安定的な職業の筆頭として挙げられることが多い銀行員ですが、安定がゆえに社内の風土が保守的で、堅苦しいと感じる銀行員も少なくありません。
自由がない環境に息苦しさを感じて、転職を考える人もいます。
転職理由が「自由を求めて」という場合、転職先に候補として挙がるのが、自由な社風が多いベンチャー企業やIT関連などの将来性が高いと言われる企業です。
銀行からこれらの企業へ転職して成功した例は多くありますが、失敗に終わるケースもありますから注意が必要です。
今回は、金融からベンチャー・IT関連に転職する際に、気を付けたいことを紹介していきます。
目次
金融系は自由がない世界
銀行や信用金庫などの金融系の業界は、業界全体としての安定性が高い、高収入として人気があります。
その反面、規制やルールも多く、保守的・官僚的で自由な風土ではない機関が多いです。
柔軟な発想で新しい企画を提案したり、自分の意見が取りいれられることも少ないため、仕事に慣れた頃には面白味を感じないという人もでてきます。
また、各金融機関の風土は支店長などの性格がダイレクトに反映されるため、支店長が口うるさいタイプの人だと、さらに仕事がつまらなく感じてしまうことも多いです。
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ベンチャーやIT業界への転職を考える人も多い
金融系の自由度の低さに息苦しさを感じると、自由度の高いと言われるベンチャー企業やIT関連へ思い切って転職をしようと考える人がいます。
これらの業界と金融系は真逆の位置にあるとも言える存在です。
そのため、金融系の保守的な体質に不満が大きいほど、チャレンジしたいという想いが強くなっていきます。
金融系からベンチャー・IT関連へ転職するときに気を付けたいこと
ただ、これらの業界に転職するのはやはり慎重になるべきです。
自分の本質を見極めた上で、新しい業界の特性に合うのかどうかをじっくりと考えた上で、転職をする必要があります。
主にどんなことに着目すれば良いのでしょうか?
自分の本質を見つめてから転職すべき
元々銀行などの金融業界に新卒で就職を決めた人は、安定志向型が多いです。
しかし、銀行に入行すると、「思った以上」の規制があったり自由度がない風土に驚くことになります。
安定志向の人であっても、多少の息苦しさは感じるのが普通なのです。
それを「多少の息苦しさ」と捉えるか「自分と本質と根本的に違う」と捉えるのかは大きな違いがあります。
銀行からベンチャーやIT業界に転職すると、最初は自由な風土が最初は心地よいと感じますが、次第にそれが重荷になってきます。
自由ということは自分の意志をしっかり持ち、常に考えて提案していくことが必要になります。
銀行で決められた仕事をしてきたことに慣れている人にとっては「あれ?もしかして決まり切ったことをしていた方が楽かも。」ということになってしまいます。
その人の本質は、自由が好きで能動的に仕事をするのが得意なのではなく、どちらかというと受動的な仕事をすることに安心感を覚えるタイプだったというわけです。
「自由がなくて息苦しいから転職したい」は、本当に自分の本質と合っているのかはしっかりと見つめてみることが大切です。
残業が多くなる覚悟は必要
ベンチャー企業やIT関連は、将来的な伸びしろに期待ができる一方で、企業が成熟していないケースが多いです。
コンプライアンスの意識が低い、制度充実がなく働きやすい環境が整っていないということは考えられます。
特に残業に関しては多くなる覚悟は必要で、急成長を遂げるために残業は当たり前いう企業もあります。
また、資金力が少なく残業代を出せないため、サービス残業が当たり前というケースも多いです。
それでも仕事にやりがいがあって、努力次第で成長できれば耐えることができるのか考えておくべきです。
個性的なタイプの同僚がいることを受け入れられるか
人の性格やタイプは様々とは言え、金融系に集まる人とベンチャー・IT関連に集まる人のタイプは全く違います。
金融系は元々安定志向で保守的、世間体を気にするタイプが多いと言えます。
一方ベンチャー・IT関連は若い人も多く、考え方も柔軟で個性的なタイプの人も大勢います。
このような人たちが同僚になるわけですが、この多様性を受け入れられるかどうかも、転職後に続けていくことができるのかに影響を与えます。
「いろいろな人がいて面白いな」と思えるのかと「常識のない人が多くてイライラする」と思ってしまうのかでは全然違います。
後者の場合は、人間関係にストレスを感じて辞めてしまう確率が高いと思っておきましょう。
安定しないという不安と共存できるか
ベンチャー・IT関連は伸びしろは期待できますが、不確実な部分が大きいため安定はしません。
いつ会社が倒産するかもわかりませんし、進歩が目覚ましいIT分野では業界内の競争も激しいです。
その不安を、やりがいや面白味に変えることができる人であれば良いのですが、将来の不安につながりやすい人であれば、精神的に負担が大きくなってしまいます。
特に金融系にいて元々安定志向が強い人は、安定しないという不安はかなりのストレスになりやすいものです。
不安を持ちながらもそれを楽しむぐらいの覚悟はあるのか、今一度自分自身に問いかけてみましょう。
覚悟を決めたら転職エージェントを利用して転職活動を
ここまで金融系からベンチャー・IT関連に転職するときの注意点をお伝えしましたが、実際にこのパターンの転職を成功させた人も多くいます。
今は超有名企業に成長した会社の取締役などでも、金融系出身という人は多いです。
いずれはそうなれるように突っ走りたいのか、それとも自由な風土で自分らしく仕事をしたいのか、どちらにしても金融系からこれらの業界へ転職するのはアリです。
今回ご紹介した注意点もしっかり確認し、覚悟を決めたら転職に向けて動きだすようにしましょう。
失敗しないためにも転職活動は、転職エージェントを利用して確実に行うのがおすすめです。
非公開求人を含む優良求人が集まっている転職エージェントであれば、将来的に成長できるベンチャー・IT企業に出会えることでしょう。