病気やケガで退職を余儀なくされ、長期療養でブランク期間が空いてしまったという場合、転職活動に対しての不安も大きいことでしょう。
不安を抱えたままの転職活動では、応募書類すらうまく書けず書類選考で落ちてしまうことも少なくありません。
では、長期療養後の転職ではどんな風に書類作成をしていけば良いのでしょうか?
療養していた事実を隠すのはNG
療養をしていた人を雇ってくれるのだろうかという不安から、どうしても療養の事実を隠したがるという人がいます。
しかし、ブランク期間があることは転職後に雇用保険の履歴を見ても明らかですし、まず隠せることではありません。
親の介護など家族の事情を嘘の理由として述べようとしても、それはそれで適切な説明が必要で、嘘が嘘を呼ぶことになりいつかばれてしまうでしょう。
また、ブランク期間をごまかそうとして後ろめたい気持ちで書いた応募書類は、これまで何通もの応募書類を見てきた人事担当者にとっては熱意が感じられず、どこか違和感を感じてしまうものです。
内定を勝ち取るため、転職後にトラブルにならないためにも療養の事実は正直に書いておくようにしましょう。
療養中にやっていたことを書こう
ケガや病気の状況にもよるでしょうが、療養中に取り組んできたことも転職先にアピールすることは十分にできます。
企業研究として業界について調べたり、必要な資格があれば勉強をしておく、療養期間中にそういったことをしてきたのであれば応募書類に盛り込むべきです。
特に長期療養の場合は時間的な猶予があったことから、「その間に何をして過ごしていた人なのか」ということは企業としても気になるポイントです。
療養中はそんな風に前向きに考えられなかったから、勉強など一切していないという人もいるでしょう。
しかし、現時点で転職活動をしているということは前向きな一歩を歩き始めている証拠です。
今からでも遅くありませんから、企業研究や応募先で役立ちそうな勉強など積極的に始めていきましょう。
ブランク期間が長かったものの、ある優良企業へ転職を成功させた女性がいます。
彼女は転職活動を始めてから自身のパソコンスキルの未熟さに気づき、転職活動と並行してパソコン教室に通い始めました。
その向上心が評価されて内定を勝ち取ることができたそうです。
療養中にはできなかったから諦めるのではなく、療養が終わった今だからこそやれることがたくさんあるという風に前向きに考えるようにしましょう。
今は体調が完全に回復していることを忘れずに書くべき
療養していた事実をもって応募者を判断することはありませんが、今の健康状態は企業側は気になるポイントです。
社員の健康状態を把握することは企業の義務ですし、業務に支障がある健康状態であれば現時点では療養を優先すべきと判断することもあるからです。
入院や療養中にはできなかったことが今ではどのぐらいできるようになったなど、どの程度回復して業務に支障がないのかを説明することも必要です。
単に「回復しました」と書くだけでは信憑性が伝わりにくいですし、きちんと現状を書くことで企業に安心感を与えることができます。、
また、転職して半年は有休が使えませんので、検診等で欠勤が必要になる場合には頻度なども書いておくと丁寧です。
企業としても現在治療中ではなく「療養後に必要な検診」であれば納得ができますし、「どんな貢献をしてくれるのか」が明らかであれば問題ないと思ってくれます。
療養中に感じた働きたいという想い
療養中には、これまで自由にできていたことができなかったり、家族や友人のありがたさやを感じる機会も多いでしょう。
仕事ができるという当たり前のことが、どれだけ恵まれていたのかという感謝の気持ちが湧き出てくることもあるかもしれません。
その想いはあなたが療養という試練を経て成長した証です。
応募書類の中でも療養中に感じたことを盛り込むことで、応募者の人柄や熱意が伝わりやすくなります。
ここまでご紹介した内容を踏まえて応募書類に自己アピールとして書くのであれば、以下のような書き方になります。
<記載例>
1年間の療養期間中に業界研究や〇〇資格の勉強に取り組んでいました。
現在は医師から完治のお墨付きをもらい仕事復帰に支障はございません。
療養中には周囲の人からどれだけ支えられていたのかを痛感することになり、感謝の気持ちを伝えることの大切さを実感しました。
また、自分が持っていた仕事に対しての喜びも強く感じて早く社会貢献したいと思うようになりました。
最も大切なのは仕事への貢献度を伝えるということ
長期療養中には仕事から一旦離れていますから、「復帰後にやっていけるのか。」「ブランクがあることで敬遠されるのではないか。」など様々な不安がよぎるかもしれません。
転職活動がうまくいかないと「長期療養のせいだ」と思い込んでしまうという人も少なくないのです。
しかし、実際に企業の人事担当者に話を聞いてみると長期療養の事実が直接的に選考に影響を与えることは少なく、それよりも応募者のスキルや適性など、他の状況での転職活動者と同じ基準で選考しています。
つまり、転職活動がうまくいかないのは、長期療養のせいではなく、自身の能力やスキルをうまくアピールできていないという要素が大きいということです。
不安に感じるあまりに療養中のことをどうやって隠そうとか、何て言ってごまかせばよいのかなど、療養の事実にばかり目を向けてはいませんか?
そこの部分はここまでご紹介したように、正直に伝えて今の状況を説明すれば済むというものです。
療養前に身につけたスキルやこれまでの経験、療養中に学んだことなどを踏まえて「私はこんなことができる人間です。」という点を伝えることに注力していきましょう。
具体的にどうやってアピールしていけば良いのか分からないという人は、転職エージェントを利用すると、応募書類の添削を行ってくれますのでアピールすべきポイントが見えてきます。
最初は修正箇所が多いかもしれませんが、徐々に魅力的な応募書類が書けるようになりますから、ブランク期間が長い人ほど積極的に利用してみましょう。
最後に
いかがでしたか?今回は、長期療養後の転職活動で応募書類をどう書いていくかについてご紹介しました。
不安は大きいかもしれませんが、長期療養を乗り越えて現在転職先で活躍しているという人は大勢います。
書き方のポイントを押さえることで、ブランクを感じさせない魅力的な応募書類の作成は可能です。
今回ご紹介した内容を意識して応募書類の作成に取り組んでみてください。