資格もいらず未経験でも比較的始めやすい仕事としても人気の接客業ですが、転職を考える上で接客に必要な要素は是非覚えておきましょう。

これらを理解しておかないと、気軽に接客業に転職したけれど全く向いていなかったなんてことにもなりかねません。

そこで今回は、接客業に転職したい人が覚えておきたい接客の心得と、どんな人が接客に向いているかについてお話していきます。

接客を極めるための心得とは

接客業への転職を考えている人へ、接客を極めるための心得をご紹介します。

心のこもった笑顔を

接客をしている人を見ていると、口元だけ笑っていて目が全く笑っていないという人が割といます。このような人は、笑顔を作ることを機械的に行っているだけで心から客に接しようという想いが足りないのではないでしょうか。

笑顔もいらっしゃいませも、作ればいい、言えばいいというものではありません。「いらっしゃいませ。」のたった一言を言うときに、目を見て心を込めてにこっと笑う。これができるだけで接客のスキルは格段にアップします。

相手によって言葉遣いのニュアンスを変えてみる

接客業において正しい日本語や敬語の使い方をマスターするのは必須ですが、どんな相手でも同じ話し方をするのではなく、相手によって言葉遣いのニュアンスを変えてみることが必要です。

例えばきちんとした年配のご夫婦に使う敬語と、高校生ぐらいの子供に使う敬語では、全く同じ言い方では堅すぎることもあります。後者の場合は少しフランクに、優しいお兄さん、お姉さん的雰囲気で話かけてみることも効果的です。

とにかく人の話を聞く

接客業において非常に大切なことの一つに人の話を聞く力というものがあります。客が何を求めているのか、どんなことに不満を感じているのかは、真摯に耳を傾けることによって見えてくるものです。

客が聞いてもいないのに商品の説明をだらだらと始めても、客はうんざりしてしまうだけです。自分がいかに商品の説明をできるかをアピールすることは接客とは言えないのです。

普段から人の話を遮ってしまったり、最後まで聞かずに予想で動き出してしまったりする癖はありませんか?

自分を客観的に見てみないとこの癖には気づきません。家族や友人などの本音を話してくれる身近な人に、こんな癖がないか聞いてみましょう

自分がどんなオーラを出しているか気を付ける

接客業と言っても客と対面することだけが仕事ではありません。商品の陳列や食事を運ぶなどその他の仕事も含めて接客業と言います。

そんなとき、忙しいがゆえに話しかけにくいオーラを出していませんか?眉間にしわを寄せたり、猛スピードで歩いたり、あからさまに「話しかけないで」オーラを出している接客業の人は案外多いものです。

実際に対面していなくても、それでは接客の仕事ができているとは言い難いです。自分が今どんなオーラを出しているか客観的に見る心の余裕が必要です。

カップルや家族連れなど複数人いる場合に気を付けたいこと

接客をする際に、相手が一人ではなく複数人いるということはよくあることです。そんなときに、その中の一人だけと話をするのではなく意識して複数人に話かけるようにしましょう。

最低限平等に話しかけることは必要ですが、例えば住宅や家具など二人で必要な物を見に来たカップルや夫婦の場合、まずは同性を多めに話しかけてみるというテクニックもあります。

異性の店員に話しかけられることでもう一人がやきもちを焼いてしまうことがあったり、同性に話しかけられることで安心感を与えるということにつながりやすいからです。

その上で徐々に会話の中からどちらがより情報を求めているか、決定権があるのかなどを探っていくことになりますが、基本的には女性に優しい接客の方が女性からも男性からも好まれるということは覚えておきましょう。

少し高度かもしれませんが、このように話しかける割合を考えながら接客するということも必要なことです。経験を積むに従って慣れてきますから、まずはこういう考え方があるということを知ることが大切です。

どんな人が接客に向いている?

続いて、どんな人が接客業に向いているのかをお話していきます。

人当たりの良い人

抽象的に感じるかもしれませんが、接客業をする上で非常に大切なのは人当たりの良さです。接客業の面接ではまずはここを見られると言っても過言ではありません。

持って生まれたような人当たりの良さがある人は良いのですが、学生時代から本当は人が好きなのに、周りから「とっつきにくい」「話しかけづらい」などと言われがちな方は、普段から意識的に鍛えましょう。

例えば近所の人に自分から挨拶をしてみる、普段から意識して口角を上げるように気を付けるなど心がけ一つで人当たりの良い雰囲気を出すことは十分に可能です。

楽しんで仕事に取り組める人

楽しんで仕事に取り組める人は自然な心からの笑顔がでています。今の環境に不満をもらすばかりで目の前の仕事を楽しもうと思えない人は、接客もマニュアル通り、機械的に対応することが精一杯で良い接客ができるとは言い難いです。

相手の立場に立って物事を考えられる人

他人のことをすべて理解することは不可能ですが、相手の立場に立って考えるということは誰にでも可能です。例えばお子様連れのお客様がいるときに、自分は結婚もせず子供がいないからその人のことはどう頑張ってもわからないということはありません。

小さなお子様だからこんなツールがあると喜ばれるかなとか、ベビーカーだから近くのエレベータを案内した方が良いかなとか、想像して提案することでその心遣いが伝わったり、実際に役に立ったりして有り難がられるということはあるのです。

これは、日常生活の中で人と接するときに、「色々な人がいるのだからまずは相手の立場に立って物事を考えよう」と意識することで培うことができる能力です。是非覚えておきましょう。

臨機応変に対応できる人

接客をしていると色々な人に出会いますし、トラブルに遭遇することもあるでしょう。そんなときに臨機応変に対応できる力がある人が接客業には求められます。

応募書類や面接の中で、こんなトラブルにこのように対応したなどのエピソードを加えてアピールしてみると、採用側もイメージがしやすいです。用意しておくと良いですね。

スピードも大切だけれどそれ以上に大切なことを理解している人

特に若い方に多いのですが、スピードこそが仕事ができるすべてだと勘違いしている人がいます。確かにスピーディな対応をしてくれることは大きなメリットではあるのですが、それがすべてではないと覚えておいてください。

例えばレジで対応をしてくれるとき、レジを打つスピードが早いだけでなく、客にお釣りを渡すときまですごいスピードを出そうと、まるでお金を放り投げるように渡す人がいます。

そして、客がまだその場にいるにも関わらず次の客をさばこうとしてろくにお礼も言わないなんて光景は意外と見かけます。他にも運んできた料理を雑にテーブルに置いたりする人も多いですね。

若くてもの覚えが良く、テキパキと仕事ができるのは良いところなのですが、接客業においてスピード以外にも大切なことがたくさんあるということは忘れないでください。

例え多少スピード感がなくても、丁寧に笑顔で接客してくれる人がいるお店の方が、客は気分良く「また来たいな」と思うはずです。本当に仕事ができる人というのは、そのように思わせる接客ができる人なのではないでしょうか。

最後に:心からの笑顔で接客を極めよう

いかがでしたか?今回は、接客に必要な心得とどんな人が接客に向いているかについてお話してきました。気軽に始められると人気の接客業ですが、実は人によって大きな差がでる非常に奥深い職業です。転職を成功させて接客のプロとして活躍してください。