面接官も人間ですから、同じ受け答えをしても好まれる場合とそうでない場合があります。

誰からも好まれる面接対応を心がけると、他の応募者との差別化ができずどこにでもいそうな人というイメージを持たれてしまいます。

ある程度面接官のタイプによって対応を変えていくようにしましょう。

面接官がどんなタイプかは見た目や話し方などで分類することができ、それは応募者が感じた印象が意外にも役に立ちます。

面接官と向かい合ったときにどんなことを感じたのかという直感は、当たらずも遠からずです。

その印象ごとに面接官をタイプ分けし、対応していくようにしましょう。

「随分若い面接官だな」と感じたら

面接官はその部署の長や人事課長など、基本的には40代以上と思われる見た目の人が担当することが多いです。

ただ1次や2次面接であれば見た目年齢が随分若い、場合によっては自分よりも年下では?と思うような面接官がいます。

このタイプは見た目の年齢が若く見分けやすいのですが、人事課の若手や役職があっても係長クラスで、将来的にメインの面接官となるよう育てられているケースが多いです。

このタイプは司会進行や書記的役割をすることも多く、質問する場合でもかなり定番の質問がほとんどです。

人事課の若手であればまだ不慣れな様子も見られ、こちらが答えた内容を一生懸命メモに取っている時間が多いです。

このタイプには積極的にアピールしていくというより、常識的な受け答えで落ち着いた印象を与えるのが効果的です。

このタイプの一存で合否が決まるということはまずないですが、一応「持ち点」もあって選考会議にも参加します。

質問タイムで相手が困るようなことを言ったり、個性的な返しをして困らせてムッとさせないように心がけましょう。

「声が大きくて気さくな面接官だな」と感じたら

比較的年齢が高めの中小企業の役員や経営者に多いのですが、とにかく声が大きい、しかしフレンドリーな感じで他愛のないことをよく話しかけてくるタイプの人がいます。

相手の話を聞くというより自分が話したがり、面接だったのが「君はこういうところが良いがまだまだ甘いところもある」など厳しくも温かい人生相談のような場になっていることもあります。

話し方にも感情が込められていて、ときどきさらに大きな声を出したりもします。

応募者が女性の場合は少し驚いたり、厳しいことを大きな声で言われて気持ちが落ち込むこともありますが、基本的に情が厚いからこそということを覚えておきましょう。

対策としては、自分も笑顔を出したり感情を込めて話すようにする、苦労した点や努力したエピソードなどを伝えていくなどすると良いでしょう。

具体的な実務スキルよりも意欲や人柄面で評価してくるタイプです。

「真面目で厳しそうだな」と感じたら

厳しい面接の場面に登場してきそうな「THE 面接官」とも言えるこのタイプは、余計な話はしないで質問を次々と投げかけてきます。

基本的な表情は眉間にしわを寄せて何かを悩んでいるような様子に見えます。

こちらが何を言っても笑顔は見せませんが、普段は悪い人ではないことも多いので特に気にする必要はありません。

ときどき「ありきたりな回答ですね」といったきつい一言を投げかけてきますが、応募者の反応を見ているだけなので動揺したり、反論したりしないようにしましょう。

応募者がどんなに良い回答をしても感情を表さず淡々としています。

このタイプの面接官に対しては気持ちを強く持ち折れないことと、相手の表情や雰囲気に流されないよう自分のペースで質問の内容に集中することが大切です。

厳しい質問も多いですが、ハキハキと的確な返事ができればきちんと評価してくれます。

質問に対する答えがダラダラと長くなり、段々話が変わっていくことのないよう、YesかNoかを先に述べてから根拠を述べるなど、論理的な話し方を心がけるようにしましょう。

「優しそうな雰囲気の人だな」と感じたら

40代~50代ぐらいで、ニコニコしていて優しそうな雰囲気のタイプは、ほっとして気を緩めがちですが注意が必要です。

このタイプは人事課の長など、面接を数多くこなしてきたプロ中のプロであることも多くあります。

下手に圧迫面接をしてくるよりも面接スキルに長けていることもあり、人を見抜く目を持っています。

このタイプは感じよく接することで応募者の「素」を出させようとしていますから、ついつい口を滑らせて前職の不満を言ってしまったり、敬語が崩れてしまうなど常識外れなことが無いようにしましょう。

感触が良いと自分では思っていても、バッサリ不採用になることもあるので、最後まで誠実な対応を心がけることが大切です。

「人事担当には見えないけど誰だろう」と感じたら

制服や作業着を着ていたり、年齢的にも若くもなく年配でもなく、この人はどんな立場の人だろうと感じるタイプは現場職員である可能性があります。

40代前後の女性であることもよくあり、役職者ではないけれどその担当のリーダー的存在であることも多いです。

つまり実際に採用が決まって働くことになったら、もっとも直接的に関わる人物ということです。

このタイプは一人で面接を担当することはなく、他の役職者に同席しているというスタンスで控えめな印象で面接に臨んでいます。

面接慣れしてはいませんが、「自分が教えやすそうな人かどうか」という視点で見ていますから、割と厄介です。

自分のスキルや経歴をアピールしすぎると「一緒に働きたくない」と思われてしまうこともあるので、謙虚で素直、低姿勢であることをアピールしていきましょう。

チームワークを乱す人も嫌うので、前職で周囲と協力して達成した仕事などをエピソードとして加えると良いでしょう。

面接対策は転職エージェントを利用して

面接は緊張する場面ですから、自分が話すことに精一杯で面接官のタイプを考えている余裕などないと感じるかもしれません。

しかし事前にきちんと面接対策をしておくことで、緊張を抑え自信を持って面接に臨むことが可能です。

面接対策としては転職支援のプロである転職エージェントに、カウンセリングを依頼すると良いでしょう。

初対面の相手に対して自分のスキルや経歴を話していくという点で、模擬面接としても有効です。

修正点があればその場でアドバイスももらえるので、本番前に依頼してみることをおすすめします。

最後に

いかがでしたか?今回は、応募者が感じた面接官の印象別にタイプを分類し、傾向と対策をご紹介しました。

面接官には様々なタイプがいて、1次面接や2次面接、最終面接でも登場してくるタイプが異なってきます。

完全にタイプを識別して対策するのは難しいですし、基本的な対応はどのタイプであっても同じで、「相手の話に対して誠実に耳を傾け的確に答えること」です。

ただ、相手によって好まれやすい点、敬遠されやすい点を加えていくことで、より内定の確率が高まっていきます。

今後の転職活動の参考にしてみてください。