自営業から会社員に転職するのは、一般的に不利だと言われることがあります。

しかし多くは協調性のなさや、会社員としての資質を兼ね備えていないなどが理由ですから、それさえクリアしていけば自営業出身者には会社員にはない強みがたくさんあります。

決して転職が叶わないわけではありませんから、自信を持って転職活動を行っていきましょう。

自営業から会社員への転職活動では、せっかくの自営業経験から得たことを上手く伝えていくことで人事担当者の目に留まり「ちょっと他の人とは違うな。」と思ってもらうことができます。

では、自営業経験者は具体的にどんなことをアピールしていくべきなのでしょうか?

今回は、応募書類や面接の中で伝えていきたいポイントや注意点をご紹介していきます。

自営業時代に培った経験が活かせる企業を選ぶことが大切

自営業から正社員へ転職でまず大切なのは企業選びです。

自営から雇用される側へと立場が大きく変わるこの転職では、立場の違いばかりに着目しがちですが、スキルや経験を活かせる職場を探すという点こそが大切なのです。

なぜなら自営業と言えど社会人経験があるわけですから、企業側が即戦力を求めるということに変わりはありません。

今さらポテンシャル採用ということもありませんから、自身のスキルや経験が活かせる先でなければ、どこに応募しても内定を勝ち取ることはできないでしょう。

その点では自営業からの転職であっても、会社員からの転職と同じように企業選びを進めていく必要があります。

応募書類には自営業時代の経歴を記載する

応募書類に自営業時代の経歴を記載すべきかという点で迷う人が意外と多いですが、自営業だろうと会社員だろうと同じように経歴を記載していきます。

「入社・退社」という書き方ではなく「開業・廃業」という書き方にし、会社名や簡単な業務内容などを履歴書にも記載していきます。

詳細については職務経歴書で述べるようにし、これまで行ってきた業務をわかりやすくまとめるようにしましょう。

自営業の経歴であっても、実際に会社員として働く際に活かせるスキルや経験は必ずあるはずです。

それをしっかりと伝えることで、会社員として働いていくイメージを持たれやすくなります。

経営者としての視点を持っていることは強みになる

会社員にはない自営業経験者の強みとしては、経営者としての視点で仕事を見ることができるということです。

危機管理能力や問題解決能力が高いのも特徴でしょう。

人を雇うにはどれぐらいコストがかかっていて、どれぐらい貢献してもらう必要があるのか、それを分かっているというのは企業側にとっても大きなメリットになります。

どうしても会社員勤めの人は、給与や待遇など自分が受けることができる見返りを重視しがちで、実際にどんな貢献ができるのかがおろそかになる人が多いからです。

経営者としての視点を持っていると、能力がないのに高い給与だけを求めたり、権利ばかりを主張して義務を果たさないということがありません。

やるからにはしっかり結果を残そうと努力してくれることでしょう。

仕事でも会社という組織に依存することなく、経営を盛り上げてくれる人物だと思われる可能性が十分にあります。

応募書類や面接でも、「自分を雇うことでこんなメリットがある」という視点からアピールしていきましょう。

自分で何でもやってきたという行動力が幅広い仕事への期待につながる

自営業になると、営業から発注、経理、確定申告まで自分一人で何でもこなしていかなくてはなりません。

従業員がいるような会社経営をしてきたのであったなら、スタッフ育成にまで携わっていることもあります。

経営から税金に関する知識まで幅広く必要ですし、実際にやり遂げる行動力がなくてはやっていけないことです。

この行動力は会社員として雇われの身になったとしても評価されるポイントです。

「わからなければ自分で調べる」「まずはやってみる」というスタンスが身についているため、どんな仕事を任せても自分の頭で考えてトライしたり、様々な手段で情報を得ることができます。

これをぜひ応募書類や面接でも伝えていきましょう。

指示待ち人間が多い会社組織の中で、能動的に行動ができる点を強みとしてアピールしていけば、他のライバルたちに差をつけることが可能です。

自分の売りを明確にしよう

一方、「なんでもできるけど特に際立ったメリットがない」と思われてしまうことは避けたいポイントです。

自分の売りや強みは何なのか、そしてそれが企業が求める人材と合致しているのかをきちんと掘り下げて、応募書類や面接で伝えていく必要があります。

自営業として細かい仕事を何でも一人でやってきたと言っても、その中で営業が得意だったとか、売り上げやお金の管理が得意だったとか、得意分野があったはずです。

スタッフ教育に力を入れていたのであれば、管理職として正社員に転職することも十分可能になります。

自営業からの転職であっても自己分析をするのは会社員の転職活動と同じです。

プレイヤーとしての強みと経営者としての視点があってこそ、企業が自営業出身者を採用するメリットがあるというものです。

面接では謙虚な姿勢で相手の話をよく聞くことが大切

自営業経験者は自分で何でもやり遂げる力があるという強みがある一方で、自分の意見を押し通したがる傾向にある、周囲と協力せず自分一人でやってしまおうとするなど勝手な振舞いをするという人もいます。

企業としても自営業での経験を活かしてほしいとは思いつつ、やはり協調性のなさがネックになり採用を見送るということはよくあるのです。

ですから、面接で実際に面接官と会った印象というのが非常に大切になります。

面接官の話をよく聞き謙虚な姿勢である、相手の意見を尊重しようという意識が高いなど、転職しても周囲とうまくやっていけそうな人柄が感じられるように注意して面接に臨みましょう。

間違っても横柄な態度を取ったり、一匹オオカミ的な印象を与えてしまうことだけは避けたいです。

自営業出身者は最初から転職エージェントを使っていきたい

今回は自営業出身者がアピールしたい点をご紹介しましたが、冒頭でもお伝えしたように一般的に転職が不利と言われる要素も持ち合わせています。

特に自営業経験が長い人は会社員として適応力という点ではやはり不安が残りますから、転職支援のプロである転職エージェントに相談しながら転職活動を行っていくべきです。

応募書類の添削を受けることができ、面接の際に気を付けたい点などもアドバイスしてくれます。

一人で転職活動をするのは会社員からの転職以上に長引く恐れがありますので、できるだけ早い段階でエージェントを利用することをおすすめします。

最後に

いかがでしたか?今回は、自営業から会社員への転職希望者に向けて、応募書類や面接でのポイントと注意点をご紹介しました。

自営業経験を最大限にアピールしていくことと、面接官の不安を解消することで、転職成功の確率が高まります。

ぜひ参考にしてみてください。