転職活動の必須作業と言われるキャリアの棚卸は、している人としていない人とでは転職活動の結果に大きな違いが生まれます。
転職を成功させた人の多くは、きちんとキャリアの棚卸作業を行い、それを元に企業選びや応募書類の作成、面接対応などに役立ててきました。
では、キャリアの棚卸とは具合的にどのようなことをすれば良いのでしょうか?
なぜ必要なのかの理由も含めてご紹介していきます。
目次
キャリアの棚卸って何?
転職活動を始めるにはキャリアの棚卸が必要だとよく言われますが、キャリアの棚卸とは一体どんなことなのでしょうか?
そもそも棚卸という言葉の意味はお店や倉庫などの在庫数を確認してその総額を計算する作業のことで、決算日などに行われるものです。
これをすることで売れ筋商品が把握できたり、反対に売れていない商品を今後は仕入れないようにするとか、売るための方法を考えていくとか、戦略を立てることができます。
在庫の計算をすることで今の状態を把握し、今後に活かす、それが棚卸の目的です。
キャリアの棚卸は、お店や倉庫→自分、在庫数→スキルや経験、総額を計算する→自分の強み、持っているものを整理する、という風に置き換えることができます。
今の自分の状態を把握し、今後の仕事や転職活動に活かす、それがキャリアの棚卸ということです。
具体的に言うと以下のステップで自分の中身を整理していく作業になります。
- 携わってきた仕事内容をすべて明らかにする
- 身につけたスキルや経験は何かを整理する
- 私は何ができるのか、私は何をやりたいのか、それを達成するために必要なことはなにかを考える
なぜキャリアの棚卸が必要なのか
よくキャリアの棚卸という作業を省いてしまう人がいます。
自分のキャリアなのだから自分自身で把握しているし、そもそもそんなことに時間を割くぐらいなら応募書類の一つでも書いた方が転職活動が効率的に行えるのでは?と考える人も少なくありません。
では、キャリアの棚卸はなぜ必要なのでしょうか?
求人探しに必要だから
今の会社に不満があるから転職したいと考える人は大勢いますが、では具体的にどんな場所へ転職したいかと聞かれるとよく分からない、やりたい仕事は特にないという方も多いものです。
そうなると求人探しすらできないことになり、何となく条件の良さそうなところを中心に見ていくしかできなくなります。
条件の良い求人が見つかったとしても、条件以外に特に理由もなく応募した求人では、「なぜ当社に応募されたのですか?」という志望動機すらまともに答えることができず、結局不採用になってしまうことが大半です。
キャリアの棚卸作業をしなかったことで求人探しの軸がぶれぶれで転職活動がうまくいかない、この方がずっと効率が悪い転職活動ということになるのです。
応募書類や面接で答える内容そのものだから
キャリアの棚卸の作業をしてから応募書類の作成に取り掛かると、何もない状態から作成するよりも格段に書きやすくなっていることが分かります。
なぜなら応募書類に書く内容は、キャリアの棚卸で行った内容そのものだからです。
特に職務経歴書の中には、過去の仕事内容、自分の強み、転職先で叶えたいことなど、棚卸結果がそのまま反映されることになります。
そして面接では、その応募書類を元に面接官は質問などを行っていくわけです。
キャリアの棚卸を元に応募書類や面接へと展開していく、だから必要というわけです。
転職後にギャップが生まれにくいから
自分の強みやスキルが明確でないままだと、例え面接の受け答えがうまくいって内定をもらえたとしても、企業側が思っている「応募者はこういう人」と実際の応募者の中身には差があって、入社後にお互いにギャップを感じることになります。
企業側は「もっと〇〇ができると思っていたのに違った。」となるし、応募者側は「え?私そんなことできないよ?」と求められていることを発揮できず困惑してしまうのです。
つまり、企業があなたという人間について誤解したまま内定を出してしまったということ。
このギャップが原因で転職先を辞めてしまえば、お互いにとってこれほど不幸なことはありません。
キャリアの棚卸は転職活動の必須作業
ここまで書くとお分かりでしょうが、キャリアの棚卸とはつまり転職活動そのものです。
求人探しをする、応募する、転職して働くという、転職活動の3つの段階すべてに関わってくるのがキャリアの棚卸作業です。
これをやらなくては転職活動が成功しないと言っても過言ではありません。
キャリアの棚卸を順番にやっていこう
では、キャリアの棚卸は具体的にどのようにやっていけば良いのでしょうか?
紙でもパソコンでも構いませんので、以下の項目の内容をすべて視覚化していきます。
- 1.勤務先、職種、仕事内容
- 2.その中で挙げてきた実績、他者評価
- 3.その実績に点数をつけて、その点数をつけた理由(よい点数ならばなぜ良かったのか、悪い点数ならなぜ悪かったのか、良い点数をつけるためにはもっとこうすれば良かったのか)
- 4.今後その点数に変動があるかどうか(点数が良かったところ…今の会社でさらに点数を上げていくことは可能か。点数が悪かったところ…転職することで点数を伸ばすことはできるのか)
- 5.転職したらやりたい業界、職種、仕事内容
- 6.その中で将来どうなっていきたいのか
- 7.なぜそうなっていきたいのか
ここまでやってみると自分の強みや弱み、将来の目標や、それを達成するために今何をすべきかが見えてきます。
キャリアの棚卸をした結果、今の会社でまだ改善できる点があるから転職を思いとどまろうとする人もいますし、どんな場所に転職すれば自分の力を発揮できるのかが見えてくる人もいます。
キャリアの棚卸結果を見ながら求人を探すと今までと違う視点で見られる
キャリアの棚卸をせずに求人をポチポチと探していた状態と、キャリアの棚卸をした後で求人を見ていくと、これまでと異なる視点で転職先を探すことができます。
自分という人間を明らかにしない状態で求人を見ると、やはり目に入ってくるのは給与や待遇、休日などの条件面です。
自分がその会社で何ができるかという仕事内容はその次になってしまう、そういう人は本当に多いのです。
しかしキャリアの棚卸結果を見ながら求人を見てみると、まず気になるのは、自分のスキルが活かせそうな仕事か、自分がやりたい仕事ができそうな会社かという点です。
異なる視点で仕事探しをすることで視野が広くなり、思いもやらない求人が目に留まることがでてきます。
キャリアの棚卸をしたら転職エージェントと転職の方向性を決めよう
様々な転職サポートが受けられることで転職成功の確率が高まる転職エージェントは、利用されている人が多いサービスです。
キャリアの棚卸を自分で行った状態でカウンセリングを受けると、より詳細に転職活動の方向性を定めやすくなります。
キャリアカウンセラーも応募者がどんな人なのかを知ることができますし、棚卸結果で不足していると感じる点があればピンポイントでアドバイスを受けることができます。
棚卸結果から見えたスキルや経験を活かせる仕事について、応募者本人では思ってもよらなかったような業界や業種を紹介してもらうことも可能になります。
もちろん、そもそも棚卸の仕方から教えてほしいという人にも対応してくれますので、転職エージェントを上手に利用してみましょう。
最後に
いかがでしたか?今回は、キャリアの棚卸が必要な理由や方法、棚卸をしたことで見えてくることなどをご紹介しました。
面倒な作業に感じるかもしれませんが、自分自身を振り返るのは意外と楽しいものです。
転職活動に活かすためにもぜひ行ってください。