職場適応障害をご存知でしょうか?

職場適応障害とは、精神面が不安定になって職場で急に泣き出してしまったり、怒りだしてしまったり、大きな不安感が出てしまう状態のことです。

悪化するとうつ病などの精神疾患に発展することもありますから注意が必要です。

実はこれらの職場適応障害やうつ病は真面目で頑張り屋の人ほどなりやすいと言われています。

今回は、真面目な人が職場適応障害やうつ病に陥ってしまう理由と、そうならないための心がけについてご紹介していきます。

真面目でいい人が適応障害に陥ってしまう理由


真面目で周囲からの評判も良いいわゆる「いい人」こそ、職場適応障害やうつ病などの精神疾患になってしまうことが多いです。

周りから見たらなぜこんな真面目でいい人が…と意外に思われることもありますが、実はなるべくしてなっているとも言えるのです。

では、真面目でいい人が職場適応障害やうつ病などになってしまう理由とはどんなことが考えられるのでしょうか?

誰にでも良い顔をしようとしてしまうから

言い方が悪く聞こえるかもしれませんが、いい人は皆に好かれようとしてしまいます。

本人にそんなつもりはないですが、これまでの人生の中で、色々な人たちとうまくやってきた成功体験からも、皆に気を遣い上手にやっていくことが人生をうまく乗り切るために必要なことだと信じて疑わないからです。

これが、学生時代であればクラス替えがあったり、3年間や4年間で人間関係に変化もあるため乗り越えてきたかもしれません。

しかし、社会人として長く同じ職場で働いていたり、学生時代には経験しなかったような困難や社会の荒波に飲まれることによって、その無理が表面化してきてしまうのです。

誰からも好かれるということはほぼ100%無理なことです。

どんな人格者や人気者であっても、必ず不満を感じる人がいる、それが人間なのだということを理解していないと、周囲の顔色をうかがいすぎて自分軸がなくなり、あるきっかけで崩れてしまうかもしれません。

頑張り過ぎて完全に容量オーバーになってしまうから

真面目な人は頑張り屋で高い向上心を持って努力し続けている人が多いです。

特に子供の頃から頑張ることでテストで良い結果を出して親に褒められたとか、頑張っていたことを誇りに思っているタイプの場合には注意が必要です。

自分そのものに価値を見いだせず、頑張れない自分は価値のない人間だと思ってしまうため、休むことなくひたすら自分の体を酷使し続けてしまうからです。

頑張って認められているうちはまだ良いのですが、仕事では学校のテストとは違って、分かりやすい評価を受けることができないことも多いです。

それが繰り返されると、「なぜこんなに頑張っているのに認めてもらえないのか?」とギャップを感じるようになり、苦しむようになってしまうのです。

仕事を受けていくうちに責任の重さに耐えられなくなってしまうから

真面目でいい人は、人からの仕事の依頼を断らず残業も進んで行います。

周囲の評価は高まる一方なのですが、それが本来持つ本人の容量や能力に見合わない仕事に発展することがあります。

仕事を断らない姿勢がやる気があると評価されて、責任の重たいリーダーなどを急に任されたり、仕事量が増えていってしまうこともあります。

元々真面目な性格なので任された仕事を全うしようとさらに頑張り、いずれその責任の重さに押しつぶされてしまうことになります。

仕事を断らない姿勢は大切ですが、自分の適性や能力について冷静に分析する目も持たないと、後々自分を苦しめることになります。

真面目な人が適応障害にならないための心がけ


真面目でいい人が職場適応障害やうつ病気にならないために普段から心がけておきたいことがあります。

これができるかどうかで、将来的に長く働き続けることができて結果的に安定した職業人生を手に入れることができるのです。

どのようなことに気を付けていけば良いのでしょうか?

