在籍中の転職活動が基本と言われますが、実際には辞めてから転職活動を始めるという人も多く見られます。

退職理由等によってはそれもやむを得ないことなのでしょう。

ただし、辞めた直後は現職から解放されたこともあって「こんなにゆっくりできる機会もないから少しのんびりしてから転職活動を始めればいいや。」という気持ちがムクムクと湧き上がってきます。

最初は1週間程度休む予定だったのが、1ヶ月になり3ヶ月になり…。

いつのまにか1年近くゆっくりしてしまうという人も中にはいます。

残業続きの毎日から脱出して休みたい気持ちは分かりますが、のんびりしていてもいいことはありません。

今すぐ転職活動を始めていきましょう。

今回は、退職してから転職活動を始める人が今すぐ動き出すべき理由をご紹介していきます。

想像以上に内定まで時間がかかることがある


まずは「少しゆっくりしたい」と考えている人に向けた基本情報として、応募から内定まで大体どれぐらいかかるのかという点をお伝えします。

応募から内定、そして入社までにどれぐらいかかるのかは活動状況によって異なりますが、順調に行っても2~3ヶ月、半年以上かかる人もごろごろいて、中には1年近く見つからないなんてことも珍しくはありません。

ですから、「少しゆっくり」の期間が1年あった人はそこからさらに1年かかる可能性もあるということです。

失業中の方が期待されている失業手当(正式には基本手当)の給付日数ですが、特定受給資格者等のように、倒産や解雇等のやむを得ない理由で離職した人であっても最大で330日です。

※20年以上勤続年数がある45歳以上60歳未満の人で就職困難者を除くケースです。

これは勤続年数や年齢によって差があり、人によっては90日です。

それほどゆっくりはできないということがお分かりいただけるのではないでしょうか?

失業手当では足りないと気づく

失業手当については給付日数の問題だけでなく、受給日ごとにもらえる金額についても考えておく必要があります。

失業手当は確かに失業中の人にとっては非常に助かるものですが、前職でもらっていた賃金の全額が支給されるわけではありません。

給付率は50~80%が基本ですから、場合によっては働いていたときの半分しかもらえないということになります。

しかも退職して社会保険を外れると、自分で支払うべきものが多いことに気づきます。

健康保険料に年金に税金など、これまで給与天引きされていてわかりにくかったものが、確実に自分の財布から出ていく感覚を実感することになります。

特に国民健康保険料や住民税は、現役バリバリで働いていたときの前年の所得にかかる額を支払わなければいけませんから、無収入の人には重くのしかかります。

この時点で失業手当だけでは生活できないから転職先を見つけるべきだと気付くわけですが、そこから転職活動を始めるのでは遅いのです。

生活が成り立ってしまっても危険

一人暮らしや家族を養っている場合は失業手当だけで生活することはできませんが、家賃も食費もすべて出してもらっている実家暮らしなどの場合は生活が成り立つことがあります。

これは、だから良いということではなくリスクも大きいことです。

失業手当だけで生活できてしまうと「働かなくても生きていける」という緩い生活に体や気持ちが慣れてしまい、積極的に転職活動をしなくなっていきます。

そうなると、ズルズルと転職活動をやらない期間が長くなり、ブランク期間だけを無駄に積み上げていくことになります。

こういったのんびりしている期間はしっかりと経歴に残るので、いざ「さすがにそろそろ働こう。」と思っても、なかなか内定をもらうことはできません。

面接官に以下のような質問を次々と投げかけられることになるからです。

「ブランク期間が長いけど何をやっていたのですか?」
「前職を辞めてから随分経ちますがビジネススキルは保てていますか?」
「そもそも働く意欲は残っていますか?」

焦りが妥協を生み負のループへ突入!


ゆっくりした後にいよいよ転職活動を始めてなかなか選考が通らない場合は、「収入がない」「社会から取り残されている」といった焦りの気持ちがどんどん強くなっていきます。

その気持ちから企業研究をしっかりやらず大量に応募してしまったり、焦りから面接で思うような力が発揮できないなどして転職活動が難航してしまいます。

そうなると応募企業のレベルを下げるなどして、自分には合わなそうな仕事だと思っても妥協して転職してしまうことになります。

妥協して選んだ先はやはり満足できるものではありませんから、また辞めたいと感じることになります。

転職回数が加算された状態で再度の転職活動を始めるという、負のループへ突入することになるわけです。

有休消化中も精力的に転職活動を

有休残日数が多い場合には、退職日までをすべて有休消化させてもらうということもあるでしょう。

法律上は最大40日の有休申請が可能なので、全く休んでいないという人は最大で2ヶ月程度の間賃金をもらいながら休むこともできます。

有休消化中はまだ社員として在籍している身分ですから、気持ち的にも余裕がありますし生活も成り立っています。

「まだ給与があるから休んだって平気だよね。」という考えになるのも、ある程度は仕方のないことかもしれません。

しかし有休消化できる人はここが最大のチャンスです。

なぜなら収入もあるのに時間も山ほどあるという機会はまたとないのですから。

面接の日程調整等も比較的楽に行うことができますし、収入がないことによる焦りもありません。

有休消化中に転職先を決めることができれば、すでに退職日が決まっているので現職との退職日交渉も必要ありません。

ゆっくりと余裕をもって入社日を迎える準備や勉強などもできることになります。

有休消化中も精力的に転職活動を行ってください。

少し休みたいと思っても転職エージェントには真っ先に登録を

もし今すでに退職した後である、あるいは転職先が決まっていないけれど退職日は確定している、その場合は真っ先に転職エージェントに登録しましょう。

少し休みたいという気持ちがあっても登録だけは先にしておくことで、様々なスカウトメールが届いたり、サイト内で様々なノウハウを学んでいくうちに転職活動そのものから気持ちを離さないことができます。

カウンセリングサービスを利用すれば、応援して熱心にサポートしてくれる転職エージェントの存在が「このままのんびりしていないで転職活動を頑張ろう。」という気持ちにさせてくれます。

最後に

いかがでしたか?今回は、退職してから転職活動を始める人が今すぐ動き出すべき理由をご紹介しました。

今しかのんびりできないからという気持ちは分かりますが、後々のことを考えてのんびりし過ぎは禁物です。

すでに退職している、退職日が確定しているという実情を理解して、今すぐ転職活動をスタートさせましょう。