接客業であるタクシー運転手は、仕事をする上で個人の裁量度合が大きいため自由がある仕事をしたいという人にも人気がある職種です。

ただし、タクシー会社は数多くあって、良い会社とそうではない会社に差が大きいということも事実です。

タクシー会社はブラック企業が多いとも言われていますが、実際には優良タクシー会社も多くあるのです。

タクシー運転手に転職を考えている人は、企業選びを慎重に行い、いかに自分にとての良い会社に転職を決めるという点が重要になります。

そこで今回は、転職先としてタクシー会社を選ぶ際に確認しておきたいポイントをご紹介していきます。

事故の補償について

タクシー運転手の仕事は1日のほとんどをタクシーの運転ということに費やしますから、当然事故に合うリスクが高い仕事になります。

どんなに安全運転を心がけていても、他の自動車の運転手の過失などによって事故に合うという可能性もあるでしょう。

そこで必ず確認しておきたいのが事故の補償についてです。

タクシー会社によって補償の度合いや補償が受けられるケースが異なります。

対物や対人の補償だけでなく、事故でケガなどをして自分自身が働けなくなったときの給与補償についてもどれぐらい補償されるのかを確認しておきましょう。

求人内容に「事故補償有」と書かれていることも多いですが、詳細は実際に聞いてみないと分かりませんし、求人には載っていないけれど補償制度を設けているということもあります。

いざ事故に合ったときに補償がしっかり受けられる会社を選ぶことで、安心して働くことができるというものです。

客の評判や口コミを確認しよう

タクシー運転手は接客業ですから、客の評判や口コミは非常に大切です。

人によっては「このタクシー会社のタクシーを利用する」と決めている人もいますし、タクシー運転手の質が高ければクレームなどでトラブルに発展することも少ないです。

ファンが多い企業ほど安定経営が可能になり、結果的にそこで働くタクシー運転手も長く安定的に働くことができるということです。

今はネットなどでも様々な口コミを見ることができますし、タクシーは一般の人にとっても身近な存在ですから、友人・知人などに聞いてみるだけでも評判の良いタクシー会社を知ることができます。

他には、病院や百貨店、ビルなどの前には多くのタクシーが停車しており、乗客を乗せる際の対応などを観察してみるだけでもタクシー運転手の質が見えてきます。

自分がタクシーを利用する際に「このタクシー会社はどの運転手も感じがいい」など個人的に魅力に感じたということも基準になります。

研修中の給与の確認も必要

経験者が同じ地域でタクシー会社を変えるという転職でなければ、研修期間中の給与についても確認が必要になります。

研修期間中も生活を担保できる程度の給与が支給されるのか、研修地までの交通費はどの程度支給されるのかなども確かめておきましょう。

また、未経験者であれば二種免許と呼ばれる乗客を運ぶ目的で運転をする際に必要となる免許取得は必須ですし、地域のタクシーセンターが定めている規定などによって地理試験の受験が求められることもあります。

タクシー会社によってはこれらの免許取得にかかる費用を負担してくれるということもありますので、このあたりも企業選びのポイントになります。

やはり研修期間中もきちんと給与が払われて研修体制が整っているタクシー会社の方が、タクシー運転手の質を大切にしていて、顧客満足度も高いと言えるでしょう。

社員を大事にするかどうかは面接にも表れる

全国のタクシー関連会社は法人だけで6,000社以上あるというデータもあり、個人タクシーも含めたらそれ以上です。

一口にタクシー会社と言っても数多くあるわけですから、その中でいかに働きやすい会社を選ぶということが大切になります。

企業選びの基準としてやはり大切なのは、タクシー運転手を含めて社員を大事にするという意識があるかどうかという点です。

前述したような事故の補償や研修期間中の手当なども含めて、タクシー運転手を単なる労働力と見ているか、いざというときに守ってもらえる取り組みをしているのかを見極めるようにしましょう。

入ってみなければ分からないと思うかもしれませんが、面接での対応なども目安になります。

面接官の態度があまりに横柄で、制度や給与についての説明が曖昧などの場合、入ってみてからとんでもない目に合ってしまう可能性もあります。

面接では自分が雇ってもらえるためにアピールするという視点も大事ですが、質問タイムなどを通じて経営者や上司の考え方などを積極的に聞いてみるという姿勢も持ちましょう。

完全歩合制も多いけれどだから危険というわけでもない

タクシー運転手の給与形態は「完全歩合制」を採用している企業がほとんどです。

一般的に完全歩合制というと給与が安定せず、売り上げがなければほとんど生活ができないというイメージを持たれる人も多いでしょう。

生命保険や住宅販売などの営業職でこういった話をよく聞かれます。

しかしタクシー運転手の仕事は少し特殊で、完全歩合制だから給与が安定せず危険ということは必ずしも言えません。

自分がタクシーを利用するときのハードルと、生命保険や住宅を購入するときのハードルの高さを比べてみればその差が歴然だと分かるでしょう。

タクシーの利用機会は至るところにあり、何回でもリピートする可能性もあるので売り上げやすい仕事だということです。

また、歩合給のパーセンテージについても特殊で、売り上げのかなりの割合を給与とすることができるのです。

もちろん完全歩合である以上、仕事をサボるような人であれば生活はできませんが、基本的には真面目に仕事をしていればタクシー運転手の平均的な給与は得ることが可能なので、他の業界での完全歩合制とは少し意味合いが違ってくるのです。

このことを踏まえると、完全歩合だから危険ということではなく、歩合のパーセンテージなども含めて企業選びのヒントとされると良いでしょう。

確認したい点が多いから転職エージェントの利用がおすすめ

タクシー運転手の仕事は勤務時間や給与形態が特殊ですから、転職前に確認しておきたいことが多くあります。

求人内容だけで判断できないこともありますから会社説明会や職場見学、面接の質問タイムなどを利用してきちんと確認しておきましょう。

ただし、応募する企業に色々聞きにくいということもあるはずです。

その場合は、転職エージェントを経由した転職活動であればエージェントから情報を得ることが可能です。

気になることがあればエージェントに依頼することで企業の採用担当に確認してくれます。

最後に

いかがでしたか?今回は、タクシー会社を選ぶ際に確認したいポイントをご紹介しました。

タクシー運転手として転職を考えている方は企業選びのヒントとしてお役立てください。