近年大人の発達障害として注目されるようになったアスペルガー症候群は、決して珍しい症状ではなく一般社会においても多くいると言われています。

転職を繰り返している、どこに行っても職場の人とうまくやっていけない、そんな人はもしかするとアスペルガー症候群かもしれません。

ではアスペルガー症候群だと転職は難しいの?と思うかもしれませんが、決してそんなことはありません。

アスペルガー症候群だと診断されてもその高い能力を発揮し、仕事で成果を挙げている人は大勢います。

そこで今回は、アスペルガー症候群の人が転職を成功させるためのコツについてご紹介していきます。

アスペルガー症候群ってどんな症状のこと?


アスペルガー症候群は発達障害の一つと考えられていますが、知能に問題はなく、日常会話も普通にできます。

ただ、空気を読んだり相手の気持ちを考えることができず、悪気なく相手を傷つけるようなことを言ってしまったりします。

コミュニケーションが苦手であることが多く、感情をコントロールすることができず急に怒り出してしまうこともあります。

見かけ上や話し方も全く普通なので、周囲からは単に「性格が悪い」「精神レベルが低い」などと思われてしまうことがあります。

しかしこれは障害の一つで、本人には相手を傷つける意図はなく、なぜそのように言われるのか理解できないことが多いのです。

アスペルガー症候群は仕事の能力が低いわけではない

アスペルガー症候群は脳の障害とも言われていますが、仕事の能力が人に比べて低いわけではありません。

むしろ、他の人よりも凄まじい記憶力を発揮したり、数字に強いなど知能レベルが高い人も多いです。

仕事が適してさえいれば、大きな成果を挙げることが十分に可能なのです。

怖いのはうつ病などを併発してしまうこと

アスペルガー症候群は主にコミュニケーションなどに問題があるため、周囲が理解を示していれば社会で十分に活躍することは可能です。

アスペルガー症候群の人の中には、自分がそうだと気づかないという人もいるぐらいなのです。

ただ、性格的な問題と勘違いされ、周囲から批判されたりイジメの対象になるなどすることで自分自身を責めたり、精神的に負担がかかるようになると大変です。

うつ病などの精神病を併発してしまうことがあり、元々コミュニケーションが苦手なため引きこもってしまったり、復帰も容易ではなくなってしまうのです。

まずは、医師の診断を受けるなどsて自分自身がアスペルガー症候群だと自覚し、自分を責める必要はないのだと知りましょう。

そして、仕事は適性にあった仕事を選ぶことが大切です。

適性に合う仕事であれば本来の高い能力を発揮することができ、自分を認めてあげることもできるのです。

アスペルガー症候群の人に向いている仕事もある


アスペルガー症候群の人には向きやすいと言われる仕事があります。

規則正しい動きやパターン化された作業、多くの人と接しない仕事は向いています。

目の前の作業がどんなに多くても、黙々と集中して行うことができるのも優れた能力の一つです。

いわゆる職人タイプの仕事ぶりが発揮できるのも特徴です。

1日中パソコンと向き合うIT関連のプログラマーや整備士、研究者、専門性が高く難関と言われる資格が必要な仕事なども向いています。

アスペルガー症候群だと診断されたらどんな仕事に転職すべき?

アスペルガー症候群だと診断されたら、自分の興味のある分野への転職にチャレンジするのはおすすめです。

特に難関資格が必要とされる仕事や高い記憶力や数字への強さが活きる仕事であれば、その分野で成果を挙げることができるかもしれません。

どんな分野に興味があって、夢中になれることかは人によって異なりますが、自分の好きなことを仕事にしたいというシンプルな考え基づいて転職先を決めていくことが基本となります。

自分の興味があるということこそ大切にし、没頭できる仕事を探し出すのが天職に出会うためのコツです。

アスペルガー症候群の人は向いていない仕事を無理にやるべきではない

アスペルガー症候群の人は、自分が興味がないことに対しては頑張ってもそもそも向いていないため、続かないことがあります。

また、チームワークが大切な仕事や、多くの人と接する機会がある仕事も難しいかもしれません。

接客や営業などの柔軟性や協調性、相手の気持ちを読むことが必要な仕事は大変です。

異なる相手に対してそれぞれ合った対応をしていくことはアスペルガー症候群の人にとっては難しく、自分では理由がわからないうちに職場で浮いてしまうこともあります。

自分の好きなこと、嫌いなことを整理しておこう


今の職場では力を発揮できない、仕事に行くのが辛いという場合にはその仕事は向いていない仕事だと考えられます。

転職を考えるにあたって、まずは自分の好きなこと、嫌いなことを整理して紙に書き出してみましょう。

今の仕事の中でも比較的好きなこと、本当に苦痛で仕方がないことなど差があるはずです。

それらを分けて書き出していくことで、今後転職先を考えるために役立てることができます。

また、周囲の人に、自分はどんなところが優れていて、どんなことに苦痛を感じていそうか意見を聴いてみるのも効果的です。

自分では全く気づかないような特性が見えてくることもあります。

転職は転職エージェントを利用しよう

アスペルガー症候群の方が一人で転職活動を行うのは、応募企業からの理解が得られなかったり、誤解を招いたりして辛い思いをすることがあるかもしれません。

転職支援のプロである転職エージェントの力を借りて転職活動を行いましょう。

転職エージェントはこれまで様々なタイプの応募者の転職を成功させてきました。

先ほど自分でまとめた好きなことと嫌いなことを元に、やりたい仕事や労働環境などの希望があれば、エージェントに伝えて仕事を一緒に探してもらいましょう。

アスペルガー症候群であることは、決して恥ずかしいことではありませんが、言いたくない場合は無理に伝える必要はありません。

ただ、「自分にはこんな特性や傾向があるかもしれない」などと事前にエージェントには伝えておく方が好ましいです。

エージェントも、本人の適性に合った仕事を紹介したいと一生懸命なのに、うまく応募者と意思疎通ができないことで希望と異なる仕事を紹介してしまうこともあるからです。

最後に

いかがでしたか?今回は、アスペルガー症候群の人が転職で成功させるためのコツについてご紹介しました。

アスペルガー症候群だと診断された場合は、適切な転職活動を行うことで、今の仕事よりずっと楽しく有意義な仕事に転職することは十分可能です。

周囲の協力を得ながら前向きに転職活動を行っていきましょう。