エステティシャンは清潔感のある美しい女性のイメージで、女性たちの憧れの職業です。

しかし、見た目の華やかさとは違ってその仕事はハードで長く続けていくには相当の覚悟が必要です。

今回は、エステ業界の展望やエステティシャンの大変さ、お勧めの転職先などをお話していきます。

エステ業界の今後の可能性と見通しは

エステは食品や金融と違って、生活に欠かせないものではありません。高齢化が進み将来の不安が大きい日本において、エステという存在は今後淘汰されていくものなのでしょうか。今後の可能性と見通しについて見ていきます。

業界自体の需要が減る可能性は少ない

年齢を重ねても美しくありたいというのは女性の共通の思いですが、最近はますます若々しい女性が増え、女性の美意識の高さがうかがえます。今後も女性の美に対する興味や関心は薄れることは考えにくいですし、男性のエステにも伸びしろがあります。業界自体の可能性はまだまだあると言えるのではないでしょうか。

顧客の目が肥えており差別化を図ることが必要に

街中を見てもエステ店は新規オープンと閉店を繰り返し成功するには難しい印象があります。数あるエステ店の中で生き残るには他店との差別化が必要で、価格だけでなく心地よい接遇や空間などサービスの質向上こそが差別化のポイントです。

また、昔はプロの手に任せるのが一番と言われていましたが、最近はセルフエステができるような優秀な美容器具が手に入りやすい時代になりました。

わざわざお金を払ってやってもらうからには、美容器具では手に入れることのできないようなプラスアルファの効果や時間を提供することが必要になってきます。

エステティシャンの仕事のデメリットとは?

エステティシャンの仕事は体力的にもハードであるとよく言われますが、その大変さはどんなところにあるのでしょうか。

体力勝負!腰痛などの職業病に悩まされることも

エステティシャンに話を聞くと、イメージ通り体力的に大変な仕事のようです。立ち仕事であることはもちろん、痩身やマッサージなどの施術の場合には全身に力を入れることもあり、1日が終わる頃には肩や腰がガチガチになってしまうとのことです。

慢性的な腰痛などの職業病を抱えているエステティシャンも多いです。

ノルマが厳しいことがある

店の経営方針にもよりますが、中には厳しいノルマが課されているお店もあります。来てくれた顧客にDMを送るのはもちろん、ときには電話でのセールスを行ったり、集客が少ないと店長に厳しく言われることもあります。

女性の美に関わりたいという想いでエステティシャンになる方は多いですが、実際の仕事となると営業的な努力も必要でそれが辛いと感じる人もいます。

女性だけの人間関係が辛い

女性だけの人間関係は、合えばお互いの意志疎通もしやすく働きやすい環境となるのですが、合わない相手とは非常にこじれやすいのが特徴です。

特にエステでは数人単位のスタッフで内向きの付き合いになりがちなので、人間関係に問題が生じると店に居づらくなってしまいます。

いくらエステの仕事が好きでやりがいを感じていても、一緒に働く職場のスタッフとうまくいかないのは問題でストレスを抱えて精神的な負担が大きくなります。

産休・育児休暇が取りにくい場合もある

大手のエステ店であれば、エステティシャンの人員配置を工夫することもできますし、店舗間異動で育休中のスタッフの補充をすることも可能でしょう。

しかし、エステの中には小規模で経営している店も多く、その場合には取らせてあげたくてもなかなか休暇が難しい状況にあることもあります。

もちろん、産休・育休は当然の権利なので店側も拒むことはできないのですが、その間の人員を募集したとして戻ってきたときには居場所がなく肩身の狭い思いをすることも考えられます。

エステティシャン自らオーナーやスタッフに気を遣って出産を機に一旦退職を考えるケースもあります。

女性が多く女性が働きやすい環境を整えたいという企業側の想いと実際にできるかどうかはまた別問題でそのギャップが生じてしまうことはデメリットです。

給料が低く福利厚生が充実していない

昔はエステと言うと高価なイメージがありましたが、最近は比較的低価格で通えるエステも増えました。利用者側にとってはメリットなのですが、経営側からすると低価格競争でコスト削減のため人件費を抑えたり不要な出費を極力減らす工夫も必要です。

エステティシャン自身の給料も決して高いとは言えず、少人数で経営しているエステ店では有休も取りにくいなど福利厚生も期待できない状況です。

エステティシャンの転職先にはどんなところがある?

エステティシャンの仕事を辞めて転職したいと考えるとき、別のエステ店で働くという方法以外にも、別の仕事をすることも考えられます。エステティシャンの転職先としてはどんな職場があるのでしょうか。

美容部員

女性が美しくなるためのお手伝いをするという意味では目的が共通しているのが美容関係の仕事です。特にエステでも化粧水やコスメアイテムを扱うこともあり、肌や体についての幅広い知識が求められるため、それを活かした転職になることでしょう。

同じく立ち仕事であることと女性が多い職場であることは変わりませんが、お店と違ってデパートなどの開かれた空間で働くことができます。

また、大手化粧品メーカーであれば、小さなエステ店勤務に比べると年収アップや福利厚生の充実が見込めるというメリットがあります。

ネイリスト

同じくネイリストも女性の美に関われる仕事です。新たな技術を学ぶ必要はありますが、エステティシャンと違って座り仕事なので、体力的な負担は軽減するはずです。

また、爪も肌の一部です。エステティシャンとしての肌や体の基本的な知識や改善方法など、ネイリストとエステ経験者としての両方の立場からアドバイスすることが可能です。

美容とは全く関係ない仕事に就きたいなら

エステの仕事が本当に辛いと感じると、美容とは関係のない世界で仕事は仕事と割り切って働きたくなることもあります。

その場合には残念ながらエステティシャンとしての経験は活かせませんが、接遇スキルや人当たりの良さなどはどこへ行っても共通して必要な要素です。

エステティシャンの仕事の体力面での大変さや、女性だらけの職場の人間関係に嫌気を感じたのであれば、一般事務などが経験や資格がいらないことが多いのでお勧めです。

最低限のパソコンのスキルや書類作成能力などは必要ですが、働きながら覚えていけることも多いですし、人当たりの良い女性であれば、特別なスキルがなくても一緒に働きたいと思ってもらえることも多いです。

転職をスムーズに行うためにお勧めしたいこと

美容の道と離れて、異業界・異業種に転職したいけれど今までエステしかやってこなかったからどんな仕事があるのか分からないと感じる人もいるかもしれません。そんなときは、転職エージェントに登録することをお勧めします。

担当のキャリアコンサルタントに転職に対しての不安や疑問点を相談することができますし、自分では思いつかなかったような職種を紹介してくれることもあります。

また、同じ美容関係で働きたい場合でも、転職エージェントは多数の美容系の求人も豊富に扱っていますので、方向性が定まる前も後も活用できるのです。登録は無料ですのでぜひ活用してみてください。

最後に

いかがでしたか?今回はエステティシャンの仕事のデメリットと転職を考える場合のお勧めの転職先についてご紹介してきました。毎日辛い思いをして今の職場で働き続けるのは精神的な負担が大きく、うつ病になってしまったり、体への影響もでてきてしまいます。

一番大切なのは無理して一つの職場に固執することではなく、自分自身が生き生きと働けることではないでしょうか。ぜひ転職も視野に入れて自分自身と向き合ってみてください。