漠然としてはいるものの、社風はときに会社を辞めたいと感じる大きな要素にもなるものです。
できれば転職前に、応募先企業の社風が自分に合っているのかは確かめたいところです。
どんな社風が自分に向いているのかを知るためには、まずはどんな社風の会社なのか応募企業を見極める必要があります。
その社風における適性と合わない場合のリスクについてという視点から、応募先企業を見つめていきましょう。
特に重要なのが合わない場合のリスクで、「自分がそれに耐えられるのか」という観点から見ていくと自分と企業の社風との相性が見えてきます。
今回は、特徴的な社風の例を挙げ、どんな人が向いているのか、その社風に合わない場合にどんなリスクがあるのかについてご紹介していきます。
目次
社員同士が仲が良くわきあいあいとした社風
女性社員が多い事務系職場によく見られるのは社員同士の仲が良く、和やかな雰囲気で業務にあたっている職場です。
一見とても良い社風で合わないリスクなどなさそうですが、どうなのでしょうか?
わきあいあいの社風にはこんな人が向いている
一人で黙々と作業することやピリッとした雰囲気が苦手、同僚=親友など、職場とプライベートの人間関係の領域が重なることに抵抗がない人に適性があります。
社員同士の会話も比較的多く和やかな雰囲気で仕事をすることができるでしょう。
わきあいあいの社風に合わない場合のリスク
仲が良いのはいいことが行き過ぎると、相手のミスを指摘しにくい、規則違反を注意できないなど「嫌われたくない」という考え方に偏りがちになります。
ルールをしっかりと守っている人やミスが少ない人にとっては「上司が緩い」と感じることもあり、イライラしたり居心地が悪く感じる場合があります。
公私の境目があまりないため、終業後や休日などのお誘いを断るのに苦心することも多く、オンオフをはっきりさせたい人にはストレスに感じる可能性があります。
気合いと根性がなにより大事な体育会系の社風
爽やかで礼儀正しい挨拶ができる運送会社やマスコミ・出版関係など、昼夜問わず体を動かして働く職場に多い体育会系の社風です。
体育会系の社風にはこんな人が向いている
長くスポーツを行ってきた、特に団体競技の経験がある人は縦社会に慣れていて上の人から可愛がられるスキルを兼ね備えています。
何をするにも気合いと根性があれば乗り切れると感じる精神論者にとっては「それが当たり前では?」というレベルで不満に感じることはありません。
「忍耐強く乗り越えたこと」が感動的でもあり自身のモチベーションにもなるでしょう。
体育会系の社風に合わない場合のリスク
残業が多く何とかしたい、困難なことがあった場合に具体的なアドバイスが欲しいと思っても、「とにかく頑張れ」「努力していればいつか認められる」など精神面でのアドバイスを受けることが多くなります。
成績が振るわない、ミスをした場合などは他の社員が周りにいても大きな声で怒鳴られることもあり、人によってはパワハラだと感じることもあります。
また、体育会系の社風の職場では社内行事や飲み会も多く、それに参加してコミュニケーションを深めるのが当たり前という雰囲気が蔓延しています。
その場合は家族やプライベートの時間を大切にできないリスクが高いです。
無駄話の一切ない職場。黙々と業務を遂行するお役所的社風
基本的に職場内に話し声は聞こえず、お役所などによく見られる社風です。
事務系だけでなく、製造業の工場などにも多い傾向にあります。
お役所的な社風にはこんな人が向いている
電話の取次ぎや業務で必要な質問以外では話しかけられることがないため、自分の仕事に集中して取り組むことができる人に向いています。
効率重視、無駄のない仕事でオンオフをはっきり分けたい人にとっては最適な社風です。
ランチも自分の席で食べるという人も多いので、人間関係の悩みなどで精神を消耗したくないという淡泊な考え方の人には快適な職場環境です。
お役所的な社風に合わない場合のリスク
