年齢を理由に転職活動を諦めていませんか?

今の会社に満足し働いているのであれば良いのですが、他にやりたい仕事があったり、大きな不満を抱えたまま今の仕事をするのでは、人生の輝きが半減しているかもしれません。

今回は、年齢を理由に転職活動を諦めている方へ伝えたいことをお話していきます。

企業が若い人材を求めるのはなぜ?

自分だってまだまだ元気で働けるのに、なぜ世の中は若い人ほど採用されやすいのだろうと思うでしょう。そもそも、企業が若い人材を求めるのはなぜなのでしょうか。

また、それをどのように捉えて転職活動に活かしていくべきなのでしょうか。

長く働いてほしいから

今50歳の方と今20歳の方とでは、定年までに働ける年数が異なります。一度採用した人材は当然長く働いてほしいですから企業は若い人材を求めます。

しかし、今の世の中、一つの企業に新卒から定年まで働き続けるという人はどんどん減ってきています。そうなると、長く働いてほしいから若い人材を求めるという風潮も壊れつつあるのかもしれません。

覚えるのが早いから

よく若い子は覚えるのが早いからと言いますが、本当にそうなのでしょうか。実は、年齢による記憶力の低下はそのほとんどが「思い込み」から起こるものなのだそうです。

「年齢がいくと記憶力が衰える」と信じて疑わないことで、覚えられるものも入ってこないんですね。ある実験でも年齢による記憶力に差異はないという結果がでたそうです。

覚えるときは、自分の記憶しやすいものと関連づけて覚えることで記憶を引き出しやすいそうなので、「もう新しいことを覚えられないから転職なんて無理!」と思っていた方は普段の生活から気にしてみてはいかがでしょうか。

自分がまだまだ新しいことにチャレンジできるという自信につながるかもしれません。実は一番必要なのは、もの覚えの早さよりも本当に覚えようとする向上心なのではないでしょうか。

謙虚な姿勢を持っているから

まだ何色にも染まっていない若者は、変な自信もプライドもなく謙虚な姿勢で指導を受けることができます。新しく採用して指導する側としては、この謙虚な姿勢は非常に大切なことなのです。

年齢を重ねていくうちに、自分に変なプライドがでてきてしまって人の言葉を素直に謙虚に受け止められないという方は多くいます。

頑なに人の話を受け入れないことが本当に自分の人生に有意義なことなのかどうかは、年齢を重ねる度に考えるべきことなのかもしれません。

求人内容に年齢制限を設けてはいけない

年齢を理由に転職活動を諦めている方の中には、求人内容を見もせずに「年齢制限が設けられているはず」と思い込んでいる人が多くいます。

しかし、実は求人に年齢制限が設けられることは昔に比べて大幅に減っていることをご存じでしょうか。

平成19年10月より、雇用対策法で年齢制限の禁止が義務化されました。これにより、事業主は採用にあたって年齢制限を設けてはならず、求人内容に年齢制限を設けることが基本的に禁止されました。

年齢が異なっても個人の能力や適正には違いがあり、年齢制限を設けることによって優秀な人材を活用できる機会が減り、高齢者や年長フリーターなどが増えてきているということ、少子化が進む中で就業者数が減ってきていることなどが背景にあります。

どんな求人内容に変わったのか

例えば、「長距離トラックの運転手を募集するため45歳未満を募集」などの求人の書き方はできません。

この場合には「長距離トラックを運転し、〇キロの荷物を上げ下げする仕事です。持久力と筋力が必要です。」などのように、年齢ではなく具体的な業務内容や必要な資質などを書かなければならないようになりました。

これによって、私たちは求人内容から具体的な業務内容や企業が求める資質を知り、自分の適正と照らし合わせ、転職活動に活かすことが可能になりました。

私たちは年齢よりも自分の能力に合うかどうかによって応募先を選ぶことができるというわけです。

例外はあるが、メリットでもある

ただし、例外として条件付きで年齢を定めることができます。

例えば、定年が60歳の企業である場合に「60歳未満の方を募集」としたり、長く働くことによってキャリアを形成することを目的として若年者を求める場合、ある一定の年齢層が極端に少ない場合などの場合などに年齢制限を定めることができます。

この場合でも、経験を不問にしなくてはならないなど一定の条件があります。

「なんだ、年齢制限を設けられていることに変わりはないじゃないか」と思うかもしれません。

しかし、明確な理由がない限り年齢制限を設けることができなくなった以上、能力や適性が合えば年齢に関係なく採用したいと思う企業は確実に増えました。

また、キャリアやスキルのあるベテランの方が、若年者の育成を目的としている企業に応募して不採用になるよりも、企業の求める人材が明確になったことで、そのような若年者を求める企業に応募ことがなくなり、応募の手間が省けるというメリットがあるとも言えます。

転職活動をする上で年齢を気にしている方は、是非このあたりを参考にして、企業が求める人材にマッチしているかの判断材料に使ってほしいと思います。

35歳以上なら若年者にない魅力がある

一般的には35歳未満が若年者と言われることが多いですが、逆に35歳以上の人材にはどんな魅力があるのでしょうか。

社会人としての一般常識が問題ないことが多い

若い人材には体力があるなどのメリットはありますが、ほとんど社会の常識を知らず顧客の前にしてとんでもない言動や呆れるような敬語の使い方をしてしまう場合も少なからずあります。

その点35歳以上の人材であればこのような心配や教育をあまりする必要はなく、真っ先に業務を覚えることに集中してもらうことができます。

冷静で落ち着いた言動ができる

35歳以上ともなると10年以上は社会人経験がある方がほとんどで、その中で多くの人と接し、トラブルなどの解決にも携わっていることが多いです。その経験を活かし、トラブル時にも冷静な対応や落ち着いた行動ができるのは若年者にはない魅力と言えるでしょう。

顧客から信頼を得やすい

特に高額の商品を売ったり、保険などライフプランに関わるような商品の場合には年齢が若いということは必ずしもメリットになりません。

自分より人生経験の浅い若者に自分の大切な資産を任せるよりも、ある程度年齢のいった信頼できる人物に頼みたいと思うのが人間の心理というものです。

また、クレームなどの場合もそうです。電話などで若者がいくら丁寧に対応しても、声が若いというだけで納得してもらえないということは往々にしてあります。

ある程度の年齢が上の方が電話先に出るだけでクレームが取り下げられるということもよくあることです。

このように、35歳以上になれば常識のある冷静で落ち着いた言動ができ、信頼を得やすい人材であると言えるのです。これらは若年者にはないメリットですので、是非転職活動の際にはこれらの魅力をアピールできるように心がけてください。

若年者のメリットが加われば最強

では、35歳以上の魅力に若年者のメリットである、謙虚で向上心のある姿勢を加えたらどうでしょうか。

いざというときには冷静な行動が取れる上に普段から謙虚で向上心を持ち、生き生きと働けるのであれば、最強の人材となることでしょう。

なぜなら若年者にはどう頑張っても経験という年数をすぐに重ねることはできませんが、35歳以上の方が謙虚な姿勢や向上心を持って働くということは心がけ次第で今すぐにでもできることだからです。

最後に:年齢はデメリットではない

年齢を理由に転職を諦めている方へ、年齢がいっていることの魅力や転職市場の実情などをお話してきました。

こうして考えると、いま年齢を重ねているということはデメリットではなくメリットであるとも言えます。

年齢でやりたい仕事を諦めるなんて勿体ないことです。年齢による長所を活かしつつ、思い込みを捨てて最強の人材になれると信じて転職活動を行ってください。