残業代が出ないことに疑問を感じることは当然のことですが、実際に働いている人の中には残業代が出ないのが普通、それが常識などと思い込んでいる人がいます。

会社や周囲による洗脳状態とも言えるこの考えは危険です。

残業代が出ないことが普通ではないと早く気づいて適切な対処と転職を考えましょう。

そこはブラック企業の可能性が大きいですから早めに行動する必要があります。

今回は、残業代が出ない場合の適切な対処と転職活動についてご紹介していきます。

残業代が出ないのは当たり前だと思っている人は意外と多い

新卒で入社した会社が「残業代がでないのは当たり前」が横行している会社だと、それが世間の常識だと勘違いしてしまうことがあります。

不満を感じたとしても、先輩や上司にうまく言いくるめられて、仕方がないことだと思ってしまう人もいます。

近年は労働基準法などの法知識が一般にも浸透したり、残業代未払いなどが問題になっていますから、このような人は減ったはずです。

しかし実際には職場の雰囲気に流されて我慢してしまう、これが社会というものなのだと変に納得してしまう人が多いのです。

暗黙のルールであっても違法は違法

残業代を出さなければいけない以上、会社側も残業代の申告があれば拒むことまではしないことが多いです。

ただ、厄介なのは暗黙のルールとして残業を申告しないという雰囲気がある会社です。

口では「残業代の申告をしてはいけない」とはっきりとは決して言いません。

しかし、「仕事ができないうちは給料よりも貢献を考えよう」や「先輩たちは皆申告はしていない」など遠まわしに残業代の申告をしないような言い方をする場合があります。

暗黙のルールであっても、違法は違法です。

近年は実際の申告ではなく、パソコンのログなどを調べて、実際の労働時間と申告に差がなかったのかなど労働基準監督署の監査が入ることもあります。

申告しないから大丈夫ということではないということは、労働者、使用者ともに覚えておきたいことです。

雇用契約書や就業規則を確認しよう

残業代の有無や計算方法などについては雇用契約書や就業規則を見ることで確認することができます。

これらの書類に残業代の支給について記載されているにも関わらず残業代がでないのであれば、書類と給料明細、タイムカードのコピーなどを持って労働基準監督署に相談に行くという手段もあります。

労働基準法では、採用の際に賃金などの労働条件について書面で明示することを義務つけられていますし、労働契約法では就業規則の周知義務があります。

これらの書類が何一つないという場合にはそれこそ違法ですから、労働基準監督署などに申告するための材料の一つになります。

残業代を出さなくても良い条件は厳しいと知ろう

確かにみなし労働時間制と呼ばれる法的に残業代を出さないための抜け道はあります。

しかしこれは条件がしっかりとあります。

例えば、外回りの営業などはみなし労働制が採用されやすいですが、携帯電話で会社からの指示を受けながら労働している場合などはみなし労働制は対象外となります。

また、管理職であれば残業代が出ないのが当たり前だと思う人は多いですが、労働基準法の管理監督者に該当するには厳しい条件があります。

ファーストフード店の店長による残業代未払い請求が認められたケースは、ご存じの方も多いのではないでしょうか?

このようなことをよく理解しないで「営業だから残業代でないよ」「役職がついたら残業代なくなるよ」などと会社に言われるがままに信じてしまうのは危険です。

残業代を出さなくても良い条件は厳しいのだと知っておきましょう。

違法な残業代未払いを許しても痛い目を見るのは自分

違法な残業代未払いを「仕方のないこと」と目をつぶっても、収入が少なくなるのは自分にとってデメリットが大きすぎます。

また、そのような会社はつけあがり、大抵長時間労働などを強要してきます。

そもそも長時間にわたる残業に対してお金を払うのが惜しいから残業代を払わないという暴挙に出ているのです。

長時間労働が続くことで体を壊したり、精神的に病んでしまうこともありますが、そうなっても残業代未払いをするような会社は助けてくれません。

自分の身は自分で守るしかないのだと心得ましょう。

残業代がしっかりでる「普通の」会社は山ほどある

残業代が出ない会社から、残業代がしっかり出る「普通の」会社に転職した人は、目が覚めたように「同じような仕事なのに残業代が出るから収入が上がった」と言います。

残業代が出ないことが普通ではないと早く気づくことで、今の仕事内容とそう変わらず収入を上げることが可能なのです。

残業代を出さないことが法律違反だと知っている会社は世の中に山ほどありますから、何も「他よりすごく条件の良い求人」を探す必要はありません。

基本的なことが守られている普通の企業に転職すれば良いだけなのだと考えれば、転職に過度な不安や恐れを感じる必要はないのではないでしょうか?

ブラック企業を避けるためには転職エージェントを利用しよう

残業代を出さない会社はいわゆるブラック企業です。

しかし、ブラック企業を避けるにはどのような転職活動を行っていけば良いのでしょうか?

それには、転職エージェントを利用するのがおすすめです。

転職エージェントは掲載企業からの掲載料で成り立っており、人材に対する意識が高い企業が集まっています。

逆にハローワークなどは無料で掲載が可能な分、人材にお金をかけたくないと考えるブラック企業も多くなってしまうのです。

優良な転職エージェントを選べば、企業審査もしっかりと行ってくれるため、そもそも残業代未払いをするようなブラック企業に応募してしまう可能性がぐっと下がります。

また、今の仕事をしながら転職先を探したい忙しい人のために、転職活動を全面的にサポートしてくれますのでメリットが大きいです。

転職エージェントは無料で利用できますのでぜひ活用してみてください。

最後に

いかがでしたか?今回は残業代が出ないことは普通ではないと早く気づいて、適切な対処と転職活動を行うべきだとお伝えしてきました。

残業代の未払いは違法です。

自分の人生は自分で守るしかなく「知らなかった」では済みません。

ぜひ適切な対処をし、転職に向けて動きだしてください。