皆黙々と作業している環境なので、周りの人に色々と教えてほしい、積極的に質問をしていきたいと考える人にとっては「疑問点を周囲に聞きづらい」「教育体制が整っていない」などの不満を感じる可能性があります。
また、誰かが困っている雰囲気を察知して自ら手を差し伸べてくれるということが少ないので、困った場合は自分から助けを求める必要があります。
職場の人との人間関係に期待をしていた人にとっては「職場の人が冷たい」と感じて辞めたくなるリスクがあります。
成果至上主義の社風
外資系や住宅、生命保険など歩合制営業が多い職場に代表される成果至上主義の社風です。
成果至上主義の社風にはこんな人が向いている
バリバリ働いて仕事で高い評価を得たいという野心がある人や、高収入を得たいという人に向いています。
どんな過程であっても結果が出れば評価されるという分かりやすい評価制度なので、上司に媚びを売るのが嫌だという人でも実力があればやっていけるでしょう。
成果を求められることで燃えるタイプの人や、逆境をモチベーションに変えられるポジティブな性格の人に適性があります。
また、成果を挙げられれば残業をしなくても休日を連続して取っても文句を言われることはありません。
自分の役目を果たせばお付き合い残業などはしたくないなどという現代的な考え方の人にとっては働きやすい環境と言えます。
成果至上主義の社風に合わない場合のリスク
常に結果を求められる社風のため、精神的なプレッシャーで潰れやすいという人には高いリスクがあります。
結果を出せなくなった場合は、居心地が悪く感じ早々に職場離脱する可能性もあるでしょう。
同僚もライバルなので皆と仲良くやっていきたいという人にとっては辛い環境です。
経済的、精神的ともに安定志向の人には向いていない社風です。
勤務時間や服装などすべてにおいて自由度が高い社風
IT系やゲーム業界、ベンチャー企業など経営者の年齢が比較的若い革新的な企業に多い自由度が高い社風です。
フレックスタイム制の導入やスーツ着用不要など、勤務時間や服装などに従業員の裁量権があるのが特徴です。
自由度が高い社風にはこんな人が向いている
ルールを守るのが面倒、締め付けのない環境下で働きたいという人に向いています。
これまでの経歴や学生時代を含めて、自分の意志や行動をきっかけとして良い方に働いた経験が多いという人は、自由な社風で思う存分能力を発揮することができます。
自由度が高い社風に合わない場合のリスク
自分を律するのが苦手な人は、遅刻やさぼり癖がつき結果的に成果を挙げられず退職に追い込まれる可能性があります。
いくら自由度が高い社風とは言え会社です。
会社に貢献しなければ何もならないという意識がない人は、ある程度ルール化された組織で与えられた仕事をこなす方が、長い目で見ると適性があると言えます。
どんな社風かを事前に知る方法
応募先企業の社風を完璧に知るのは難しいですが、企業HPなどで見られる経営者の考え方や面接に訪れたときの社内の雰囲気、質問タイムで聞いたことなどをヒントにある程度推測することは可能です。
経営者の考え方は社風に大きな影響を与えますし、面接時に社内の雰囲気を確認してみる、職場見学などを申し出るのも一つです。
面接の質問タイムでは、社内行事など社員同士がコミュニケーションを深めるために行っている工夫や、面接官の仕事の取り組み方などを聞いてみるだけでも参考になります。
また、転職エージェントに聞いてみると業界や企業事情に精通していたり、企業の採用担当に社内の雰囲気のヒントとなる情報を聞いてくれたりします。
最後に
いかがでしたか?今回は、特徴的な社風への適性と合わない場合のリスクについてご紹介しました。
社風なんて入ってからでないと分からない、そう考えて一切社風を考慮しないで転職をしてしまうと、「社風が合わなくて辞めたい」ということになりかねません。
自身の適性と合わない場合に何が起きるのかについて考えておくようにしましょう。