東京オリンピックにリニア中央新幹線の開通や周辺施設の建設など、建設業界の需要は高まっており、人材不足だとも言われています。

人材不足ということは求人自体が多く転職しやすいということですが、その分ブラック企業や嘘の求人広告などリスクも高まります。

需要が大きいことを理由に、給与や待遇などがあたかも優れているかのように記載されている求人があることも事実です。

同じ建設業界内での転職や、新しく建設業界へ転職を考えている場合は、しっかりと転職前に確認し、転職してから「こんなはずじゃなかった。」ということがないようにしましょう。

そこで今回は、建設業を転職先として選ぶときに絶対に見落としてはならない労働条件のポイントと、条件の良い企業に転職するための適切な転職活動の方法についてご紹介していきます。

心身ともに大変な仕事だと理解するところから

労働条件の良い建設業を探す前に、まずは建設業で働くということの大変さをしっかりと理解し、覚悟を持つことも大切です。

どんなに労働条件が良く、ホワイト企業と呼ばれるような建設関連企業であっても、体を使う仕事ですから肉体的な大変さは当然あります。

また、外での作業が多いため、暑さ寒さに耐える必要もあります。

さらに、建築物は作業中も建設後も、人の命に関わる重大な責任が伴います。

このように心身ともに大変な仕事なのだと理解し、しっかりとした覚悟を持って転職しようとする気持ちは大切です。

労災も多いから社会保険は絶対に確認

建設現場は大きな機材を運ぶ、クレーンがある、高い場所で作業するなど、常に高い危険と隣り合わせです。

また、釘など小さなものでけがをすることなども日常茶飯事の世界です。

労災やケガで休むことになったときのための健康保険など、社会保険については必ず確認しましょう。

これらは事業所として当然完備してあるべきもので、何か理由をつけて加入していないようなことを少しでも言っているようであれば危険です。

社会保険があるのは当たり前、なければ論外というぐらいの気持ちで見るようにしましょう。

休日や残業の有無は必ず実態を確認

建設業ですから、体力的な大変さについてはある程度覚悟ができているという人も多いでしょう。

しかしやはり毎日の仕事ですから、きつい仕事が休みなく、長時間に渡って続くようですと、若くて体力自慢の人にとっても相当きつく続けることができないということになりかねません。

まず残業の有無は実績ベースで確認しましょう。

もちろん納期によっては残業が発生することは覚悟しなければいけません。

しかしそれが継続性が高いのか、時間的にはどれぐらいの実績があるのかはしっかりと確認しておきましょう。

休日に関しても同様です。

建設業は日曜日ぐらいしか休みがないという場合も多く、求人票では週2日休みと記載してあっても、実際には休みが取れないこともあります。

休みが取れないと、疲れが取れないだけでなく、貴重な休みは1日寝て過ごすことも多くなり、家族や友人、恋人との大切な時間が奪われてしまうことにもなります。

求人票はあくまでも規定を明記してあるだけなので、実績はどうなのか、現場にもあてはまることなのか実態を確認しましょう。

東京オリンピックなどが終わってからも生き残れる企業を

業界全体の風向きが良い建設の仕事ですが、東京オリンピックなどが終わったあとに市場規模が縮小し低迷するリスクも指摘されています。

そのためにも、長い目で見て生き残れる企業を選ぶ必要があります。

それにはやはり地元密着で長く活躍している企業や、イベント関連の発注以外の仕事が安定的にある企業を選ぶべきです。

また、経営者がどのように業界全体の将来を見据えているか考え方もしっかりと確認するようにしましょう。

作業員たちを無視した経営を行っているような経営者であればいずれ衰退します。

事前にしっかりと経営者の考え方についてもリサーチを行っておきましょう。

転職口コミサイトや地域住民の評判を確認

建設業界と言っても、クライアントにとっては建物が出来上がりさえすれば良いというわけではなく、欠陥がなく納期をしっかり守ってくれるなど信頼が必要とされる仕事です。

そのため、作業員たちも挨拶がしっかりできて休憩中のマナーをしっかり守る、安全管理に気を遣うなど意識レベルの高い作業員が求められます。

作業員の質が良い現場では工事も円滑に進みますし、結果的に企業の評判を上げて業績につながります。

この作業員の評判は、地域住民からも知ることができます。

住宅を建てたときの作業員はどうだったのか、知り合いなどに聞いてみることで情報を得ることもできます。

特に地方であれば思わぬところから情報を得る機会もありますので、周囲に相談してみても良いでしょう。

また、転職口コミサイトを利用してみると、実際に働いた人が感じた企業内の様子を知ることもできます。

すべての企業が掲載されているわけではありませんが、自分が気になっている企業が掲載されていることもあります。

情報源は一つではありませんから、できる限りの情報を集めておくようにしましょう。

条件の良い建設業は転職エージェントで探すのが吉

建設業界へ転職するときの転職活動の方法としては、転職エージェントを利用するのがおすすめです。

転職エージェントは求人誌やハローワークと比べても圧倒的に多数の求人を扱っており、企業審査がしっかり行われるため優良な求人が集まりやすいという特徴があります。

非公開求人と呼ばれる一般には出回っていない優良求人を見ることもできますから、求人探しにメリットが大きい方法です。

また、転職エージェントにはキャリアコンサルタントと呼ばれるような転職支援のプロが在籍しており、その人たちから企業の内情を知ることができます。

休日や残業の実態については面接で自ら聞くのがためらわれるという人も多いでしょうが、キャリアコンサルタントに確認してもらうことで知りたい情報を得ることができます。

企業側としても今後掲載ができなくなることは避けたいため、嘘の情報を伝えることはないですし、掲載料を支払ってまで良い人材を確保したいという意識が高いので誠実に対応してくれます。

その他にも、応募書類の添削や面接時の対応などをアドバイスしてくれるなど、転職活動を全面的にサポートしてくれます。

転職エージェントは無料で利用できますのでぜひ活用してみてください。

最後に

いかがでしたか?今回は、建設業界への転職を考える場合に絶対に見通してはならない労働条件と適切な転職活動についてご紹介しました。

ブラック企業を回避するためにも労働条件はしっかりと確認し、適切な転職活動を行っていくようにしましょう。