メディアなどでも取り上げられることが多く、憧れの職業として挙げることも多い美容師の仕事。
しかし、実はその離職率は非常に高い傾向にあり転職を考える人は常に多い状態です。
そこで今回は、美容師の転職時に気を付けたいことと、美容師経験を活かした意外な転職先についてご紹介していきます。
目次
美容師の離職率が高い理由とは
介護や福祉などの離職率の高さと比べると意外と知られていませんが、美容師は非常に離職率の高い仕事です。せっかく専門学校までいって美容師免許を取得したのに?と感じるかもしれませが、実際に働いてみると憧れだけでは続けられない要素があります。
美容室の離職率が高い理由としては大きく分けて2つあります。1つは給料の安さや待遇への不満、2つ目は独特の人間関係にあります。それぞれ見ていきましょう。
給料の安さや待遇への不満
美容師は、オーナーなどにならない限り給料が低く生活が厳しいという人も多いです。特にアシスタント時代には一人暮らしができないほどの給料で、食べるのにも困るという人もいます。
夢を追う仕事という意味では仕方がない面もありますが、何年にも渡って生活が困窮することで夢を諦めて辞めていく人が多いと言われています。
また、一人前の美容師として働けるようになっても給料自体は決して高くありません。企業などと違って福利厚生の充実やボーナスを出すことも難しいお店も多く、よほどの人気店で指名が多い美容師ではない限りは、雇われ美容師は稼ぐことができません。
内向きの少人数での人間関係
転職理由の常に上位に挙げられる、職場での人間関係の悩みを抱えることは、美容師は特に陥りやすいと言えます。
店舗内での閉じられた空間で毎日仕事を行うということと、少人数の狭い世界での人間関係のため、合わない人がいるとその影響を直に受けてしまうからです。
それに加えて接客業としてのストレスもあり、我慢が続くと精神的に大きなダメージになってしまうことがあります。美容師さんでうつ病になってしまったという人も意外と多いのです。
これは内向きな人間関係が影響している他に、個人経営も多い美容師では、職場のメンタルヘルス対策など、会社としての対策を講じておらず経営者が気づきにくいということも原因の一つです。
美容師からの転職で気を付けたいこと
美容師から転職を考える場合には、注意すべき点があります。どんなことに気を付ければ良いのでしょうか。
美容室は飽和状態にあるから将来性を探ることも大切
美容師として別の美容師に転職するのであれば、そのお店の将来性については考えておいた方が良いです。見た目の給料だけに固執しすぎるのではなく、長い目で見て地域住民に愛されそうなお店かはよく考えましょう。
なぜなら現在美容室はすでに飽和状態にあり、美容室同志の競合が激しいからです。街中でも新しい美容室ができてはなくなりの光景をよく見かけます。せっかく転職したのにその美容室自体が潰れてしまったようでは話になりません。
また、最近は日本経済の先行きの不安定さからも美容院にお金を使うことを控える人も増えてきました。1,000円カットが繁盛しているのもその良い例です。
そのような中で最適な美容室を探すのは難しいかもしれませんが、美容系の転職エージェントや口コミサイトなどを利用してできる限りの下調べは行う必要があります。
特に転職エージェントでは、実際のお店の内情や経営状態など、求人欄には載っていない詳細についてキャリアコンサルタントが知っていたり、経営者に確認してくれることもあります。登録は無料なので活用されると良いでしょう。
全く別の業界で働くなら早い方が良い
美容業界から離れて全く別の業界で働きたいと感じているのであれば、早い方が良いです。若いうちであれば未経験OKの職種もたくさんありますし、育てる意味でも内定をくれる企業も少なくないでしょう。
しかし、ある程度の経験を積んだ中堅以上の場合には、即戦力を求められるため、美容師経験しかないというのはネックになります。
企業で使う敬語やルールは美容業界とは異なると心得て
一般企業では、ビジネス敬語やルールなど美容院では学ばないことがたくさんあります。特に美容師の専門学校を出てそのまま美容師になっている人の場合は注意が必要です。
広義での社会人経験はありますが、一般企業の形式ばったルールや正しい敬語の使い方などは、美容院では逆に堅苦しくなることがあるため使わないことが多いです。
そのため普段使っていた言葉遣いや身だしなみなどが通用せず、一般常識のない人だと思われてしまうことがあります。
美容師としての知識や経験が活かせる意外な仕事とは?
美容師経験が豊富な人が別の業界に移る場合には、全く別の仕事であっても美容師としての知識や経験が活かせる職業に就くと良いです。ここでは、美容師の転職先をご紹介します。
毛髪関連の企業
髪という点で共通点が多い毛髪関連の企業では、カツラや育毛などのカウンセリングや商品説明などを行う仕事がありますが、美容師資格保持者は優遇されます。髪や頭皮に関しての専門的知識があるため重宝されるようです。
美容の仕事とは少し違う側面もありますが、美容師としての知識が活かせますし、立ち仕事が減ったり待遇が改善されるなどのメリットは大きいです。
また、最近は医療用カツラなど、将来性がある医療・介護などの面からも毛髪業界としての成長が見込めます。社会貢献性が高い医療の分野で、美容師としての知識や経験を活かすことも良いのではないでしょうか。
美容系のリクルートスタッフ
美容師としての経験を、美容業界で働きたい人のために活かすということも考えられます。美容業界に特化した転職エージェントなどのスタッフには美容業界経験者が多数所属しています。
経験があればその分、利用者の相談に乗れたり信頼性も高まるため採用される可能性は十分にあります。
エステや美容部員
美を追求するという意味で目的が似ているエステや美容部員の仕事は、美容師としての知識や経験が役に立つ仕事と言えます。
エステ店内だけでなく、化粧品メーカーやコスメブランドなどでもシャンプー販売などに関わっていることも多いですし、頭皮も肌の一部ですから美しく保つために必要な要素などが共通しています。美容師出身ということで顧客からの信頼も得やすいのではないでしょうか。
最後に
いかがでしたか?今回は、離職率の高い美容師の転職で気を付けたいことや意外な転職先をご紹介しました。転職は逃げではなく自分の納得できる職業人生を送るための前向きな選択です。ぜひ転職を成功させて、生き生きとした毎日を過ごしてください。