将来のビジョン設定は、転職活動中の人にとってつまづきやすいポイントでもあります。

社会人になると目の前の仕事に追われてしまい、将来のビジョンを明確に持っているという人が少ないからです。

しかし、転職という転機を迎えた今、将来のビジョンを考えることができる良いチャンスだと思って前向きにビジョン設定に取り組んでいきましょう。

今回は、将来のビジョンの定め方と注意点をご紹介していきます。

将来のビジョンが明確でないと応募書類にも魅力がでてこない

将来のビジョンは面接でもよく聞かれる質問ですが、面接対策というよりは、そもそもビジョン設定がされていないと応募書類にも個性が感じられなくなります。

将来のビジョンというのは「私はこういうことをやりたい人です。」ということなので、ビジョンがないまま応募書類を書いても、志望動機も曖昧になり、いわゆる普通のものができあがってしまいます。

他の応募者との差別化ができないため、「会ってみたいな」と思わせる応募書類にはならず、単にスキルとか資格とか、わかりやすいものだけで判断されてしまうことになります。

こうなるとよほど経験豊富で明確に役立つ強みがない限りは、書類審査で落とされてしまうことになります。

特に未経験職種への転職組は厳しいですし、例え社会人経験豊富な人であっても、ビジョンがないと「この人は何も考えないまま何となく仕事をしてきた人なのかな?」という風に捉えられてしまいます。

将来のビジョンの定め方

将来のビジョンの定め方としてまずは全体の方向性を決め、次に期間を区切ってビジョン設定をしていくとわかりやすいです。

その際ビジョンの根拠となる理由も考えると実現性が高く具体的なビジョンとなります。

全体的な方向性を定めておく

将来のビジョンを決めるとき、方向性が定まっていなければ具体的なビジョンは立てることができません。

方向性というのは、全体的な方向性のことであって詳細でなくても構いません。

いずれ管理職になって部下をマネジメントしたいのか、それとも役職にはつかず専門性をとことん極めていきたいのかというようなことです。

これを考えると、そもそも企業が描くビジョンと同じ方向性なのかを知ることができます。

例えば企業が管理職候補を探しているのに、専門性を高めたいと言っている人を採用することはほぼないでしょう。

期間を区切って考えておくとわかりやすい

将来のビジョンと一言でいっても、将来が一体いつのことなのかよくわからないはずです。

そのためどんな風に聞かれても答えられるように、「将来」を短期的、中期的、長期的と区切ると良いでしょう。

期間に正解はありませんが、短期的であれば入社1~3年以内、中期的なら5年先、長期的は10年後などとしておくのが一つの例です。

それぞれ新入社員時期、中堅社員、管理職と位置づけることができます。

中途採用で経験豊富な方であれば仕事を覚えてステップアップするのも早いため、1年、3年、5年というスパンで考えてみても良いでしょう。

どちらにしても、〇年後に自分がどうなっていたいのか、それを考えていくのが将来のビジョンを考えるということになります。

なぜそのビジョンを設定したのか理由も考えよう

〇年後の自分の姿をイメージしにくいという方は、モデルケースとなるような先輩や上司がいれば「〇年後にはあの人のようになりたい。」というのも一つの切り口です。

また、今の自分では関われない仕事でも、「いずれはあの仕事をやりたい。」と具体的な仕事内容に照らし合わせて考えてみるのも良いでしょう。

この切り口から考えていくと、具体的なビジョンを設定することができ、なぜそのビジョンなのかという問いに対してもしっかりと説明することができます。

将来のビジョン設定で気を付けたいこと

将来のビジョン設定をするときに気を付けたいポイントをご紹介します。

転職先で叶えることができないなら意味がない

将来のビジョン設定で非常に大切なのが、企業の描くビジョンの方向性と自分のビジョンが同じ向きなのかどうかということです。

例えば結婚に置き換えて考えてみると、将来子供をたくさん作って温かい家庭を作りたいと思っている人と、子供はいなくていいから夫婦でバリバリ稼いで起業し、大成功を収めたいと考えている人では方向性が違っているためうまくいかないことが予想できます。

転職も同じで、方向性がそもそも異なっていれば応募をやめるという選択もできます。

自分のビジョンは自分で考えることができますが、企業の描くビジョンは企業研究や求める人材像などを調べるしかありません。

そのためにも下調べが大切なのです。

会社HPや経営情報、求人票記載情報、転職エージェントからの情報など、あらゆる手段を使って企業ビジョン、求める人材像の確認をしておきましょう。

女性は結婚や出産などについても考えておく

女性は数年後のビジョンを考えるにあたって、結婚や出産などによるライフプランの変化についても考えておくべきです。

結婚も出産もどうなるかわからないしと思うかもしれませんが、そうなったときにどうしたいのかの方向性は決めておきましょう。

結婚・出産で一時的に職場を離れることになっても仕事を続けたいのか、それともそれを機に専業主婦やパートになりたいのかは大きな違いがあります。

方向性さえ決めておけば、育児休業や時短などの制度を利用をしながら、あらかじめ立てたビジョンに向かって進むことはできるでしょう。

女性はキャリアが中断したり優先順位が変わることもありますが、ビジョン達成までの方法はいくらでも修正していくことができます。

何よりビジョン達成に向けて努力する意志があるかどうかを見られているのです。

これはNG!自己中なビジョンは敬遠される

将来のビジョンは自分で考えるものですが、自分の夢を一方的に語る場ではないと心得ておきましょう。

例えば「いずれ起業したい」「将来のための人脈を築きたい」など、企業ビジョンとは関係のない個人的な夢は敬遠されます。

このような回答では「うちの会社を踏み台にしたいってこと?」と思われてしまいます。

自己中心的なビジョンではなく、あくまでも企業ビジョンとともに歩むという姿勢を見せるようにしましょう。

将来のビジョンの設定に悩んだら転職エージェントに相談しよう

将来のビジョンやキャリアプランについては、なかなかイメージがつかめず苦労するという人も多い部分です。

そんな人は、転職エージェントを利用して一緒に考えてもらうと良いでしょう。

将来のビジョンについて具体的にどんな風に考えていけば良いのか、応募者の頭の中にあるものを引き出して整理してくれる手助けをしてくれます。

最後に

いかがでしたか?今回は、将来のビジョンの定め方と注意点をご紹介しました。

将来のビジョンを明確にすると、応募書類もスムーズに書けるようになりますし、面接でも熱意が伝わりやすくなります。

ぜひ参考にしてみてください。