保育士の給与や待遇、労働環境の悪さなどについては、改善が進んでいるとはいえ、まだまだ現場では不満を抱えて辞めたいと感じる保育士が多いのが事実です。

保育士という仕事は免許が必須な仕事であるにも関わらず、一度保育士を辞めた人は別の職業に就いてしまうというケースもよくあります。

せっかく取得した資格を手放してまで他の仕事をするのは、やはり保育士という仕事が稼げず待遇が悪いというマイナスのイメージがついてしまうからでしょう。

保育士は今社会で本当に必要とされている仕事で、社会貢献度が高い職業です。

勤務先にこだわることで、保育士という仕事の本当の魅力と向き合う余裕が生まれますし、園の運営側も条件を良くすることで、優秀な保育士が来てくれるという事実に気付くはずです。

保育士を目指す人たちの後押しともなり、保育士不足解消につながる可能性もあるでしょう。

今回は保育士が転職先を選ぶ基準やポイントをご紹介していきますので、我慢して条件の悪い場所で働き、結果的に保育士という職を手放すのではなく、勤務先にこだわって働きやすい場所を積極的に選んでいきましょう。

園の方針について共感できるのかが大切

園の方針、子供への向き合い方によって保育士の働き方も大きく変わってきます。

忙しい保護者のために、「預かる」ということに重点を置いた方針もありますし、土日なども保護者同伴のイベントを積極的に開催し、「一緒に育てる」という取り組みが多い園もあります。

どちらが良いということではなく、自分がその方針に共感できることが大切です。

そうでなければ、もっと積極的に園児と関わりたいと思ったり、逆に土日出勤することに不満を持ってしまうなど辞めたい理由につながってしまうからです。

勤務先を選ぶ上で園の方針はとても大切なので、面接などで積極的に質問するなどして自分の価値観と照らし合わせて考えてみましょう。

大規模or小規模。どんな保育に携わりたい?

保育園でも、比較的規模が大きい園からかなり少人数の園まで、規模は様々です。

規模は大きければ良いというものではありません。

規模が大きい保育園は、設備が充実していたり経営母体がしっかりしているというメリットがありますが、他の保育士との協力は必須ですし、保護者とのやり取りも多くなり精神的なストレスが増えやすいとも言えます。

一方小規模な保育園は、一人一人の子供に寄り添える働き方ができるという魅力がありますが、保育士の人数が少なく休みが取れない、経営的に不安定になりやすいというデメリットもあります。

それぞれにメリット・デメリットがありますから、何が自分に合っているのか、自分はどんな保育に携わりたいのか、方向性を定めてから選ぶようにしましょう。

複数の園を運営している企業であれば通勤時間なども確認しておこう

運営元によっては複数の園や施設を運営しているケースがあります。

希望は聞かれますが、園の方針や経験などによって配属先が変わることがありますので、それぞれの通勤時間などは事前に確認しておきましょう。

想定外の配属先になってしまい、交通手段や通勤時間の関係で働くのが大変になってしまうのは避けたいところです。

園の形態や業務内容は違いがあるからリサーチはしっかりと

保育士の働く場所と言えば圧倒的に保育園が多くなりますが、保育園にも認可に公立私立など、色々な種類があります。

東京都の認証保育などのように、各自治体で独自の基準を設けて場合もあります。

それぞれ形態ごとに業務内容にも大きな違いがありますから、園の形態や業務内容も事前に確認しておくようにしましょう。

保育園のHPがあれば確認は必須ですし、口コミなども役に立ちます。

知り合いに聞いてみると実際に園を利用した保護者の話を聞ける場合もありますから、あらゆる手段を利用してリサーチするという心構えが大切です。

静観したい6月、動き出したい1~3月

自分の希望に合った勤務先を選ぶには、転職活動の時期にもポイントがあります。

年の中でも6月は来年度の保育士を確保するために、各企業や園が求人募集に動き出す時期でもあります。

ただ、基本的にこの時期の求人は新卒向けが多いのが実態で、転職組は新卒でないことを理由にはじかれることも多いです。

この時期に転職しなければならない特別な事情がない限りは、この時期は企業や園の研究など下調べの時期と捉えて応募せず静観した方が良いでしょう。

具体的に応募する時期の狙い目は1~3月です。

冬の賞与をもらった後に退職者がでやすいですし、年度末ぎりぎりで新卒の内定辞退がでる時期でもあります。

新年度の保育士不足を避けたい企業・園側の採用熱が一気に高まる時期と言えます。

この時期に良い求人があれがすぐに動き出せるよう、それまでに企業研究や転職活動の方向性、自己分析などをしっかり行っておくようにしましょう。

勤務時間、勤務日にも違いがあるから注意

保育士の辞めたい理由として、長時間労働や休みが取りにくいなどの労働環境を挙げる人は多いです。

勤務時間や勤務日も、勤務先によって特徴がありますから事前にしっかり確認しておくべきです。

例えば一般的な認可保育園の多くは7時半前後に開園し、夜は20時前後に閉園というパターンが多いです。

また、認可外保育の場合は、24時間体制で子供たちを預かることもあり、その場合は夜勤が発生することになります。

他にも、日曜・祝日の出勤はあり得るのか、実際に働くことを想定してその勤務形態で働き続けることができるかどうかは考えておくべきです。

働く場所は多様化が進んでいるから視野を広くもって

最も多い保育士の勤務先は保育園にはなりますが、保育士の知識や経験が活かせるのは保育園に限らないということも覚えておきましょう。

最近は女性の社会進出が進んでいますから、企業内保育なども増えています。

病院やその他の施設などでも保育士の求人を出しているケースがあります。

保育園以外の求人を見つけたら、保育園じゃないからNGと頑なになるのではなく、「意外とアリかも?」ぐらいの気持ちで、まずは業務内容や条件などを確認してみましょう。

思いのほか保育園よりも給与が良かったり、通いやすい場所にあるなどメリットが多いこともあります。

働き方の多様化が進んでいる時代ですから、視野を広く持った転職活動をしていくことが大切です。

こだわりの勤務先を探すなら転職エージェントを利用すると安心

保育士が勤務先にこだわって転職活動を進めていくのであれば、転職エージェントの利用は必須です。

条件の良い求人数が多く、細やかな情報や転職ノウハウの提供など大きなメリットがあります。

一人での転職活動には情報量や対策などに限界がありますから、積極的に利用されることをおすすめします。

最後に

いかがでしたか?今回は、保育士がこだわりの勤務先を探すための基準やポイントについてご紹介しました。

社会貢献性の高い保育士という仕事ですから、その資格を活かしてよりよい場所で働けるよう願っています。