体育会系のノリの企業というのは、気合いや大きな声など、勢いと体を張ることで乗り切ろうという傾向にあります。

職場の明るい雰囲気づくりに役立てる程度であれば良いことなのですが、思い込みが激しく違法な労働環境に陥っているケースも多くあります。

体育会系のノリが辛いと思ったら、実態を観察し違法性がないかを確認しましょう。

そして必要に応じて転職を考えることが大切です。

今回は、体育会系企業の共通点と体育会系のノリが辛い、と思ったときの対処法についてご紹介していきます。

もううんざり…。体育会系企業の共通点とは?


体育会系の企業には多くの共通点があります。

一部の人には学生時代の延長のように楽しくなじむことができるかもしれませんが、大抵の人はうんざりしています。

飲み会や休日のバーベキューがやたらと多い

体育会系が大切にするのはチームワークですから、事あるごとにコミュニケーションを取って親交を深めようとします。

そのため、仕事終わりの飲み会が頻繁にあったり、休日もバーベキューや遊びの企画で持ち切りです。

もちろん、仕事ではチームワークがとても大切で、一人で仕事をすることなどできません。

しかし、社会人ともなれば仕事もあればプライベートもあるのが当然で、学生時代のように部活の仲間といつでも一緒というわけにはいきません。

仕事上必要なコミュニケーションは取るけれど、仕事は仕事と割り切って考えたいという人もいるのに、職場の人と仲良くすることが最も正しいという風潮があります。

長時間残業を気合いで乗り切ろうとする

体育会系の特徴として、気合いややる気があれば辛いことも乗り切れるという精神論を唱える傾向にあります。

会社は幅広い年代の人がいたり、家族の状況も異なるなど個人ごとに差があります。

中にはもともと持病を持っていたり、体力がない人もいるのです。

しかし体育会系の社風ではみんな同じ土俵で、とにかく気合があれば誰でも乗り切ることができると考えます。

特に長時間労働を悪だと思っていない風潮があり、残業をすればするほど、やる気がある人だと評価を受けることが多いです。

大きな声で指導する場面によく遭遇する


体育会系は声を出すことが大好きです。

声を出すことが気合いの証で、自分のテンションも上がり楽しく仕事ができると思っているのです。

冷静に静かに仕事をしていても、やる気が認められることはありません。

積極的に声を出して、大きな声で後輩の指導をする、そんな人が「お、やる気があるな。」と判断される社風なのです。

確かにスポーツの世界では大きな声を出すことでチームの雰囲気がよくなり、力を合わせることができます。

しかし仕事は声を出すことよりも、頭を使って考える、冷静に判断していくことが大切なのです。

反論したら最後

学生時代に運動部だった人なら分かるでしょうが、運動部では監督の存在が絶対です。

一生懸命やっていたとしても「力を抜くな」「馬鹿野郎」と怒号が飛んできます。

口答えなどすれば、一番きつい練習メニューを追加で強制されるだけですから、監督に口答えする人などいなかったことでしょう。

体育会系の会社はこれを地でいっていますから、上司はすなわち監督です。

上司に反論するなど、監督に口答えするのと同じで、無理難題を押し付けられたり、サービス残業を強要されることにつながってしまいます。

上下関係が厳しすぎる

体育会系の企業では、上下関係が異様に厳しいことがあります。

上司だけでなく先輩の言うことは絶対で、理不尽なことや無理難題を押し付けられても服従させられます。

まるで使い走りのようなことをさせられることもよくあります。

このような職場はどうしても男性が多い運送業などを想像しがちですが、女性職場であっても体育会系のノリがある場合があります。

私が知っているケースでは、とあるアパレルブランドがそうで、1日でも入社が早い人が先輩なのは当たり前でした。

休憩時間になると先輩の私物の荷物を持ちは当たり前。

エレベーターに乗る前にはダッシュしてエレベーターのボタンを押して先輩が乗るのを待っていなくてはいけない。

など、いつの時代かというぐらいの状況であったそうです。

仕事ですから、上下関係はしっかり保つのが常識です。

しかし、行き過ぎた上下関係が若い人たちの能力の芽を摘み、立場が上の人には誰も逆らえないため、会社自体の成長につながりにくくなってしまうのです。

体育会系のノリが辛いと思ったらどうするべき?


体育会系のノリについていけない、仕事が辛い、そう感じたらどうするべきでしょうか?

体育会系のノリが辛いと思ったら転職しよう

体育会系のノリが辛いと思ったら転職を考えましょう。

ビジネスでの体育会系の問題点は、そのノリ自体が悪いというよりは、法律をほぼ無視して精神論だけで考えようとすることにあります。

長時間労働やサービス残業などの違法な労働を、正義として捉えてしまうことがあるのです。

体育会系のノリが辛いと思ったあなたは、法に基づいて会社が経営されるべきであるということと、仕事は精神論だけで乗り切れるほど単純なものではないということに気づいているはずです。

仕事は部活ではありませんから、きちんと論理的にビジネスを捉え、コンプライアンスを重視したまっとうな企業に転職を考えましょう。

転職エージェントを利用しよう

体育会系のノリにうんざりして転職に向けて動きだす覚悟ができたら、まずは転職エージェントに登録することをおすすめします。

転職エージェントには転職支援のプロが在籍しており、様々なアドバイスを受けたり、気になる企業の内情を教えてもらうことができます。

転職先の企業が体育会系のノリかどうかは求人票だけでは判断ができませんから、転職エージェントを利用して職場の雰囲気を確認してもらうようにしましょう。

企業の採用担当と密接に連絡を取り合う中で、うまく内情を聞きだし社風を確認してくれます。

また、サービス残業などの違法性が確認できる企業については、転職エージェントに求人を載せる際に審査を受けますので、そもそも掲載ができません。

転職先がブラック企業だったなんてことを避けるためにも、ぜひ活用してください。

体育会系が自分にあってないと感じたら

体育会系企業の共通点と、体育会系のノリが辛いと思ったときの対処法についてご紹介しました。

全部が当てはまっている場合は間違いなく体育会系のノリが蔓延している企業ですし、一部だけ当てはまるという場合にも、精神論で違法な労働を良しとしようという風潮が見え隠れしています。

実態をしっかりと確認し、早めに転職に向けて動きだすようにしましょう。