病院やクリニックで働く臨床工学士は、まだまだ認知度は低いですが確実に需要は増えている将来性に期待が持てる職業です。
しかし大変な仕事で転職を考える人も多くいますし、その転職事情は独特でキャリアアップもそう簡単ではありません。
今回は、臨床工学士の転職理由とキャリアアップするための方法についてご紹介していきます。
目次
臨床工学士の転職理由として考えられること
臨床工学士が転職したいと考えるときはどんなときなのでしょうか?
その転職理由について見ていきます。
医師と合わないなど人間関係
臨床工学士は基本的に医師の指示の元、医療機器の操作や点検を行う仕事です。
そのため、医師や他の専門職と連携をしながら仕事を進めていくので自分たちのペースで仕事をするということは基本的にありません。
誰かの指示を受けるのが嫌いだったり自分のやり方にこだわりがあるという人には向いていない仕事です。
周囲と協力体制を築けなかったり、医師と合わなかったりなどの人間関係が原因で転職するという人は多いです。
給料が低いこと
臨床工学士は専門学校や大学などで専門的知識を学んだ、手に職系の仕事であるにもかかわらず、その給料は決して恵まれているとは言えません。
大病院であれば昇給やボーナスもありますが、クリニックなどで働く場合には、専門知識のない事務系の職員とさほど違いはありません。
日々勉強が必要にもかかわらず給料に反映されないということはモチベーションの低下につながりやすく、転職理由の一因ともなります。
大病院で働くことのプレッシャー
総合病院などで臨床工学士として働くと、緊急手術などで機器を操作する仕事も行います。
そのような切迫した状態の中での仕事は、特にミスが許されない神経を使う仕事になります。
病院によっては手術室勤務の場合には手当がでることもありますが、さほど大きい金額というわけでもなく、その精神的プレッシャーを補うまでには至りません。
医師や看護師などの医療行為が行える立場ではないのにかかわらず、人の生死にかかわる現場に居合わせるということの精神的負担に耐えらえず、辞めてしまうという人はいます。
看護師などの専門職から下に見られること
臨床工学士の仕事が定着している大病院であっても、医師や看護師などの専門職からは下に見られる仕事でもあります。
病院では医師や看護師が絶対の現場ですから、医療技術や事務系の職員は彼らの指示を受け入れるほかなく、横柄な態度を取られたり、きつくあたられてしまうこともあります。
同じ職種の人たちとこの悩みや苦労を分かち合っていくことで乗り切るしかありません。
緊急呼び出し当番があること
臨床工学士には緊急呼び出しに対応する当番が設けられていることがあります。
緊急手術などが入った場合に対応する必要があり、その場合には少ない人数で対応しなくてはなりません。
待機中であっても気を抜くことはできず、精神的にも負担がかかる時間でもあります。
臨床工学士としてキャリアアップするには?
臨床工学士としてキャリアアップし、年収につなげていくには道が限られていますが、向上心があって努力を続けていける人であれば年収アップも可能です。
ここでは、臨床工学士がキャリアアップする方法についてご紹介していきます。
臨床工学士は需要自体はあるけど活躍の場が限られている
臨床工学士の仕事は、医療業界では比較的新しい資格として認知度としては他の専門職に比べると低いです。
そのため、現実的には働く場所としては病院やクリニックがほとんどで、同じ地域内であれば転職場所は限られてしまうというデメリットがあります。
働く場所が限られてしまうということは、当然働き方も限られてしまうため、自由に働き方を選ぶというのはなかなか難しくなってきます。
大病院なら給料は待遇が良いことが
臨床工学士の給料は、同じ病院やクリニックで働く看護師などの専門職に比べるとかなり低いです。
臨床工学士の働き次第で、患者さんの命に関わる重大な事故を引き起こす可能性もある精神的負荷がかかる仕事にもかかわらず、その認知度が低く仕事内容が知られていないことからも給料は低めに設定されています。
特に小さなクリニックなどではボーナスや待遇にも期待できないことでしょう。
臨床工学士として年収や待遇にもこだわるのであれば、やはり経営体力のある大病院などへの転職が有効です。
ただし、求められることも多く、日々勉強が必要で向上心を持った人でないと転職が成功したとしてもついていくことは難しいと覚悟しておきましょう。
臨床工学士という仕事にこだわらないなら出世する道もある
臨床工学士として病院で働いていると、昇給はあってもさほど大きな年収アップにつながることはありません。
キャリアアップを考えても、病院であれば業務分担がしっかりしているため、頑張った分だけ大きな仕事を任されるというわけでもありません。
しかし、臨床工学士としての仕事にこだわらないのであれば病院で出世することも可能です。
実は総合病院などでは、臨床工学士などの医療技術系の職員は事務系と同じくくりで出世街道に乗ることができ、リーダー、課長級と出世していきながら最終的には病院事務長、理事長などへ上りつめる人が多いのです。
医師などは院長になりますが、病院経営にかかわる理事長や事務長などは、医療技術出身者であることが多いのは、将来的に出世したい人にとっては大きな目標になるのではないでしょうか?
数は少ないが医療機器メーカーへの転職という道もある
臨床工学士のほとんどが病院やクリニックでの勤務ですが、医療機器への深い知識を活かして医療機器メーカーへの転職という道もあります。
有力な医療機器メーカーであれば総合病院以上に給料や待遇に恵まれており、緊急呼び出しなどがなく働きやすいというメリットもあります。
ただ、件数は多くありませんし、医療機器の知識以外にも求められることは多くなります。
自分で道を切り開こうと努力できる人でないと難しい道ではあります。
条件の良い施設への転職を希望するならエージェントを利用しよう
給料なのか、緊急呼び出しがないなどの働きやすさなのか、何をもって条件が良いとするかは人それぞれですが、自分の希望に合う求人を探しだす必要があります。
そのためには多くの優良な求人の中から比較検討する必要がありますから、求人数の多い転職エージェントを利用しましょう。
転職支援のプロであるキャリアコンサルタントから、転職に関する様々なアドバイスを受けることもできます。
転職エージェントの登録は無料なので、ぜひ活用してみてください。
最後に
いかがでしたか?今回は、臨床工学士が転職を考える理由とキャリアアップの方法についてご紹介してきました。
臨床工学士としてキャリアアップするのは簡単ではありませんが、せっかく手に入れた専門知識を活かし、ぜひキャリアや年収につなげていってください。