営業は他の職種と違い、キャリアアップをしていくというよりは営業職として力をつけていき、稼げる営業になるというのが最終形とも言えます。
契約をたくさん取ってくるような優秀な営業ほど生涯営業としてキャリアを終える人も多いため、「このまま一生営業職でいいのか。」と漠然とした不安や焦りを抱くときがあります。
営業職から他の職種へのキャリアチェンジを考えたとき、営業という仕事の特性を活かしたアプローチが可能です。
今回は、営業職から他の職種へのキャリアチェンジのコツについてご紹介していきます。
目次
まずは企業内での職種変更は可能か検討する
キャリアチェンジを考えるとき、いきなり転職プラス職種変更ではリスクがありますから、まずは企業内での職種変更が可能かどうか検討してみる余地があります。
会社自体に不満がないという場合はなおさら、選択肢の一つして考えてみましょう。
職種を変えるということは一から覚える仕事が多いですが、会社の仕組みや人間関係などはこれまで築いてきたものを利用できるという利点がありますし、その職種のモデルケースを目にしているという強みがあります。
ただ、会社によっては社内での職種変更の例がなく、積極的に受けてくれないこともあります。
その場合は、転職して別の会社でキャリアチェンジをする方が早いという風になります。
どちらにしても、今の会社での職種変更が可能かどうか上司などに相談してみても損はありません。
担当のクライアントで転職できそうなところはないか探す
営業職の強みは、社内だけでなく社外にも人脈があるということです。
クライアント先の担当者と仲良くなり、「うちに来ない?」と誘われた経験があるという営業も少なくありません。
この場合、営業職として誘われるだけでなく、別職種や管理職としての提案も多いです。
クライアントとしても見ず知らずの人を雇うより、いつも来てくれる気心の知れた人の方が安心して働いてもらえるということはあるのでしょう。
クライアント先であれば、経営状態などもある程度把握ができますし、打ち合わせなどで訪れる機会も多いですから社内の雰囲気も知りやすいです。
紹介ということであれば転職活動も最短で済みますから、うまくいけばメリットは大きいでしょう。
ただ、気を付けたいのは、担当の人が気の合う人だからと言って会社が良いとは限りませんし、実際に働いてみると思っていた社長と違った、ということはあります。
きっかけとしては有効ですが、給与や待遇、残業時間など事前に確認しておくべきことは山ほどあります。
上辺だけの付き合いに乗せられて勢いだけで転職するのだけは避けるようにしましょう。
営業マンとしての業界知識を活かして適切なキャリアチェンジを
これまで営業として関わってきた業界の動向などは把握していますから、どの業界に勢いがある、将来性があるなどはかなり詳しいはずです。
クライアントを通して情報を得ることも可能なため、転職に必要な下調べがしっかりできるというメリットがあります。
将来性が高い業界でキャリアチェンジを図るにはどんな資質が求められ、場合によっては資格なども必要なのか、じっくりとリサーチすることで失敗のリスクを抑えることができるでしょう。
隙間時間が多いから勉強はしやすい環境にある
ルート営業や法人営業の場合は裁量度が低く自由な時間も限られていますが、個人の裁量が大きい営業ほど自分の都合に合わせて時間をコントロールできるという強みがあります。
打ち合わせ前までの隙間時間など、ずっと作業をしていないといけない事務職や工場勤務などよりも、工夫次第で自分の時間を作ることが可能です。
社内の人の目が届かない分、遊んだりさぼってしまうこともできるのですが、将来のことを考えるのであればこの時間を有効活用しましょう。
その職種で必要なスキルや資質について調べる、資格や業界動向などを勉強するなどキャリアチェンジのためになることができるのは営業職ならではです。
現場営業ではなくマネジメントスキルを磨いていく
営業からキャリアチェンジをする場合、20代や30代前半まではそう難しくないです。
しかし、30代後半にもなってくると未経験職種への転職はかなり難しくなってくるのが現実です。
焦る気持ちはわかりますが、畑を変えるだけがキャリアチェンジではありません。
現場営業をしながら、チームを統括するマネジメントスキルなどを磨いていくことで、営業畑の管理職という少ない枠への昇格のチャンスもめぐってきます。
また、昇格が無理でも、30代後半の転職で求められるのはマネジメントスキルです。
若者にはできないマネジメントというスキルを武器に、同じ営業畑でも現場とは違った仕事に携わることができます。
企画・マーケティングなら営業経験を活かせる
営業職は営業職への転職であれば即戦力として転職が比較的しやすいです。
しかし、営業職のスキルが活かせるのは営業だけではありません。
企画やマーケティングなどもこれまでの経験が活かせる分野です。
営業はクライアントへ企画を提案したり、市場調査から販売促進まで行い、マーケティングにかかわる一角を担っています。
個人の裁量が大きい営業職であれば、資料作りから企画・提案・販売まですべてをこなしてきたといいう人も多いです。
営業は専門的なスキルは必要ありませんが、営業さえできれば大抵の仕事はできてしまうというぐらいつぶしがきく仕事でもあります。
営業職という職種でなくても、これまでの経験を活かしたキャリアチェンジは可能だと覚えておきましょう。
完全移行よりも一部スライドがうまくいく
キャリアチェンジをする際には、全く真逆の職種に変更するよりも、少しスライドさせていく感覚で「一部がかぶっている」仕事をするとスムーズにいきます。
例えば女性であれば、成果報酬であることの精神的プレッシャーがきついという理由で、営業から職種変更したいという人がいます。
女性は現実主義で安定を求めがちですし、男性のように競争社会にはなじまないという人も多いからです。
その場合は、営業事務などの職種にスライドさせていく方法は有効です。
営業のスキルを活かしつつ、比較的安定的な収入やノルマがないなどの精神的な安定につながります。
他にも、別の職種だけれど知識をまるごと活かせる業界にスライドする方法もあります。
例えば、ある求人誌を扱っている媒体の営業職をしていた人は、一般企業への人事に転職を成功させました。
これまで多くの企業の求人担当者たちの話を聞いたり、経営者たちが求める人材についてのデータが自分の中に蓄積されていますから、人事の仕事への理解度が高かったのです。
職種でいうと営業職から事務系へのキャリアチェンジになりますが、これまでいた業界の知識を活かせる転職なので、うまくいった例になります。
最後に
いかがでしたか?今回は、営業職からのキャリアチェンジのコツをご紹介しました。
営業の特性を活かして失敗しないキャリアチェンジを目指していくのが基本です。
将来大きくステップアップするためにも、キャリアチェンジを成功させてください。