転職活動の面接は1回で終わりという企業ばかりではなく、1次、2次、最終面接と数回に分けて行われることがあります。

面接官の顔ぶれが違いますから、それぞれ特に意識すべきことも異なってきます。

今回は、1次や2次面接を突破し役員面接・最終面接に挑む際の心構えとして、これらの面接で見られているポイントや意識したい点をご紹介していきます。

1次や2次で聞かれることよりも大枠を見られている

役員面接・最終面接では、これまでの面接の中で聞かれた内容と同じ質問を受けることは多々あります。

違うのは大枠で高い視点から見て「この応募者はどんな考え方を持った人物か。」「我が社の方針や風土に合っているのか。」ということを最終的に判断されます。

具体的なスキルや実務能力レベルはここまでの面接でクリアしていると思われますから、パソコンスキルがどうのとか細かい話はしません。

より人間性や考え方に焦点を当てた質問が多くなってきます。

「我が社の職員たちと協力してやっていけそうな人物か。」「辛いことがあっても頑張れそうな人か。」などその人が持つ人間的な資質について気にする経営者が多いです。

これまでチームワークを大切にしてやってきたエピソードや、仕事に対していつも意識していることなどを説明できるようにしておきましょう。

また、将来のビジョンが明確に答えられるのかという点も重要です。

応募先で3年後、5年後、10年後どんな風になっていたいのか、その目的や達成するための道筋を自分なりに考えているでしょうか?

そしてそれは応募先の企業のビジョンと方向性が一致しているでしょうか?

役員にまでなった人や経営者たちは、常に未来の目標を立ててそれに向かってどう行動すべきかを考えてきています。

応募者も自分なりのビジョン設定をして自身の考え方を述べることができるのか、その視点で応募者を判断しています。

退職理由と志望動機は最後まで聞かれる可能性が高い

退職理由と志望動機は面接では鉄板の質問ですが、最後の最後までこの質問は受ける可能性が高くなります。

ここまでの面接で答えた内容ではありますが、もう一度これまでの面接を振り返ってブレがないようにしておきましょう。

退職理由については「同じ理由で辞めてしまわないか。」「仕事で大変なことがあっても続けられそうか。」という点がやはり重要です。

役員や経営者は退職者がでることの損失の大きさを理解していますから、辞めてしまう可能性については気にする人が多いのです。

前職への批判やネガティブな退職理由ではなく、「応募先の企業でやりたいことがあり、それが前職では叶えることができない」という視点で前向きな退職理由を述べ、やる気のアピールへとつなげていきましょう。

志望動機もとても重要です。

役員や経営者になると自社への愛着も深いものがありますし、苦労を乗り越えてここまで会社を育て上げたという自負もあります。

企業が強みとしている点や魅力に感じたところを熱心に伝えられることができれば、良いアピールになるでしょう。

経営者や役員クラスは想像しているより応募者の将来を考えている

経営者や役員クラスの人になると、中間管理職や一般社員以上に「この人を活躍させてあげたい、将来のことを考えてあげたい。」と応募者にとっての利益を考えてくれていることが多くあります。

前職で社長に対していい思い出がないという人などにとっては意外に感じるかもしれません。

しかし中小企業の社長の話を聞いてみると「うちでスキルを磨いて将来的には羽ばたいていってほしい。」と育ててあげたいという気持ちを持つ社長も少なくありません。

このことは言い方を変えると「この人が望むことを我が社では叶えてあげることができない。」「うちには応募者が得たいスキルを身につけることができない。」と経営者や役員が思ってしまえば、内定をもらうということができないということです。

例えばハイスペックで経験豊富な人が自身のスキルや経験をいくらアピールしたところで、「すごいね、君。」とは思ってもらえるかもしれませんが、それが応募先の企業とは関係のないものであれば「でもうちでは活かせないし勿体ないから他をあたった方がいいよ。」と言われてしまいます。

つまり役員面接では応募者が実際に活躍できる場所が自社にあるのかという点を確認しています。

だからこそ企業研究が重要で、自身のやりたい仕事ができる企業なのかを応募の段階から知っておく必要があるということです。

雑談も意外とあるから気を付けて

最終面接になると最後は応募者の人となりが見られます。

平たくいってしまうと「この応募者はなかなかいいヤツだな。」「興味深い人物だ。」と気に入ってもらえれば良いのです。

繰り返しになりますが、実務能力レベルについてはすでにクリアしていることが前提の最終面接なのです。

そこで本質的な人柄や普段の感じを見るために、雑談がメインの役員面接もあります。

敬語を崩して調子に乗るなどはもってのほかですが、何気ない会話に対しても真摯な姿勢で答えるようにすると信頼できる人物だと思ってもらえます。

仕事に関係のない会話だからと言って、話が続かない、適当に答えるなどすると「普段もこんな感じで対話力がない人なのか?」と思われてしまいます。

雑談の中でも見られているポイントがあるということを忘れないでおきましょう。

役員面接・最終面接前を受ける前に準備しておきたいこと

役員面接や最終面接だからと言って新しいことをしておく必要はありませんが、これまでの面接で答えてきた内容を確認し、一貫性のある話ができるようにしておくことが大切です。

また、企業研究についてもおさらいが必要で、特に企業理念や目指す方向、社長の考え方などを中心に整理しておきましょう。

また、役員や経営者の雰囲気に圧倒されて本来の力が発揮できないという人がいますが、ここまでたどり着いたという点は自信を持つようにしましょう。

スキルや経験が評価され、現場レベルでは求められている人物であると判断されたからこそ最終面接に至っているのです。

あとは忙しい中に面接の時間を取ってくれた面接官に感謝の気持ちを持って面接に臨むことも大切です。

そういう気持ちが実際の面接で人柄や信頼性として態度に表れるものだからです。

面接対策は転職エージェントを利用して

役員面接・最終面接までたどり着いたのですから内定まであと一歩というところです。

絶対に失敗しないためにも面接対策は行っておきましょう。

転職エージェントを利用した転職活動であれば、面接対策を事前にやっておくことが可能ですし、最終面接前に気を付けるべきポイントがないかを聞いてみることができます。

後悔しないためにもできる限りの準備はしておくようにしましょう。

最後に

いかがでしたか?今回は役員面接・最終面接で見られているポイントや意識したいことをご紹介しました。

役員や経営者は、ある種のオーラが出ている人も多く緊張してしまうかもしれません。

しかしやるべきことは今までやってきたことと同じです。

自分のビジョンや熱意とともに、貢献できる人物であるという点を意識して伝えていくようにしましょう。