きちんと休むために予定を入れよう

真面目で頑張り屋の人は適度に休むことがとても大切です。

しかし、休むということができないというのもこの人たちの特徴でもあります。

そんなときは、自分の好きな予定や人との約束を先に入れてしまい、絶対に休まざるを得ない状況にしておくと一定の効果があります。

私の知り合いでも、真面目でいい人過ぎて休めないという人がいますが、大好きな宝塚のチケットを取って、休みの予定を入れたときだけは仕事を休めると言っていました。

このように、自分が夢中になれることを見つけておき、休むときの理由になるようにしておくと休みも取れてリフレッシュもできるのです。

気づかないうちに精神が病んでいた…というリスクも軽減されるはずです。

どうしても休めない人はまずは人のために休むことを心がけて

仕事を頑張り過ぎてしまう人の中には、趣味を見つける時間すらなく、仕事以外に何をしていいのか分からないという人もいるでしょう。

その人たちが仕事を休むためには、まずは「人のために休みを取ろう」と思ってみてはいかがでしょうか?

本来は休みは自分のために取るものですが、それが難しいようであれば仕方がありません。

休むことに抵抗感をなくすためにも、得意の「人のため」から入るという手法です。

まずは、休みを取らないで頑張り続け、疲れやストレスが溜まることによって、仕事のミスをしてしまったり、周囲に当たってしまったりという「はた迷惑」が一般的によく起きることなのだと知ることから始めましょう。

自分が無理をすることによって、周りの人に迷惑をかけるリスクを防止するためだと思えば、休みを取って自分自身を労わることも必要なことだと思いやすいのではないでしょうか?

小さな愚痴や悩み相談を心がけよう

真面目でいい人は、愚痴や悩みを相談することがその相手への迷惑になると信じて疑いません。

しかし、あなたが真面目でいい人であればあるほど、その相手は愚痴を言われたり悩みを相談されたりすることが嬉しいものなのです。

信頼できる同僚や先輩に聞いてもらって小さな発散をこまめにすることが大切です。

溜めこみすぎて大きなストレスになり、突然会社に来れなくなってしまうと、それこそ相手に大きな迷惑をかけてしまいます。

親や家族のことを気にして転職ができない自分を変えよう

今の会社での仕事や人間関係が辛くて本当は転職したいのだけれど、親の手前できないとか、家族に迷惑をかけてしまうのではないかと感じてしまうのも真面目な人の特徴です。

子供の頃から親にとっても良い子供だった場合には、特にその期待に応えようと頑張ってしまうものです。

しかし、頑張り過ぎて心を病んでしまうことを、親は望んでいるでしょうか?

それに、大人になった今でも親の期待に応えようとするのは、自分のための人生を生きていないとも言えます。

転職が、自分の意志で自分を生きるきっかけになるかもしれません。

また、家庭がある人は妻や子への責任感から転職できないといういう人もいるでしょう。

その場合には、まずは奥さんに本当の気持ちを伝えてみましょう。

単なる愚痴と捉えられないように、本当に悩んでいるのだと説明すれば、解決策を一緒に考えてくれたり、転職をすすめてくれる人も多いはずです。

愛する家族のことを、もっと信頼してみても良いのではないでしょうか?

転職活動の困りごとは転職エージェントへ

転職をすると決めたら、ここでも一人で頑張り過ぎずに周りを頼る気持ちが必要です。

転職活動ではなかなかうまくいかなかったり、悩みを抱えることも多いでしょう。

そんなときは、具体的なアドバイスをくれる専門家に相談することが大切です。

単なる愚痴で終わらず、次の面接ではどうすれば良いのか、応募書類をこのようにした方が良いのかなど、転職活動に役立てることができます。

転職エージェントを活用すれば、転職支援のプロであるキャリアコンサルタントに転職活動中の困りごとなど様々な相談をすることができます。

プロのアドバイスがあれば転職活動もスムーズに進むことでしょう。

転職エージェントの登録は無料なので参考にしてみてください。

最後に

いかがでしたか?今回は、真面目でいい人が職場適応障害やうつ病に陥りがちな理由と、事前に防ぐための心がけについてご紹介してきました。

真面目で頑張り過ぎは最終的には自分を苦しめることになります。

適度に肩の力を抜いてやることが、結局はその能力を最大限に発揮できる近道なのかもしれません。

ぜひ参考にしてみてください。