止まらない高齢化社会の中で、高齢者が労働者として果たす役割の重要性は日増しに大きくなっています。

そのため高齢者を人材として活かす取り組みを行う会社も増えてきました。

時代背景を考えても正しい方向性ですし、転職を考える上でもそのような取り組みを行う会社に目を向けるべきでしょう。

しかし、高齢者を大切にする会社に転職するときには、覚えておきたいことがあります。

どんなことに気を付けるべきなのでしょうか?

高齢者を働き手として活かすことは大切なこと

高齢化社会の深刻化や年金受給開始年齢の引き上げなどにより、高齢者を働き手として活かすための様々な取り組みが社会全体で行われています。

高齢者は体力的には若い世代に劣るかもしれませんが、その豊富な経験や知識を活かし様々な場所で活躍する可能性を秘めています。

今後ますます増える高齢者のことを考えても、高齢者を働き手として思う存分その能力を発揮してもらうことは非常に大切なことと言えるでしょう。

私たちが転職先を考えるときにも、高齢者を働き手として重要視するという考えの会社は時代の流れに合っていますし、将来的にも可能性があると判断することは決して間違っていないことです。

高齢者でも色々な人がいる

「老人」という言葉で高齢者を見ると、身体的な機能の衰えなどからどうしても弱者というイメージがついてしまうことがあります。

しかし、そのように高齢者をひとくくりで見てしまうのではなく、単に世代が違うだけの一個人として、それぞれに能力や適性、また性格にも大きな違いがあるということを忘れてはいけません。

「お年寄りには優しく」は間違っていませんが、高齢者でも人柄が良く能力の高い人もいれば、年を取ってまで人を騙したり横柄な態度で人を見下すような、そんな高齢者がいるということは心にとめておく必要があるのではないでしょうか?

これを忘れてしまうと自分自身がひどい目に合ってしまうこともありますから注意が必要です。

不満よりも現状打破という気持ちが大切なのに…

高齢者であっても個人差はありますが、高齢者を大切にする会社への転職を考えるときに、高齢者の傾向を知っておく必要はあります。

例えば高齢者の悪い例として挙げられることに「不満が多い」ということがあります。

人によっては愚痴の一つももらさないような素晴らしい人格の高齢の方もいますが、愚痴が多くなってしまう人が多いことも事実です。

本来仕事をする上では不満があれば、その現状を打破するための努力こそが必要なのですが、どうしても未来志向になりにくいというのも高齢者の特徴として挙げられます。

これを覚えておくことで、高齢だからと言って安心して近づきすぎてしまい自分の精神を病んでしまうことを避けることができます。

悪口をしっかり聞きすぎてノイローゼになってしまった若年者の話

私が知っている若い人で、非常に人柄が良く、誰にでも優しい人がいました。

その若者が勤めていた会社は高齢者を大切にする会社で、若者自身も「高齢者の話はしっかり聞くことが大切」と、その若者は高齢者の話をいつも一生懸命聞くようにしていました。

当然高齢者たちからも好かれるようになったのですが、若者が一生懸命聞いてくれることをいいことに、高齢者たちはいつも若者をつかまえては他の職員の悪口を聞かせていました。

高齢者のことを邪険にすることもできず、いつもその悪口の聞き役になっていたその若者は、数か月でノイローゼになってしまい、うつ病を発症して退職することになってしまいました。

人の悪口というのは、それだけ負の作用があり、人を精神的に追い詰めてしまうことになるのです。

もちろんこれはたまたまその高齢者たちが悪口好きだったということにすぎない話かもしれませんが、悪口を言う人に近づきすぎない方が良いのは相手がどの世代の人であっても同じということです。

高齢者を大切にする会社が良いのではなく高齢者も大切にする会社が良い

高齢者を大切にする会社は社会貢献性も高く非常に素晴らしい会社と言えますが、高齢者を大切にするから良いのではなく、高齢者を含める従業員を大切にするから良いのだということは忘れてはなりません。

転職先を決めるときも、高齢者「も」大切にする会社かどうかは見極める必要があります。

高齢者「を」大切にするあまり、前述したような若年者のうつ病に気づかないようでは決して良い会社とは言えないのではないでしょうか?

教育体制がある程度整っている会社か確認しよう

高齢者を大切にする会社に転職を考えるとき、その会社の教育体制については確認しておく必要があります。

高齢者の中には人に教えるということに長けており、その知識や経験から若年者を育てることができる人がいますが、相対的に見ると、「人に教えるのは面倒」という高齢者が多いように感じます。

「教えられるのではなく見て仕事のやり方を盗め」と育てられてきた世代であることからも、あまり教えるという意識がないのかもしれません。

どちらかというと、若い世代の人の方が、人に熱心に教えたり、丁寧にわかりやすく教えることができる人が多いように感じます。

個人差はありますが、若年者の場合には教育体制が整っていないと、仕事の進め方に苦労したり、仕事を覚えるまでの辛さが乗り切れずに辞めたいと感じてしまう危険性があります。

若年者には優しくない会社に不満を感じたら転職しよう

今勤めている会社が高齢者には優しいけれど、逆に若年者への対応がおざなりになってしまっているという場合には、その会社の将来性は期待できませんから転職を考えてみましょう。

高齢者の適性や能力を活かしつつも、その経験や知識を若い世代へ受け継いでもらうことが会社が今後発展するために必要なことではないでしょうか?

どの世代の従業員も大切にしようという気持ちがなければそれは所詮世間体を気にしているだけの会社なのです。

転職するなら転職エージェントを利用しよう

高齢者「にも」優しい従業員を大切にする会社への転職を考えるのであれば、転職エージェントを利用しましょう。

転職エージェントを利用することで、転職における様々な悩みや困りごとを解消することができますし、希望の会社の内情などを知ることもできます。

転職支援のプロであるキャリアコンサルタントは様々な会社の内情に詳しいですし、会社の採用担当と連絡を密に取り合う中で、どのような雰囲気の会社なのかを探ってくれます。

また、ハローワークや求人誌と比べても求人件数が圧倒的に多く、希望の条件に合う求人が見つけやすいということもメリットです。

エージェントの利用は無料なので活用してみてください。

最後に

いかがでしたか?今回は、高齢者を大切にする会社に転職を考えるときに覚えておきたいことについてご紹介しました。

高齢者とひとくくりに考えて接し方を決めてしまうと、いらぬトラブルや人間関係に巻き込まれて自分が辛い思いをすることもあります。

高齢者だから優しくしなくてはいけないのではなく、どんな人に対しても平等に接するという気持ちを常に持つようにしましょう。