転職回数が多いと「すぐに仕事を投げ出しそうな人」「深く考えずに仕事を選んでいる」など、採用担当者はその忍耐力や計画性のなさを懸念します。
実際に転職回数が多いことがネックになり不採用になるという人は少なくありません。
しかし、10年、15年と同じ職場に長くいた人が必ずしも良いかというとそうでもありません。
一昔前であれば終身雇用が当たり前で、定年まで勤めあげてこそ一人前という考え方がありましたが、時代と共にその考え方は失われました。
転職経験はむしろ1、2回はあった方が、時代の変化に対応し進歩してきた人だと思われることもあるのです。
もちろん、すべての人に当てはまるわけではありません。
同じ会社でも異動や昇格などでステップアップしてきた人は、そのたびに職場環境や立場に変化が起き適応してきたわけで、転職回数が多い人のように忍耐力や計画性を疑われることもなく、さらに適応力もあるという高い評価を受けることができます。
注意が必要なのは、同じ職場で業務内容や立場にも変化がなかったという人で、この人たちには採用担当者にとって懸念材料があるのです。
今回は、同じ職場で同じ仕事をしてきた人が転職活動をどのように攻略していくかについてお話していきます。
目次
採用担当者が懸念することと払拭の仕方
業務内容や立場に変化がなかった人に対して採用担当者は何を気にするのか、どのように対処していけば良いのかについてご紹介していきます。
新しい職場になじめないのではないか?
同じ職場に長くいたということは、前の会社の企業風土に染まりすぎていて新しい環境になじめない、価値観が固定化されていているなどが気になります。
実際に長く同じ職場にいた人が初めて転職をしたときに、前の職場の仕事のやり方が当たり前だと思っていたため、仕事や人間関係がうまくいかなかったというケースはよくあります。
この場合は、異業種の人とも交流があり色々な話を聞く機会がある、好奇心旺盛で良いと思ったら取り入れるなど、適応力や柔軟性を連想させるようなエピソードがあると良いでしょう。
面接の中でも、面接官の話を素直に聞く姿勢を保ち、答えるときは否定から入らないようにしましょう。
自分の考えと違うとすぐに否定から入ってしまう癖がある人がいますが、そういう人は多様性を受け入れる柔軟性がない頑固な人だという印象を与えます。
やれる仕事が限られているのではないか?
専門性を極めたことは素晴らしいことなのですが、それ以外に何ができるのか?という点が懸念材料になります。
全く同じ仕事で同じことを引き続き長くやってもらいたいという、職人募集であれば良いのですが、企業によって求められる役割が異なるのが一般的です。
専門性を高めれば高めるほど、仕事の幅は狭くなるというリスクがあるのです。
前の会社で極めた専門性は大きな強みなのでアピールすべきなのですが、他の仕事が発生したときに対処できる人物であるということは伝えなくてはなりません。
例えば営業一筋でやってきたという人は、時代に合わせて営業活動の仕方を変えてきた工夫や、異業種の取引先への理解を深めるためにその分野の勉強もしてきたなど、専門性を極める中でも変化してきたという点を伝えましょう。
また、募集要項をよく読み、不足しているスキルがあると感じたのであればすぐにでも補う努力をし、現在取り組んでいる姿勢を伝えることも大切です。
向上心や熱意はあるのか?
同じ職場で同じ仕事を続けてきた人にもう一つ感じるのは、仕事に対して向上心や熱意があるのか、単に安定した職を失うのが嫌で妥協していただけではないのか、という疑問です。
向上心がある人は現状に満足することなく変える努力をします。
その一つとして転職という方法を取るという人が少なくないのです。
もちろん、同じ職場にいた=向上心や熱意がないというわけではありません。
しかしそれを証明する何かが必要なのです。
何かとは具体的な行動のことで、自分が企画提案して実行した仕事、仕事の幅を広げるために行ってきた勉強など、主体的に取り組んできた経験が考えられます。
これを伝えることで、仕事に対しての向上心や熱意に信憑性が生まれます。
同じ職場で同じ仕事を長くしてきたことはやっぱりすごいこと
採用担当者は長く同じ仕事をしてきた人に対して不安を持つ一方で、やはり評価すべき点があると判断します。
ではそれを、どのように転職活動につなげていくべきでしょうか?
忍耐強さ、継続性があることで信頼につながる
どんな仕事でも、大変なことや辛いことはあります。
そんなときにも投げ出さずに仕事に取り組んできたということは評価に値すべき点です。
転職先でも責任感を持って最後まで仕事に取り組んでくれる信頼できる人物だと思ってもらうことができるでしょう。
これまでの仕事の経験の中で、大変だったことをまとめておきましょう。
それに対して何を思い、どんな工夫で乗り越えてきたのかは大いにアピールすべきポイントです。
極めたスキルを活かせる求人に絞って活動すべし
専門性が高く、その分野のことであればこの人に聞けば分かるというレベルに達している人はやはり強いです。
ただし、その専門性を活かせる仕事を選ぶということが非常に大切です。
なんでもそつなくこなせる器用な人は企業側にとって使い勝手が良いですが、全員にそういうタイプを求めるわけではありません。
自分の大きな武器が活かせる仕事を探すとなると求人自体は限られてきますが、やみくもに転職活動を行って不採用が続くより、ターゲットを絞った方が結果的に効率的です。
転職エージェントを利用することで思いもよらぬ求人が
自分一人で転職活動をすると視野が狭くなりがちですが、自分の専門性が活かせる仕事は思いもよらぬ場所にあったりします。
意外なその場所を見つけてくれるのは転職支援のプロである転職エージェントです。
あらかじめ希望の条件やスキルを登録しておき、カウンセリングで自分の強みを伝えておくことで、自分では見つけられないような求人の紹介を受けることがあります。
転職エージェントは非公開求人と呼ばれる一般に公開されていない優良求人を多く持っていますから、その中に適切な案件が潜んでいることがあるのです。
すべてのサービスを無料で利用できますから、ぜひ活用してみてください。
最後に
いかがでしたか?今回は、同じ職場で同じ仕事を長く続けてきた人に対して採用担当者が何を気にするのか、そしてどのように対処していくべきかをご紹介しました。
懸念材料はありながらも評価すべき点もありますから、いかに懸念を払拭し、強みを活かした転職活動を行っていくのかが鍵となります。
自己分析や面接対策をしっかりと行った上で、戦略的な転職活動を心がけていきましょう。