今の会社がブラック企業だから辞めたいのに、転職先もブラック企業だった…なんて全く笑えない話です。転職活動をしていく上で応募先がブラック企業かどうかは事前にわかっておきたいものです。

実は応募先を決めるために必ず見る求人票に、ブラック企業かどうかを見極めるヒントが隠されているんです。

今回は、ブラック企業に転職しないために、求人票の項目で注目しておきたい点についてお話していきます。

求人票はそれほどあてにならないこともある

求人票は、求職者が転職先を決める際に必ず確認する大切なものです。

そこには仕事をする上で必要な給与や勤務時間などの基本的なことから業務内容まで多くの情報が記載されており、求職者がそれを見て応募するかどうかを決める大きな判断材料となります。

しかし実際のところ、あくまでもまだ労働契約が成立していない段階での求人票には労働基準法が及ばず、その他の労働法で強制力が弱い努力義務を定められているに過ぎない項目も多く、まだまだ求人票の内容には悪質なものもあるのです。

ハローワークや転職エージェントに提出する求人内容なども、「法には触れていないけれどこれってグレー?」と思うような微妙なものも存在します。

もちろん大多数の企業が求人票には事実を記載しているわけですから、求人票そのものを信用するなということではありません。

必ずしも実情に合った内容が記載されているわけではない、ということを覚えておいていただきたいのです。

それでは具体的に、「こんな求人票は気を付けたほうがいいかも」という内容をお伝えしていきます。

未経験者歓迎、学歴不問

もちろん「未経験者歓迎」「学歴不問」という文言自体は何の問題もなく、「どんな人でもやる気があれば働いてほしい」という素晴らしい考えの元にこの文言を利用している企業がほとんどです。

しかし、中には単に「人が集まらない」「雇っても人がすぐ辞めてしまう」などの理由でとにかく門戸を広げることによって人を集めたいという意図がある場合があります。

文言自体、違法でも何でもないのですが、ちょっと考えてほしいのが「なぜ人が集まらないのか」「なぜ雇っても人がすぐ辞めてしまうのか」という点です。

もしかすると悪評が立って応募者がいない、過酷な労働環境のブラック企業のため人がすぐに辞めてしまう、などの原因があるかもしれません。

「給与月○○万円以上可能」には気を付けよう

求人内容としてはかなり微妙に思うかもしれませんが、実際にこのような書き方をしている求人をよく見かけます。給与が異様に高い企業も同じく気を付けた方が良いです。

恐らく、よくてその会社の一番給与の高い人の額が記載されている、悪質だと実際にその給与額を支給している実態がない場合もあります。

このような高い給与の求人内容に惹かれ、給与に対して過度な期待をして入社しまうと、実際はそんなに稼ぐのはかなり難しい状況だった…なんて話はよく聞きます。

求職者との間のいらぬトラブルを避けたいと思う企業であれば、普通は求人票に初任給や最低給与額を記載し、入社後のミスマッチを防ぐように心がけるものです。

有能な人材を集めるためのある種の戦略と言えばそうかもしれませんが、本当に良い企業であればそのような戦略は使わなくても人は集まるものです。

このような誤解を招きやすい求人を出す企業は、ブラック企業かもしれません。

残業の有無がしっかりと記載されていない

残業の有無を曖昧にしてあるような求人の場合、残業時間が多い可能性があります。

残業の有無を明確にしない理由として、あまりに多い残業時間を正直に記載してしまうと、人が集まらないためだと考えられます。

しかし、残業の有無は求職者にとっては大切な情報です。残業時間が多いと体を壊してしまったり、ライフワークバランスが取れないことにもつながります。

そのようなリスクを求職者に伝えようとしない企業は、果たして良い企業でしょうか。

研修期間中の給与の表記がない

正社員として採用される前の研修期間中、企業と労働者とのトラブルは実は意外と多いです。

何となく正社員になるのが前提の研修期間だし、たった数ヶ月のことだから…と、研修期間中の待遇にそれほど気を配らないことが多いためです。

しかし、研修期間中だからと言って異様に低い時給で働かせたり、予定の研修期間が急に延長されたりと、トラブルはつきものです。

転職した後に正社員で働くことはもちろん大切ですが、研修期間中だからと言って労働者の待遇をないがしろにするような企業は、正社員になったあとも怪しいものです。ブラック企業かもしれません。

たまたま求人票に研修期間中のことまで書ききれなかったというのであれば、採用面接や労働条件提示の際にきちんと明確にしてくれるはずです。

研修期間中のことは曖昧にしたかったのか、単に便宜上研修期間中のことは記載をしなかっただけなのか、転職前にきちんと確認しておきましょう。

求人をよく見かける、求人がずっと出ている企業

定期的に募集をかける派遣などと違い、正社員の募集でよく求人を見かける企業には気を付けましょう。

事業規模拡大などによる大量採用中であれば納得もいくのですが、そうでもないのに永遠と求人が出続けている…その企業は人が定着しない可能性が高いです。

人が定着しないのにはそれなりの理由があります。業務の内容上、肉体労働でキツイ仕事だから人が定着しない、というのであれば仕方ないかもしれませんが、労働環境が悪い、社員へのあたりが厳しいなどのブラック企業である可能性もあります。

ブラック企業へ転職しないために下調べをきちんとしよう

このように、求人票にはブラック企業を見極めるヒントが隠されています。

これが書いてあると必ずブラック企業!ということではありませんが、気になる場合は事前に明確にしておく必要があります。求人票だけではなくきちんと下調べをしておきましょう。

求人票の内容と実態は必ずしも一致しません。求人票の内容を参考にすることはもちろん必要ですが、鵜呑みにせず、多角的な視点で転職活動を行っていくよう心がけましょう。

そんなときに「実際のところはどうなの?」と、企業の内情を教えてくれるのが転職エージェントです。

転職エージェントのキャリアコンサルタントは企業の採用担当と話す機会が多く、企業の内情にも詳しいですから、「この求人怪しいかも?」と感じたら是非相談してみましょう。