転職が決まった場合、入社時の書類について説明があります。
転職先から渡された書類を作成すれば済むものと、辞めた前職から受け取っておかなくてはならないものがあります。
特に辞めた会社から受け取っておく必要がある書類については、退職してから連絡して発行を依頼するのはできるだけ避けたいところです。
また、「辞める会社がきちんと用意してくれる」も禁物で、必ずしもきちんと会社側が用意してくれるとは限りません。
こちらから依頼しなければならないものや、管理部門がずさんな場合は忘れられていることもあります。
今回は、退職先から受け取る可能性がある書類についてご紹介していきますので、入社時に書類が揃わず慌てないためにも、在籍中の間にきちんと用意できるものはしておきましょう。
目次
源泉徴収票は最終給与の支払後に送付される
源泉徴収票は、転職先で年末調整の時期になったら必要になる書類です。
年末調整の時期になって提出を求められる場合もありますし、時間が空いて紛失してしまうのを防ぐために入社の時点で提出を求められる場合もあります。
いずれにしても、源泉徴収票は前職での最終給与が支給された後でなければ発行してもらうことができません。
前職での最終給与の支払日と入社日の関係によっては転職してしばらくしてから送付されることになります。
年末調整時期に間に合えば通常は問題ないのですが、年末近くの退職などで送付時期がギリギリになることもあります。
その場合は、あらかじめ今の会社の年末調整担当者などに確認しておいて、転職先に送付時期を伝えておくなどしましょう。
年末調整に間に合わない場合は、前職の所得について自身で確定申告をすれば済みますから慌てなくても大丈夫です。
年金手帳は自分が持っている可能性が高い
社会保険の加入手続きのために提出を求められる年金手帳は、自身が持っている場合と会社が保管している場合とがあります。
保管場所の問題等あるので、会社が保管しているよりは本人が持っているケースの方が多いかもしれません。
「入社時に提出を求められたから会社が持っている」と思い込んでいる人がいますが、基礎年金番号部分のコピーを取ったら返却されている場合も多いです。
保管はどうなっているのか総務担当者に聞いてみて、会社で保管していない場合は自身で持っているはずなので探してみてください。
紛失した場合、現在無職等で社会保険に加入していないのであれば、年金事務所に申請すれば再発行してもらえます。
在籍中に紛失が分かった場合は基本的に今の会社経由で再発行の依頼をすることになり、転職してから紛失が分かった場合は転職先経由で再発行の依頼をすることになります。
転職先に年金手帳を紛失したと申し出ると「書類の管理ができない人」とは思われますので、できるだけ転職先で再発行依頼をしないで済むよう事前に再交付の手続きをしておきましょう。
雇用保険被保険者証は紛失しやすいので注意
前職で雇用保険に加入していた場合には雇用保険被保険者証というものがあります。
雇用保険被保険者証は従業員を雇入れてその会社での雇用保険資格を取得した際に、「事業主を経由して本人に交付されるもの」です。
ただし、入社時に交付された雇用保険被保険者証を紛失してしまう人が多いため、会社が保管しているというケースは多く存在しています。
前職の入社時に会社か交付されている場合はご自身が持っていますし、会社保管しているケースでは会社の総務課などに返却を求める必要があります。
退職時に「転職先で提出を求められるはずなので紛失しないよう保管しておいてください。」と言われているかもしれませんが、そう言われても紛失してしまう人がいる小さめの書類です。
退職が随分前でどこにあるのか分からないという場合は、ハローワークに行けば再交付の申請ができますから事前に申請しておきましょう。
実際の企業側の手続きとしては、雇用保険被保険者証がなくても雇用保険の履歴を証明できれば加入の手続きしてもらえるのですが、「雇用保険被保険者証という大事な書類を紛失した人」だとは思われます。
離職票は慌ててもらう必要はない
前述した雇用保険被保険者証とよく混同されがちですが、離職票とは全く別のものです。
離職票を雇用保険被保険者証だと思って提出しても「雇用保険被保険者証を持ってきてください。」と言われます。
実は離職票は転職先で提出を求められることはほとんどありません。
そもそも離職票はハローワークで基本手当(いわゆる失業手当のことです。)を受けるために必要なものです。
よく「退職するときは会社から必ず交付されるもの」と思っている人がいますが、実は離職票の交付は離職日に59歳以上でない職員は、本人が希望しなければ交付しなくてもよいものと雇用保険法に定められています。
本人が希望しない場合とは例えば、在籍中に転職先が決まって、失業手当をもらわずに転職できる場合などです。
ですから、「退職=必ずもらうもの」ではないので離職票が手元にないという場合もあります。
もし転職先で「前職の退職確認のため離職票を提出してください。」と言われたら、「退職証明書」でも良いか聞いてみましょう。
退職した後に離職票の発行を依頼する場合、離職票は対象期間の賃金等記入する手間が大きいのであまりいい顔はされません。
転職先が決まっているならなおさら不要だと総務担当者は分かるので、退職証明書ではだめなのかと聞いてくることもあります。
とはいえ退職の証明が求められることもあるのは理解されるので、退職証明書であればすぐに対応してくれる場合がほとんどでしょう。
免許原本は大事だから必ず返却してもらおう
専門資格などを持っていて会社に免許の原本を保管してある場合は、必ず返してもらう必要があります。
その資格を使って仕事をする場合などは、転職先でも提出を求められる可能性が大きいので返却依頼は必須になります。
ただ、原本確認をした後にコピーを会社で保管して本人に返してあるも多いので、原本を自分が持っているのか会社が保管しているのかは確認しましょう。
退職後に送付を依頼する場合は、原本であると書留等で送付されてくるのが普通なので、不在時に受け取りがなかなかできないこともあります。
できるだけ在籍中に返却してもらうようにしておきましょう。
入社前に疑問に感じることがあれば転職エージェントを頼ろう
今回ご紹介した書類は辞めた会社から受け取って転職先に提出する可能性があるものの代表的なものです。
場合によってはその他にも受け取る必要があるものもありますから、前職に入社した際に何を預けてあるのかはきちんと確認するようにしましょう。
入社してから慌てて準備するのではなく、できるだけ早めに集めておくようにしてください。
転職エージェントを利用して転職活動を行っていた場合、内定をもらってから入社日までの準備で疑問があれば聞いてみると良いでしょう。
転職先で無事働き始めるまでのフォローをしてくれるので、アドバイスをくれるはずです。