「キレる子供」「ストレス社会」などよく聞かれる言葉には、食事や栄養面が要因にあると指摘されることが多くあります。

そこで近年「食育」と呼ばれる食事を通じての教育が重要視されるようになってきました。

食べる行為がなくならない以上、可能性が広がる食育関連の仕事は注目が高くなっています。

しかし、民間資格が多いためか、実際に会社員で転職するというよりは、主婦などが独立して活動する仕事というイメージがまだまだ多くあります。

独立には資金やアイデアが必要で簡単にできることではなく、食育に関わること自体を諦めてしまう人が少なくありません。

そこで今回は、会社員として転職可能な食育関連の仕事と特徴をご紹介していきます。

食育に関わる仕事って?

食育とは食事の仕方や栄養面での指導だけでなく、食事を通して生きていく力を養うための教育です。

味覚形成がされておらず、偏食や肥満などの子供たちに対して行われるものと思われがちですが、子供だけのためのものではありません。

近年は大人でも好き嫌いが多い、偏った食生活で体調を崩す、ストレスを抱え込むなど栄養面に問題がある人が大勢います。

食事の大切さを学ぶことは、大人にとっても大切なことで、食育に関わる仕事というのは様々な場所で携わるチャンスがあるのです。

食品メーカー、給食配給会社等

食育いうと、食育インストラクターや、フードコーディネーターなどの民間資格が多いため、独立やフリーランスで働くというイメージを持たれるかもしれません。

しかしそれらはあくまでも働き方の一つの方法に過ぎず、一般企業で食育に関わるという方法もたくさんあります。

例えば食品メーカーに勤務して、食品の開発や調査等に関わる仕事が考えられます。

商品開発等は、すぐに抜擢されるわけではありません。

最初は事務や営業から入り、積極的に企画提案を行い、勉強して様々な資格を取得してアピールしていくなどの方法で、より深く食品に関わることができるようになった例は多くあります。

それに、どの職種であっても食品に関する情報や知識を得る機会が多いため、仕事をする上で大きなモチベーションになります。

他には給食配給会社なども、専門資格保持者だけでなく営業、事務、調理補助など様々な職種で募集があり食育に関わることができます。

近年高齢者向けのサービスなどが多く展開されてきている為、活躍出来る場が多くなっています。

栄養士・管理栄養士

働き場所に困らない資格職として人気の栄養士・管理栄養士は幅広い場所で活躍の機会があります。

医療・福祉業界から教育業界、飲食業界まで多くの業界で必要とされていて、前述したような一般企業で働く栄養士・管理栄養士もいます。

実習が多い専門学校・大学等を卒業する必要があるため、社会人になってから目指すには経済面や時間的なハードルがあります。

しかし、資格を持っているけど活かしきれていない、または結婚・出産等で職場を離れていて職場復帰を目指したいという人は、ぜひ資格を活かした仕事を探していくべきです。

調理師・調理補助

食事を美味しく仕上げるだけでなく、食材の特徴や活かし方、配膳方法まで幅広い食に関する知識と技術を持つのが調理師です。

食事は生きていく上で必要なものである要素と、生きる喜びにつながるという要素があり、二つを提供できるのが調理に関わる仕事の魅力です。

飲食業界はもちろん、スーパーやデパートなどの厨房や病院や介護施設、学校など、調理が必要とされる場所であればどこに行っても働くことができます。

飲食店やデパートなどの接客スタッフ

栄養士や調理師などの資格を持っていなくても、食育に関わることは可能です。

飲食店やデパートの接客スタッフであれば未経験歓迎求人も多いですし、食に関する知識や経験を積みやすいというメリットがあります。

接客スタッフの中には、客から指名を受けるほど食知識が豊富な人もいて、近年はデパ地下グルメなどを紹介する「フードコンシェルジュ」と呼ばれる職種で働いている人もいます。

好奇心・探求心が豊富で食への熱い想いがある人であれば、幅広い知識を身につけて活躍の場を広げることができるでしょう。

料理教室講師・アシスタント

料理教室講師も食事作りから食育に関わることができます。

多くの人に適切な調理方法を指導することで、食育への意識、正しい知識を世の中に広めていくことができます。

自宅で料理教室を開業する、というイメージがある料理教室講師ですが、実際には料理教室を体系的に展開する企業もあって、企業所属の料理講師も多くいます。

企業所属の料理講師であれば給与が安定していますし、営業活動なども個人レベルで行うより広く行うことができます。

アシスタントから入って経験を積み、講師になるという道もありますから、難しい国家資格に今からチャレンジする余裕がないという人にも向いています。

スポーツジムやエステなどのダイエット指導

肥満や生活習慣病予防のために健康的なダイエットが必要とされる人がいて、運動とともに欠かせないのが食事面からのダイエット指導です。

スポーツジムやエステに就職するには、必ずしも資格が必要というわけではなく、未経験歓迎求人も多く存在しています。

未経験の場合は入社してすぐにダイエット指導ができるわけではありませんが、働きながら経験を積み、徐々に関わっていくことも可能になります。

体力的に負担が大きく大変な仕事ですが、向上心があって入社してからも勉強を続けていくことができる人には向いています。

中小規模の出版・広告関連企業で働く

出版社や広告関係で不特定多数の人たちに食の魅力を伝えている人たちがいます。

出版社というと大手ばかりを思い浮かべるかもしれませんが、中小規模の出版社で地元密着のグルメ雑誌やWebサイトなどを展開している企業もあり、規模が小さい会社であれば飲食店の取材、執筆、構成など幅広い業務に携われるという魅力があります。

自分の努力次第で知識をどんどん吸収していくことは可能で、自身の企画が比較的通りやすいのも中小企業の良い点です。

フットワークが軽く好奇心旺盛な人に向いている仕事です。

学校、保育園、幼稚園で働く

学校や保育園など子供たちが過ごす場所では、子供の教育に食事を通して関われるという魅力があります。

栄養士や調理師などの専門職はもちろん、教師や保育士などの教育者にとっても食事や栄養知識はなくてはならないものです。

保護者たちともコミュニケーションを取りながら子供たちに適切な指導を行い、子供たちが自ら積極的に食に興味を持ってくれるようイベント等を通じて食の魅力を伝えていきます。

アレルギーや衛生面などにも配慮が必要で責任の高い仕事です。

食育に関わる仕事は転職エージェントで探そう

世の中には色々な事業を展開している会社があって、既存のイメージだけに囚われずに視野を広げてみることで意外な会社で食育に関われることがあります。

食育に関わる仕事を探すときは、転職エージェントを利用することで多くの求人を目にすることができるでしょう。

あらかじめ希望の条件やスキルなどを登録しておくことで、自分では思ってもいなかったような魅力的な求人を紹介されることがありますのでぜひ利用してみてください。

食育に関わる仕事は幅広い

今回は、正社員として転職可能な食育に関わる仕事をご紹介しました。

食は人の生活と切り離すことができない存在ですから、幅広い仕事があります。

独立・開業だけと諦めずに地に足をつけた正社員求人をぜひ探してみてください。