大のポイント

いかがでしたでしょうか?

30代独身女性の転職の実情や、特徴的な面接時の質問への対処法などをお伝えしてきました。

能力の高い30代独身女性を評価する企業も増えてきましたから、自信を持って転職活動をすることで、双方が納得できる出会いに発展するはずです。

是非参考にしてみてください。