転職活動を始める前に一度振り返っていただきたいことがあります。それは、正しい敬語を使えるかどうかということです。

転職を考える方の中には社会人経験が何年もあるという方が多いはずですが、その中で正しい敬語が使えないということは恥ずかしいことだと言えます。

応募先の企業は、転職組の応募者は当然正しい敬語が使えるものだと思っていますから、正しい敬語が使えないということは大きなマイナスポイントになることもあるのです。

そこで今回は、転職を成功させるために正しい敬語を身につける方法をお話していきます。

正しい敬語が使えるということ

企業にとって応募者はどこの誰かもわからない、見ず知らずの人間です。自分の能力をアピールする以前に社会人として常識があると思われないと、それだけで採用のハードルはぐっと下がってしまうと心得ましょう。

正しい敬語が使えるということは、社会人としての一定レベルの常識があると判断され、企業側の安心材料になります。

さらに、今は正しい敬語が使えない人も多いため丁寧で美しい敬語をマスターすれば、他の応募者との差別化を計ることも可能です。

敬語一つとっても「あ、この人は仕事ができそうな人だな。」と思われることは十分あり得ることなのです。

日常的に敬語を正しく使うことの大切さ

これまで一度もビジネス敬語を意識的に学んだことのないという方は、間違った敬語を日常的に使っている可能性があります。

自分では正しい使い方をしていると思っていても、実際には間違っているというケースは多分にありますので、自分の敬語を疑う気持ちを持つことも大切です。

また、面接のときだけ付け焼き刃で敬語を覚えようと思っても、緊張状態の中予期せぬ質問が来ることもある面接では、そのような付け焼き刃は通用しません。普段使っている言葉がそのままでてしまうことでしょう。

今のうちから学ぶ機会を設け、常日頃から意識して正しい敬語を使えるようにしておくことが非常に大切です。

正しい敬語を学ぶ方法とは?

では、正しい敬語はどのようにして学べば良いのでしょうか。具体的な方法についてお話していきます。

テレビやラジオのニュースをよく聞く

敬語だけに限らず、正しい日本語を使うという意味において、ニュース番組などのアナウンサーの話し方は非常に参考になります。

アナウンサーは非常に厳しい研修の中で、正しい日本語の使い方を徹底的に学んでいる日本語のスペシャリストです。普段はニュースの内容だけに囚われがちですが、意識してアナウンサーの言葉を聞いてみると正しい日本語の使い方の良い参考になります。

インターネットでビジネスマナーを学ぶ

今はインターネットで何でも情報を得ることができる時代です。インターネット上にもたくさんの正しい敬語の使い方を教えてくれるサイトなどがありますから参考にされると良いでしょう。

ただし、ご存じの通りインターネット上には大量の情報がある代わりに間違った情報も散乱しています。

複数の情報源から確認する、ビジネスマナー専門で運営しているサイトにする、会社が運営するサイトで複数の人の目が入っていると思われ情報に絞るなど、できる限り正しい情報かどうかを確認しないと間違った敬語を覚えてしまうことになります。気を付けましょう。

敬語を学べる書籍で勉強する

楽天やアマゾンで「敬語」で検索するだけで、何千件という敬語の書籍がでてきます。たくさんあってどれにすれば良いか分からないという方は、まずはランキングなどで上位のものを試してみてはいかがでしょうか。売れている本にはそれなりの理由があります。

秘書検定の受験勉強をしてみる

敬語だけに限らずビジネスマナーを学ぶのにお勧めなのが秘書検定の受験勉強です。

秘書として働く予定がなかったとしても、今すぐ職場で役に立つビジネスマナーや敬語の使い方、挨拶文の書き方など社会人として知っておきたいことが多く学べます。

何かを覚えようと思うときに目的がないとなかなかやる気がでないという方は、資格に合格するという目的を持つことで勉強を楽しく行うことができるのではないでしょうか。

ビジネスマナーや敬語が学べる上に、履歴書に書ける資格まで取得することができれば、まさに一石二鳥です。

職場で先輩や上司のマネをするも良いけれど

職場で先輩や上司が使っている敬語は参考になるところも大いにあることでしょう。普段から職場の人たちの敬語をしっかりと聞くことも大切です。

しかし、しっかりとした研修や教育の場がない企業では、実は職場で多くの人が間違った敬語の使い方をしているということを覚えておかなければなりません。

ベテランの職員が間違った敬語を信じて使い続けているケースなどはよくあることなのです。必ずしも職場で使われている敬語が正しいとは限りませんから、鵜呑みにするのではなく、きちんと自分でも学ぶなどの裏付けを取ることが必要です。

覚えた敬語は実践することが大切

敬語の書籍を一通り読んだところで正しい敬語がすぐに身につくわけではありません。一番大切なのは、覚えた敬語を日ごろから意識して使うようにするということです。

一度身についてしまえば、とっさのときや緊張状態にあっても正しい敬語が出るようになり、転職活動中の面接時にも役に立つことでしょう。

書籍を読んだり勉強したりするのは億劫に感じるかもしれませんが、いつ必要になるかわからない特殊な知識を学ぶわけではなく、敬語は職場ですぐに使える実用的な学びです。学んだ成果をすぐに活かすことができるというのは楽しい面も大きいですよ。

正しい使い方プラスアルファで更にアピール

敬語は正しい使い方をするのはもちろん、しっかりと学ぶことで更に「おっ」と思わせる美しい使い方をすることができます。

例えば、「クッション言葉」という言葉を聞いたことはありませんか?相手に何か伝えようとするときに、言葉の強さをやわらげるまさにクッションのような役割を果たす言葉です。

「少々お待ちいただけますか。」と相手に依頼したいときには、この言葉だけより「恐れ入りますが」や「申し訳ございませんが」などを頭につけることによってよりやわらかく丁寧な印象を与えることができます。

このときにありがちな「すいませんが」を頭につけるようでは社会人としては少し残念です。細部までしっかりと意識するようにしたいものです。

クッション言葉がなくても敬語の使い方としては間違ってはいませんが、より相手に好印象を与える言葉としてプラスアルファで使えるようになると良いでしょう。

正しい敬語を使うこと以上に大切なこと

ここで転職活動をするにあたって絶対に忘れてはいけないことをお伝えします。それは「正しい敬語を使うこと以上に相手への気遣いがにじみ出る感じの良さが大切」ということです。

いくら完璧な敬語の使い方ができても、血が通っていないような冷たい言い方や機械的な口調では、面接官に自身の良さや熱意が伝わらなくなってしまいます。

笑顔で感じの良い受け答えができれば、正しい敬語以上に大きなアピールになるということも忘れてはなりません。

最後に:正しい敬語で転職を成功させよう

いかがでしたか?今回は、転職を成功させるために正しい敬語を使うことの大切さや学ぶ方法などについてお話してきました。

そもそも敬語とは相手への敬意を払うための言葉です。それを考えれば、おのずと正しい敬語を使う必要性が理解でき、応募先の企業へ良い印象を与えることができるのではないでしょうか。常日頃から正しい敬語を使うように心がけて、転職を成功させてください。