女性が多い保育士の中でも、少数派で頑張る男性保育士の離職が後を絶たないと言われています。
珍しくはない男性保育士ですが、実際に長く続けている男性保育士は少なく、離職率は高めの傾向にあります。
子供が好き、子供の成長を助けたいという思いで保育士を目指したにもかかわらず辞めてしまうのはなぜなのでしょうか?
今回は、男性保育士が保育士を辞めたい理由と転職についてご紹介していきます。
目次
女性同士の人間関係に巻き込まれて疲れてしまう
男性保育士も増えてきたと言われるものの、保育士の世界は女性がほとんどで、男性保育士はいても園に1~2人がいいところです。
そのため、基本的には女性同士の人間関係がメインになり、女性が強い世界になります。
女性同士の人間関係はときに厄介で、派閥ができたり、男性には理解できないような理由で陰口やイジメなどが発生することもあります。
男性保育士も、意図せず派閥争いに巻き込まれてしまったり、双方の派閥の人からお互いの悪口を聞かされたりしてうんざりしてしまうことがあります。
業界全体で問題となっている低賃金
待機児童問題が取り上げられるときにしばしば挙げられる保育士の低賃金の問題は、男性保育士にとっては大きな退職理由になります。
もちろん女性の保育士の低賃金も問題です。
しかし男性の場合は結婚して家族を養う機会も女性に比べて多く、満足のいく収入でなければ現実的に続けていくことが難しいのです。
妊娠などで現場を離れる可能性が少ない男性保育士の賃金は、女性保育士に比べると多少は高めに設定されてはいるものの、年収ベースだと300万円台が一般的です。
企業のサラリーマンのように昇給や賞与にもさほど期待ができません。
保護者からの理解がない場合がある
少子化の影響からか、子供に対して過保護で何かにつけて園に文句を言ってくるような、モンスターペアレントと呼ばれる親たちが存在します。
この人たちの存在は、男女問わず保育士たちを悩ますのですが、男性保育士は理不尽なクレームに悩まされることもあります。
例えば、「男性保育士に我が子を担当されたくない。」と言ったような男女逆差別的な発言などもあります。
女性保育士が多い中で男性保育士がいることの理解は、すべての親たちから得られるわけではありません。
世の中にいるごく一部の幼児趣味の男性が事件を起こすことがありますから、親にとってはそのようなメディアの影響を受けていることも考えられます。
しかし、志を持って保育士を目指してきた男性保育士にとっては理不尽な言いがかりと思えることもあり、辛い思いをするケースがあります。
男だからを理由に任される仕事が多い
保育士に限らず、大勢の女性の中で男性がぽつんと働くということは何かと大変なことがあります。
男だからという理由で重労働を一人で任されるのはまだマシで、保護者からのクレームにも男だからという理由で同席させられることもあります。
その他、男だから残業しても体力的に余裕があるはず、男だからきつく言っても大丈夫、といった風に男性であることを理由に他の保育士よりも負担が大きくなることがあります。
筋力の問題など、男性が女性に比べて有利であることはありますが、クレーム対応や長時間労働に関しては男女関係のないことです。
にもかかわらず、男性を理由に負担の大きい仕事を強要されることに嫌気が差すという男性保育士も少なくないようです。
男性保育士を辞めたいと思ったら転職をすすめる理由
保育士不足が叫ばれている中、男性保育士の戦力は非常に貴重です。
今後も活躍できる場所はあると言えるでしょう。
しかし、残念ながら保育士たちの労働環境はまだまだ改善されていません。
自治体によっては積極的に改善を目指している場合もありますが、なかなか進まないという現状もあります。
このような現状でストレスを抱えながら仕事をするのは精神的にもきついことです。
子供を預かるという精神的なプレッシャーと長時間労働から、保育士は実はうつ病になる人が多いのです。
うつ病になってしまうと休職を余儀なくされますし、再発率も高いため長期にわたって満足に仕事をすることもできなくなってしまいます。
そうなる前に転職をして働きやすい環境下で長く働くことを目指しましょう。
男性保育士の転職先について
給料が低いと言われる保育士の仕事を敢えて選んだのですから、子供が好きや、教育に携わりたいなどの理由があったでしょう。
転職先としては、やはり子供と関わることのできる仕事への転職が、転職理由として一貫性があると思われます。
娯楽施設や子供服アパレルなど、小さな子供たちと関わる仕事であればやりがいもありますし、保育士経験者であれば優遇される場合もあります。
さらにもともと共通点が多いと言われる介護業界でも、保育士経験者は優遇されることもあります。
ただし、これらのサービス業は休みが不定期ですし高い賃金も期待できません。
安定性という点では低いと覚悟は必要です。
安定性の高さで言うと、保育士は意外とパソコンを使う仕事が多いので、事務職はおすすめです。
ただし、一般的には保育士という仕事は子供と遊んだり手書きの手紙などが多いイメージで、パソコンスキルはほとんどないと思われがちです。
実際には、パソコンを使って出席管理をしたり、チラシを作成することもあるのですが、イメージだけで事務職には向いていないと思われることもあります。
そのため、転職をする前にパソコンの資格など、目に見えてわかりやすいものを取得しておくというのも一つの方法です。
学校に通わず独学で取得できるものも多いですから、比較的チャレンジしやすいです。
転職は転職エージェントで探すべき
男性保育士が転職先を探すときは、転職エージェントを利用すべきです。
保育士は特殊な仕事ですし、特に男性は少数派ですから、転職先でスキルを使いにくいと判断されてしまうこともあります。
一人でやみくもに転職活動を行っても、うまくアピールができなかったり、スキルを活かせる業界が見つけにくいこともあります。
その点、転職エージェントは転職支援のプロですから、男性保育士が転職活動をスムーズに行うためのノウハウを持っています。
応募書類の添削や面接時の対応など様々なアドバイスをくれるため、転職活動が成功しやすいです。
ぜひ活用してみてください。
子供に関われる転職先は多様
今回は、男性保育士が辞めたい理由と転職についてご紹介しました。
男性保育士が辞めたい理由は、女性保育士の辞めたい理由とは違う部分があります。
子供が好きだけど、男性保育士として働くのが辛いと感じているのであれば、転職を視野に入れて考えてみましょう。