年齢的に転職が厳しいと言われる40代ですが、それでも転職を考えるというのにはそれなりの事情があるはずです。

なかなか内定をもらえないなど焦る気持ちもあるかもしれませんが、まだまだ働く必要がある年代です。

企業選びの段階から妥協することなく、自分にとっての良い転職先を見極めたいものです。

では、40代の転職で企業を選ぶときにはどんなことが基準になるのでしょうか?

一体何を基準に応募先を選べばよいのか分からないという人も多いものですから、40代が気にすべき企業選びの基準と注意点についてお話していきます。

お金がかかる世代だから給与は譲れない

40代は何かとお金がかかる世代です。

結婚して家族を養う人もいるだろうし、子供がすでに高校生で大学受験の費用がかかるという家庭も多くあります。

若くて体力・気力があるうちに購入した持ち家についても、所得税の還付を受けられる住宅ローン控除は10年間のみ、そろそろ40代になると10年が終わって家計の負担がさらにのしかかってくる頃です。

また、親の介護費用も気になってくる年代と、高額の出費が発生することが増えてくるのが40代の経済事情です。

さらにまだまだ年金受給開始までは長すぎるから働かざるを得ない状況、そうなるとやはり譲れないのは給与です。

転職をする理由としても、生活が苦しく給与が上がらないからという理由も多くなってきます。

ただし、40代で年収アップの転職はそれなりに厳しい現実が待ち受けていることも事実です。

「40代なんだからこれぐらいもらって当然」と思っていると痛い目に合うでしょう。

「自分は応募先の企業でどんな貢献ができるのか」という視点で転職活動をしていかないと年収アップ転職はおろか、内定をもらうことすら難しいかもしれません。

自分一人ではないから転勤の有無も大事

40代が企業選びで気になるポイントの一つに転勤の有無があります。

背負うものが少ない若手と違い、40代になってからの転勤は自分一人の問題ではなくなります。

せっかく買った持ち家に住めない、子供が思春期で頻繁に転校させるのは可愛そうという人も多くなります。

単身赴任という選択もありますが、配偶者一人に子育てを任せるのも申し訳ない、自分の親が近くに住んでいるのにいざというときに駆けつけられないなど、できれば転勤を避けたい事情が山ほどあるでしょう。

若手を中心に行われるイメージがある転勤ですが、最近は転勤を嫌がって辞めてしまう若者が増えているため、40代の転勤もかなりあります。

転勤の有無は40代の企業選びにとってかなり重要なポイントです。

肩たたきに合いやすい年代だから企業の安定性は重要

40代の転職にとって企業の安定性というのは大切な基準になります。

業績が不安定な会社で起こり得る整理解雇などは、年収相場が安く成長に期待できる若手よりは、40代、50代がターゲットになるということも少なくないからです。

しかも40代は前述したようにお金がかかる年代ですから、業績が良く安定している企業でそれなりの給与をもらうという意味でも、企業の安定性は重要になるでしょう。

今はどんな大企業であっても倒産のリスクがある時代ですから、転職先に絶対的な安定を求めるということは難しいかもしれません。

しかしそれでも、転職先の業績や事業内容等をきちんと見極めて、倒産のリスクが低い企業を選ぶというリスク管理はできるはずです。

企業研究は時間をかけてしっかりと行い、「40代で時間がないからとにかく急がなくては」という気持ちを抑えるようにしましょう。

40代の転職こそ慎重さが求められます。

親の介護も発生してくるから介護への理解と地理的要件

介護保険料は40歳以上から徴収が開始されますが、一説によると40歳ぐらいになると段々自分の親の介護が必要になってくるからというのが、40歳という年齢が設定された背景と言われています。

これの真偽は分かりませんが、現実際問題として40代にもなれば親も高齢になってきて介護が他人事ではないという家庭も出てくるものです。

介護をしながら正社員として働くということはとても大変なことですし、自分の時間はないというぐらい忙しくもなります。

そうなると転職先として大事なのは介護へ一定の理解があり、ある程度残業などに配慮があるという企業、家から近くて通いやすい企業などという点が考えられます。

この問題は自分一人で解決できるものではありませんから、転職先を決める際もよく家族と話し合った上で譲れない基準を設定するようにしましょう。

基準をすべて満たすのは難しいから優先順位をつけよう

ここまで40代の転職で企業選びの基準にしたい点をご紹介してきましたが、すべてを叶えるのは難しいというものです。

給与も良くて家から近くて転勤もない大企業、なんてめったにありませんし、あったとしても採用されるハードルはかなり高いでしょう。

そこで大切になるのは気にしたい基準について優先順位をつけていくという作業です。

40代は色々と気にしたいポイントがあるからこそ、優先順位を付ける作業が必要になってきます。

自分にとって「これだけは譲れない」という基準は何なのか、自分や家族の幸せのためにもっとも大切にすべき点は何なのかをきちんと考えるようにしましょう。

40代は求められるハードルも高くなる

40代になると転職が厳しくなると言われていて、確かに採用のハードルは30代に比べてもぐぐっと上がります。

20年近く社会人経験がある40代は自分なりの考え方が形成されていて、若手職員のように企業色に染めることは難しい、さらには年収相場も高くなりますからよほど企業が欲しい人材でなければ転職を成功させるということは難しいというものです。

ただし、これは何も40代の人が転職市場で求められていないということではありません。

若い頃より時間をかけてじっくりと転職活動に取り組み、これまで得たスキルや経験を整理していくことで20代、30代以上に求められる人材であるとアピールすることは十分に可能なのです。

企業側に「ぜひ我が社に来てほしい」と思ってもらうためには、やみくもに転職活動をするのではなく、転職エージェントを使って戦略的に転職活動をしていくことをおすすめします。

キャリアの棚卸から応募書類の添削、面接対策まで転職活動を全面的にサポートしてくれて、これまでの経験やスキルを効果的にアピールできる方法を教えてくれます。

転職エージェントのサービスはすべて無料で利用できますから、40代の転職を成功させたいのなら利用を検討すべきです。

最後に

いかがでしたか?今回は、40代が転職先を選ぶ際に気にすべき基準と注意点をご紹介しました。

どんなことを意識して応募先を選べばよいのかは人によって異なります。

まずは自身のスキルや経験を書きだしていき、それが活かせる企業を見つけていく、その中で自分の基準を達成できる企業を選ぶという視点で、応募先を探してみてはいかがでしょうか?