転職を考え始めると同時にこんなことを考えていませんか?

「履歴書に書ける資格が一つもないから転職できないかも。」

「少しでも転職に有利に働くように資格を取ろうかな?」

そんな風にして周囲に相談したり、ネット上の情報を調べていくと「資格は無意味」「資格より実務経験だ」という声ばかりで勉強する意欲を失うという人は多いでしょう。

これらの声は決して間違ってはいないのですが、100%真実でもないのです。

そこで今回は、転職に有利な資格と、取っても無意味な資格についてお話していきます。

転職に有利な資格とは?

まずは転職に有利になる資格について見ていきます。

どんな資格が評価されやすい傾向にあるのでしょうか?

業務独占資格

業務独占資格とは、医師や看護師に代表される医療系の資格や弁護士、税理士などの法律系士業など、その資格がなければ特定の業務を行うことができないという資格のことです。

それぞれの法律で有償または無償での業務が独占となる旨が記載されています。

その業務をしたいのであれば、業務独占資格を取得することで、転職のスタートラインに立つことができます。

目的の仕事があるのなら、転職に有利かどうか以前に、持っていないと話にならない可能性もある資格です。

高い知識レベルの証明になる資格

資格そのものを使うわけではなくても、応募先で使える知識の証明になる資格があれば転職に有利に働く場合があります。

例えば会計士や社会保険労務士などの士業は業務独占資格ではありますが、事務所等ではなく一般企業で働く場合には資格自体は不要になり、仕事に関係するのは資格の勉強で学んだ知識そのものになります。

面接官は応募者がどんなスキルがあるのかを確認したいわけですが、基本的にはスキルや経験は自己申告になるので、そのレベルや信憑性については応募者を信じるしかないということがあります。

ただし、こういった合格率1桁台の難関資格であれば高いレベルの知識量があるということの証明としてはうってつけになります。

その業務と関連が深い資格

応募先で携わる業務との関連が深い資格であれば有利です。

例えば保険営業を担当するならファイナンシャル・プランニング技能検定、経理畑に転職するなら日商簿記検定などが代表的です。

これらは業務独占資格というわけでもなく、2級までなら突出して難しい資格というわけではありませんが、業務との関連という点で評価されやすい資格の一つです。

上記の検定試験の場合は高いレベルの知識があるかというより、基本的な知識を持っているのかという意味で応募要件に指定されている場合もあります。

これ以外にも、業務と関連が深いと思われる資格であれば、何もない人より一歩有利になりますし、熱意の裏付けとしてうまくアピールすれば有利に働くこともあります。

ビジネスマナーなど基本スキルを確認できる資格

ビジネスマナーやパソコン操作の基本スキルなどを確認できる資格もあると良いです。

例えば敬語の使い方やビジネスでの接遇の基本が学べる秘書技能検定や、オフィス系ソフトの操作スキルの証明になるMOSなど。

これらは汎用性の高いスキルの基礎を学べるという点で、どんな業界や企業でも評価の対象になる可能性があります。

特に年齢が若い人はビジネスマナーやパソコンスキルなど基本的なことができているか不安に感じる面接官も多いので、あれば安心材料となることがあります。

転職活動中に取得しても意味のない資格

続いて取得しても転職には意味のない資格について考えていきます。

本当は学びに無意味なものなどありませんが、選考に影響を与えるのかという点で見ていきたいと思います。

業務に関係のない資格

どんなに人気の資格であっても、応募先の業務と関係のない資格であれば意味がありません。

極端な例を挙げると、アパレル関係の仕事をしたいのに税理士資格があるとアピールしたところで、「すごいんだろうけど関係ないよね?」と言われてしまいます。

また、業務に関係がないということは仕事に役立てないだけではありません。

応募先の業務とかけ離れてしまうと、その資格の内容や難易度について理解している面接官ばかりではなくなりますので、例え難関資格であってもその努力すら評価されないことにもなります。

こういう資格は内定をもらうという点でも、転職後に役立てるという点でも無意味になります。

また、趣味系の資格も同様に業務に関係がなければ無意味です。

転職活動中に取得するのはやめましょう。

趣味は履歴書の趣味欄に、どんな人かを知ってもらうために書くということにとどめておき、転職して落ち着いたら趣味を深めるために取得すれば良いのです。

受ければ受かる簡単な資格

業務に関係のある資格であっても、受ければ誰でも受かると思われるぐらい簡単な資格は評価されません。

場合によってはそのレベルのものをわざわざ書くという点に自信のなさを感じますし、他にアピールできるものがないと際立たせてしまうことにもなります。

また、その資格を取得するお金と時間があるなら他の資格を選べばよかったのでは?と、計画性のなさを疑われることもあります。

資格が何もないのは特段珍しいことではありませんから、思い切って書かない方が潔いです。

資格を活かした仕事をしたいなら転職エージェントに登録すべき

ここまでご紹介したことから分かるように、転職活動中に資格を取得するなら応募先に活かせるものであるということが大前提になります。

そして資格を評価してくれる企業に転職したいのであれば、転職エージェントを利用しましょう。

あらかじめ希望の条件や資格・スキルなどを登録しておくことで企業側からのスカウトメールが届くことがありますし、資格が活かせる求人を一緒に探してくれます。

最後に

いかがでしたか?今回は、転職に有利な資格と取っても意味のない資格の概要をお伝えしました。

どれも、「この資格さえあれば絶対に内定をもらえる。」ということはまずありません。

資格があっても信頼できない人物であったり、これまでの経歴をきちんと説明できない人であれば合格できないのは当たり前のことです。

転職活動中の資格取得において一番重要なポイントは、応募時や転職先の仕事に役立つのかどうか、という点に尽きます。

役立つというのは資格そのものが必要な場合だけでなく、学びを活かすことができるのかということも含みます。

資格そのものが評価されるかされないのかの議論ではなく、自身のスキルアップにつながるものという点で資格について考えてみてください。

自分のスキル向上につながるものであれば、例え選考の決め手にならないものであっても有益なものとなるでしょう。

ぜひ参考にしてみてください。