インポスター症候群(シンドローム)をご存知でしょうか?
インポスター症候群とは、仕事などの成果を挙げ周囲から評価を得ているにもかかわらず
「成功したのはたまたまであって自分の力ではない」
「自分は能力がないのに周りをだましている」
などのように思いこむ心理状態のことを言います。
他者評価と自己評価のギャップという意味では誰にでも誰にでも起こりうることですが、症状が深刻化してうつ病気など他の病気に発展してしまう可能性も捨てきれません。
仕事に支障をきたすような大きな症状でなければ気にすることはありませんが、克服方法や解決策を知っておくことは大切です。
そこで今回は、インポスター症候群に悩む人に伝えたい気持ちを楽にするために覚えておきたいことについてお話していきます。
目次
女性は自分を過小評価しがち
インポスター症候群は男女問わず陥ることがある状態ですが、特にキャリアを積んできた優秀な女性や管理職などに多く見られるそうです。
様々な調査などにおいても、女性は日頃から自分が出した結果に対して低く評価する傾向が強く、逆に男性は大きく評価する傾向があるということがわかっています。
女性は慎重に仕事に取り組むため普段の仕事でミスが少ない分、ミスを起こしてしまった場合には落ち込みやすく自分を責めてしまいがちです。
そんなときは冷静に起きてしまったことへの対処方法だけに集中することが建設的だと割り切って考えましょう。
また、小さな成功体験の積み重ねが自信につながります。自分が周りに褒められたことや、上手に時間を使って効率よくできたときなど、些細なことで構わないのでその都度自分を褒める癖をつけたり日記などに書き記してたまに見返すようにすると良いでしょう。
優秀な人こそ陥りやすいという事実を知ろう
インポスター症候群は頭が良く優秀な人ほど陥りやすいということも言われています。元々優秀でなければ仕事で成果を挙げて周囲から評価を得ることはありませんし、失敗を人のせいにしたり気にしないような人は他者からの評価に悩むこともありません。
自分がだめな人間で周囲を騙しているのではないかと感じることがあったら、自分は能力が高く優秀である可能性があるということを思い出してください。
それを思い込むことは難しいかもしれませんが、そういう事実があるということを頭の片隅に入れておくだけで十分です。
こうでなければだめというあり方に囚われないで
理想が高すぎたり、こういう人間でなければだめだと思い込むことも自分を責めて他者評価とのギャップの要因となります。
人には色々な特性がありますし、それは常に変化をしていくものです。こんな自分もいてもいいじゃないかと自分を受け入れて、許してあげる気持ちが大切です。
人の気持ちを考えずに人を責めてばかりいるパワハラ上司のことは良くないと誰だってわかりますよね?それを自分に置き換えてみれば、自分自身がしていることは自分に対してのパワハラなのだと分かるはずです。
シンプルだけど大切なのは素直になること
仕事の中で人を褒めるということはそれなりにエネルギーが必要なことです。自分が誰かを褒めるときも、喜んでもらいたい、本人にその魅力をわかってもらいたいと想いを巡らせて褒めることはないでしょうか。
自分が褒められたときは、そのエネルギーを使ってくれた相手を尊重する意味でも素直な気持ちで受け取ることが大切です。変に勘繰ったりせず、ただシンプルにありがとう!嬉しい!それで良いのです。
そしてその喜びを覚えておく、成功体験として書き記しておくのです。ダメ出しされたことに対しては寝る間も惜しんで悩むのに、褒められたことは軽く受け流したりなかったことにしてしまうのはおかしなことではないでしょうか。
周囲を頼って信頼することも大切
優秀な人は自分でなんでもできてしまったり、周囲への気遣いから負担をかけないようにしようと自分で仕事を抱えてしまうことにもなります。
自分一人でやったのだから自分が責任を持つようにしようと力むことで、仕事の成果を自分だけの責任にしてしまいがちです。
ときには周囲を信頼し仕事を任せてみることも大切です。信頼関係が構築されて仕事が楽しくやれるようになりますし、多数の目が入ることでミスの予防にもなります。
チームワークを築きながら仕事をすることで、自分一人だけの評価を気にしすぎることがなくなります。
結果よりも自分のやるべきことに気を配る
管理職など責任ある仕事を任されている立場の場合には結果を求められることが多くなってきます。
しかし結果ばかりを考えると失敗を恐れがちになり新しいことにチャレンジしたり、完璧を求めるあまり逆に緊張してミスを引き起こしてしまう可能性もあります。それがより自分の自信を失わせることにつながってしまうのです。
まずは今の自分がやるべきこと、目の前の仕事に集中するようにしましょう。結果は後からついてきますし、たとえ失敗しても命にかかわるような重大なことではないと、気を楽にすることも大切です。
自分が信頼できる人に客観的に見てもらう
自分が「この人は信頼できる人だ」と感じている人に、自分がどう映っているのかを見てもらうことも方法です。その人の意見を疑うのは、その人を信頼していないということですから、素直に聞くことができるのではないでしょうか。
良いところもだめなところもノートなどに書き記し、良いところは自分で認めて伸ばすようにする、だめな部分があれば具体的にどのようにすれば良いのかを相談してみるのも良いですね。
転職市場での価値を見てみることも
自分がいくら自分自身を認めていなくても、市場価値は十分に高いということは考えられます。転職エージェントや転職サイトなどに登録することで、無料の年収査定サービスや適性診断などを受けることができます。
それがすべてではありませんが、客観的に自分の価値を判断するための一つの目安にはなりますので、試してみてはいかがでしょうか。想像以上に自身の市場価値が高く、自信につながったり、転職という道を考えてキャリアアップを図るという選択肢も増えます。
最後に
いかがでしたか?今回はインポスター症候群に悩む人に、気持ちを楽にするための方法をお伝えしてきました。優秀であるがゆえにこの悩みを抱えることが能力の発揮を妨げてしまうのは非常に勿体ないことです。他者評価と自己評価の不一致に悩みを感じたら、今回ご紹介した内容をぜひ思い出してください。