「新規事業立ち上げ」という言葉にどんなイメージを持たれますか?
チャレンジ精神がある企業、とにかく何だか楽しそう!と、ポジティブなイメージを持たれる方も多いかもしれません。
特に今の職場でルーチンワークが多く退屈しているなど、仕事にやりがいと感じられず転職をしたという人にとっては魅力的な募集に思えることでしょう。
そして実際にも、新規事業立ち上げに関わったことで貴重な経験ができ、今後のキャリアアップにつなげていったという人もたくさんいます。
ゼロから事業に関わるということは、中途採用でありながら他の職員と同じスタートを切れるということでもあり、転職してまで先輩や同僚に頭を下げて教えてもらうのは嫌だ、自分の力を試したいという人にもメリットとなります。
しかし安易なイメージだけで求人に飛びつくのは少し待ってください。
新規事業立ち上げのタイミングで転職した結果後悔したという人も少なくなく、応募には慎重な姿勢が求められます。
そこで今回は、新規事業求人に募集することのリスクと、慎重な応募のために知っておきたいことをご紹介していきます。
目次
事業失敗で部署解散?居心地が悪くなり辞めることも
新規事業を立ち上げるという背景は企業によって大きく異なります。
例えば現在柱としている事業があり業績も好調だけれど、将来的に複数の柱が必要なため、その候補として長い目で見て事業を拡大していきたいケースがあります。
この場合は企業の資金力にも比較的余裕があり、新しい視点で開発に関わってほしいなどの理由で異業界出身者を募集するケースも多く、転職組としては大きなチャンスです。
一方、新規事業にはこういった前向きな背景だけでなく、業績が悪化していて既存の事業では太刀打ちできないから新規事業で勝負するなど、背水の陣で立ち上げるケースもあります。
こうなると新規事業が上手くいかなければすぐに撤退、早期の部署解散で予期せぬ部署に異動になってしまうなども考えられます。
また、企業内では諦めモードで期待すらされていないというケースもあり、自分のやる気とは裏腹に周囲の協力を得られず、居心地が悪くて辞めてしまう人もいます。
背景を見極めるのは難しいですが、企業の財務状況や新規事業の社内での立ち位置など、事前に確認できるものはとことん調べておき、博打的な応募にならないようにしておきたいところです。
予算問題でやりたいことがやれない
新規事業の立ち上げは、ベンチャー企業などチャレンジ精神がある企業で積極的に行われることがあります。
ベンチャー企業は意思決定のスピードや裁量権がある、自由度が大きいなど多くのメリットがあります。
しかしやはり資金力という点で老舗企業に劣るのは事実で、たくさん企画を提出しても予算問題で通らないということもあります。
やりたいことはあるのに現実的にできないというのであれば、結局今の会社で決められたことをやるのと大差がないと思う人もいるでしょう。
企業の業績推移を創立から現在に至るまで調べておく、面接で聞いておくなどして現実的にやりたい仕事ができるかを確認しておきましょう。
何でも自由にやれるは実は不自由ということも
新しいという言葉は何にも染まっていない、自由度があるという風に感じるかもしれません。
しかし実際何でも自由にやれるということは大変なことで、仕事に取り掛かってみたら「え?こんなことも決まっていないの?」というようなケースもでてきます。
それを一から企画立案し上司に決裁をもらって…という作業をしていくわけなので、目的にたどり着くまでにかなりの労力がかかることがあります。
それこそがやりがい!と思える人であれば良いですが、今までの仕事である程度ルール付けされた方がやりやすいと感じた経験がある人は少し注意が必要です。
募集人員数から期待値をイメージする
新規事業立ち上げに伴う人材募集は、その人数である程度企業の期待値を図ることができます。
例えばたった1人だけの募集よりも30人募集している方が、期待値が大きく企業が力を入れて事業開発に取り組む姿勢がうかがえます。
1人というのは大げさかもしれませんが、数人レベルは意外とあって、それぞれの裁量範囲が大きくやりがいにつながりやすい代わりに激務になる、失敗すれば簡単に切られるというリスクもあります。
ただし、多くの人員を募集していればよいのかというと必ずしもそうでもありません。
せっかくやりがいを求めて転職したのに、単に使い走り要員で採用され、企画とか開発とかやりたかった仕事は経験豊富な他の職員が担当する、なんてこともあります。
求人内容を見ると「新規事業に関われてやりがいの高い仕事です」のように書かれていますが、確かに関わってはいるけど想像していた仕事と違う…という風に思ってしまう人が意外と多いのです。
募集人員数からどれぐらい期待された新規事業なのかをイメージし、実際に自分がどこまで関われるポジションでの募集なのかは事前に聞いておきましょう。
新規事業立ち上げを狙うなら事業計画のスタート時期
新規事業を立ち上げるタイミングは企業によって異なりますが、一つ目安になるのは3~4月や9~10月などの期が変わるタイミングです。
半期という区切りの時期から事業計画をスタートさせたり、それに伴って新しい人材を募集するということがあるからです。
現実的にはこれに間に合うように人材を募集するため、年明けや夏ぐらいからは求人に目を配るようにしておきたいところです。
また、興味のある業界や企業でどんな動きが活発になっているのか、その動向を知っておくのも有効です。
新しい分野への参入が積極的に行われている業界などであれば、じっくり業界研究をしておくことで、いざ新規事業開発や事業拡大などに伴う求人が出たときに反応することができます。
いずれにしても企業研究をしっかり行うことが基本で、それが実際の応募の際にも企業へのアピールにつながります。
新規事業求人は転職エージェントで探すとたくさんある
新規事業求人に応募することのリスクを理解した上で、それでも新規事業求人を狙いたいというのであれば、転職エージェントに登録することをおすすめします。
検索で「新規事業を含む」に指定すれば多くの求人が見れますし、非公開求人の中にはかなり条件の良いものもあります。
また、転職エージェントを経由して応募することで、企業内情や募集の背景など知りたい情報を手に入れることができます。
これは企業とパイプのある転職エージェントだからこそできることですから上手に利用してください。
最後に
いかがでしたか?今回は、新規事業求人に応募することのリスクと、慎重な応募のために知っておきたいことをご紹介しました。
魅力的な求人でも、綿密な企業研究を行って許容できるリスクかどうかを知っておくことが大切です。
ぜひ参考にしてみてください。