転職組は即戦力が基本ですから、応募書類や面接で、過去の実績について客観的に判断できるよう数値化して伝えるのが良いと言われます。

これは、営業や接客販売のような職種であれば、売上額や契約件数などのデータがあれば数字を交えてアピールできるでしょう。

しかし、事務系職種など実績を数値化しにくい職種もあり、これらの職種経験者は実績を上手にアピールできないと悩みを抱えています。

そこで今回は、実績を数値化しにくい職種経験者が転職活動を行っていくときに、実績をどのように伝えていけば良いのかについてお伝えしていきます。

今の仕事で数値化できないか考えてみる

「営業でも販売でもないから実績を数値化できません。」という言い分はよくわかります。

数値化というとやはり売り上げ額や契約件数などがすぐに思い浮かぶかもしれません。

しかし、実際には数値化できないのではなく、数値化できるものに気づいていないだけということもあります。

例えば人事担当者であれば、毎年の採用状況や離職率など人事情報のデータはあります。

積極的な採用活動を行うことによって前年比がアップした、総務と連携して福利厚生を充実させることで離職率が下がったなど、数字として示せそうなものはあるはずです。

他には経理担当者なども、備品申請の基準を明確化することで無駄が減り、コスト削減につながったなどはないでしょうか?

財務諸表などを見て、前年より改善された項目について何が良かったのかなど逆算的に分析し、アピールできるポイントが見つかることもあります。

まずは今の仕事の中で数値化できるものはないか考えてみましょう。

一般事務など数値化が難しい職種もある

数値化できるものがないか考えても、業務内容的に数値化が難しい職種もあります。

こまごました仕事をたくさんこなしてきた人などは、一つのプロジェクトを担当したなど大きな成果と呼べるものがなく、実績のアピールが難しいこともあるでしょう。

かといって、転職活動でアピールできる実績を作るために今からコスト削減プロジェクトなど数値化できるものを立ち上げるのも、時間的にも本来の目的から言っても違います。

ではこれらの実績を数値化しにくい職種経験者はどのように応募書類や面接で客観的、具体的なアピールをしていけば良いのでしょうか?

面接官も事務系職種の数値化に期待しているわけではない

事務系職種などの経験者が応募してきた場合、職種柄、実績を数字として表すことができにくいというのは、面接官も承知しています。

特に事務系から事務系への転職パターンであれば、多く方から具体的な数字は出てこないのが普通です。

必ずしも数字というものにこだわる必要はないということは覚えておきましょう。

ここで、数値化することの必要性という点に戻って考えてみましょう。

数値化するということは、見ず知らずの応募者の実績を客観的に見ることができるということです。

営業面接で「今の会社で売り上げをたくさん挙げてきました。」と言われるよりも「月売り上げ〇〇円、契約件数△△で、何人いる営業の中でも常に上位3番目に入っていました。」と言われた方が信憑性もありますし、「どれぐらい売れる営業なのか」という点で実力の程がイメージしやすいです。

つまり、数値化することで実力やスキルレベルが判断できることがメリットなので、実力やスキルが数字以外で伝わればそれで良いということなのです。

希望する職種の目的を考えてみる

では、客観的で具体的なスキルレベルはどうすれば伝わるのかというと、希望する職種の目的を考えてみることでそれが見えてきます。

希望する職種が営業や販売の場合、企業側が求めているのはやはり売り上げや契約を取ってこれる人です。

数字というわかりやすいもので評価しやすい職種のため、実績アピールも数値化して伝える必要があります。

一方、事務系の職種の目的はどうでしょうか?

最終的には業績アップに貢献するのが目的でも、事務処理や手続きを行うことで職員たちが働きやすい環境を作ったり、業務が円滑に回るよう他部署をサポートすることで間接的に貢献する縁の下の力持ち的存在です。

中間的な目的としては「上手にサポートする」という点にあるので、それができる人物だと思ってもらえれば良いわけです。

例えば営業担当が使えるわかりやすい資料を作成して営業担当から喜ばれた、怪我で仕事ができなくて不安になっている人へ傷病手当金や休職の説明を丁寧に行って感謝されたなど。

自分の経験を伝えることで具体性が増し、他者からの評価を付け加えることで客観的な実績だと思われます。

これまで意識してきた仕事への取り組み方を伝えよう

実績を数値化しにくい職種経験者がアピールしたいのは、「自分がどんな風に仕事に取り組んできたのか。」という仕事に対してのスタンスや、仕事上ぶつかった問題に対して改善点を探し出しどんな工夫をしてきたかなどです。

例えば毎日業務内容の振り返りノートをつけていて出勤したら必ず読むようにしていた、顧客からのクレームが入ったときに真摯に対応することで、結果的に感謝して去っていったなど。

このように具体的なエピソードを添えて、仕事への取り組み方を伝えるようにしましょう。

そして、「だから御社でもこういう姿勢で取り組むことができます。」という熱意につなげられるようにするのがポイントです。

実績のアピールは大切だから転職エージェントに相談しよう

どんな職種であっても、転職組であれば実績があるかは面接官が非常に確認したいポイントです。

応募書類にしろ面接にしろ、実績のアピール次第で選考結果に大きな影響があることは覚えておきたいところです。

しかし、よほどわかりやすい実績がある場合ではない限り、実績のアピール方法は悩みやすいポイントでもあります。

そこでおすすめなのが、転職エージェントを利用して応募書類の添削を受けたり、カウンセリングサービスを利用して実績の洗い出しを手伝ってもらうことです。

面接官の心に響くような実績の伝え方をアドバイスしてくれますから、ぜひ活用してみてください。

最後に

いかがでしたか?今回は、実績を数値化しにくい職種の人が、応募書類や面接で実績をアピールするための方法についてご紹介しました。

これまでの経歴の中からアピールできる実績が必ずあるはずです。

大きな実績ではないと自信を失わず、いかにして伝えていくかを工夫していくようにしましょう。